小川淳也氏「オガジュン構文」の迷宮――不条理「進次郎」、論破「石丸」との違い

中道改革連合の小川淳也代表
18日、特別国会が召集された。首班指名では衆院の中道改革連合、参院の立憲民主党・公明党の3党から野党統一候補として推された小川淳也氏が、来週23日から始まる「主戦場」の施政方針演説および代表質問で、いよいよ高市早苗首相と対峙する。
衆院選大敗を経て、背水の陣で「権力監視」を掲げる小川氏だが、その足元では、彼の独特な言説スタイルを愛称の「オガジュン」から「オガジュン構文」と呼ばれ、注目を集めている。
内省的で情緒的な前ふり中道代表の「オガジュン」構文

衆院予算委員会で答弁する小泉進次郎防衛相
中道の代表選以来、X(旧ツイッター)などSNS上では、小川氏の言い回しを「オガジュン構文」と呼び、過去に話題となった小泉進次郎防衛相の「進次郎構文」や元安芸高田市長・石丸伸二氏の「石丸構文」と比較する動きが広がっている。弁舌豊かという点では共通するがそれぞれの特徴は次のように対照的だ。

石丸伸二氏
・進次郎構文(小泉進次郎氏): 「今のままではいけない。だからこそ日本は今のままではいけない」といった、A=Aの同義反復。内容は希薄だが、言い切りの良さと爽やかさで、思わず「思わずプッと笑わせ、なんだかんだ笑顔にしてくれる」(2024月7月9日、元アイドル・千葉麗子氏のX投稿)というポジティブな側面も持つ。防衛相になって以降は、切れ味・風格を増して評価が高まっている。

倉田真由美さん
・石丸構文(石丸伸二氏): 問いに対して「定義は何ですか?」と逆質問で返し、相手の土俵を解体する。効率と論理を重視するが、周囲を「ギスギスした雰囲気」にさせることもある攻撃性が特徴。政治系YouTuBe番組では、MCとして毒を盛りながら話を回す巧みさも。
・オガジュン構文(小川淳也氏): 結論を後回しにし、内省的で情緒的な前振りを延々と積み上げる。誠実さを演出しようとするあまり、聞き手を「何万字書いても結論にたどり着かない」迷宮へと誘う。
Xでは、この「オガジュン構文」をパロディ化した一般ユーザーによるこんな投稿が相次いでいる。
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子ども「桃太郎読んで!オガジュンっぽく!」
「一番厳しく、一番大変な時にこそ拾うべきものなんです!火中の栗は!そういう意味で鬼を倒す、なんてことは我が身が可愛ければ出てくるような話ではないんですよ!村生活の不安を考えた時に、」
子ども「熱いけど導入が長い!」
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また、このスタイルを身近な場面に投影するユーザーも現れている。
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中革連の小川淳也代表が前振りが長いだけで結論のない『オガジュン構文』だけど…重要な打ち合わせで何も事前に用意してなかった時のワイにそっくりで草
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倉田真由美氏は「絶賛」? 評価が分かれるその真意
一方で、この独特の構文を肯定的に捉える向きもある。漫画家の倉田真由美さんはオガジュン構文について、こうポストしている。
「長々と抽象的な言葉を並べ、『平和は大事』のような反論しにくい至極当たり前のことをなんとなく言う、という感じだろうか。しかし、支持者にとっては案外これでいいのかもしれない。抽象的で内容がぼんやりしているから、自分の理想や思想を乗せやすい」(2月16日のX投稿から)
一方、経済評論家の池田信夫氏は同日のXで、「進次郎構文の上を行くオガジュン構文。チャッピーに頼んだら、何万字でも書いてくれるだろう。」と言及した。チャッピーとは、若年層が“相談相手”として使うことでも話題の対話型AI、ChatGPTのことだ。SNS上で揶揄されながらも、今回の衆院選で中道の候補者が「弱い」と言われた若年層の心をつかむかもしれない。
単なる「中身のなさ」ではなく、複雑な問題を複雑なまま捉えようとする「苦悩の跡」と見る向きもあるようだ。
だが、現実は甘くない。中道のトップとしてテレビ出演した際に「まとまっていけそうか」と問われた小川氏は、「最終的にまとまっていかなきゃいけないんですが、まとめることを目標に置くと……」と問いの核心を巧みに(あるいは無意識に)回避する姿勢は、「決断力」に疑問符を投げかけている。
どうなる高市首相との「一問一答」
来週23日からの代表質問は、一方的な問いかけが主となる。そこでは「オガジュン構文」が持つ熱量と情緒が、ある種の演説としての魅力を放つ可能性もある。
しかし、真の正念場は3月上旬の予算委員会だ。テレビ中継が入る「一問一答」の至近距離での攻防において、前振りの長い「オガジュン構文」は高市首相に一蹴されるリスクをはらむ。「結論は何だ」と突きつけられた時、小川氏は霧の中から抜け出し、国民に納得感のある言葉を届けられるのか。
(zakⅡ編集部 霞蓮刃)