朝ドラにDAIGO登場! 妻・北川景子の出演で「出たいと風のウワサが…」制作陣のウィッシュが実現したワケ〈ばけばけ第107回〉

『ばけばけ』第107回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第107回(2026年3月3日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

ヘブン、レッスンを打ち切る

「まさか……」

 ヘブン(トミー・バストウ)が帰宅すると、郵便配達員が為替を届けに来た。

『日本滞在記』の印税が1050円!

 ヘブンのつぶやく「まさか」は、どの「まさか」?

 まさかこんなに高額? まさかこんなに少額? その答えはそのあとの丈(杉田雷麟)との会話でわかる。

 質問をしに来た丈にヘブンは逆質問。

「1000円(あったら)家族どれぐらい暮らせる?」

「考えたこともない金額ですが、贅沢(ぜいたく)さえしなければ5年か10年は暮らせると」

 良かった、これで、今後の生活は安心である。

 ちなみに、第101回のレビューで、公務員の初任給(明治27年):50円、日雇い労働者の賃金(明治25年):全国平均18銭(いずれも月額)と記した。公務員の初任給が月50円とすると年600円だから、5年、10年暮らすのは難しいのでは……。

 主題歌明け。ヘブンは「心はすでにフィリピンに向かっている」とイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)に返事を書く。「家族も連れて行こうと思って英語の練習もしている。なかなか上達しないけどね」

「もともと1つの土地にとどまれない人だものね」と蛇と蛙(渡辺江里子と木村美穂)がわけ知り顔で語る。

 英語の練習中の家族であるトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)は丈と正木(日高由起刀)に英語を教わっている。

 ふたりは微妙な顔でトキの英語を聞いていて、トキは「いつもその顔しますよね」と落ち込む。

 ただ、「I want to be with you」だけは流暢(りゅうちょう)に語れる。まるでなんとかのひとつ覚え的だ。丈と正木も褒める。

 次はヘブンのレッスン。あいかわらずうまくできない。「でも楽しくやっちょりますけん」とトキは無理して笑うが、「いっぺんここまで」とヘブンはレッスンを打ち切ることにする。

「悪い 私 心」

 ちょっと重たい空気。

北川景子のハズバンド・DAIGO「ヤブ医者?」役に

 翌朝、ヘブンが出勤。よく見ると、玄関のわきに狐の石像が。床の間のシャチホコといい、へんな趣味である。置く場所が変という意味だ。

 永見(大西信満)が人力車から離れて手紙を読んでいて、慌てて、仕事に戻る。

 永見は妻からの手紙であること、松江に妻と子どもを残してきたと告白。

 妻は自分以上に不器用なので松江を離れられないらしい。

「松江を離れたら不幸せになりますけん」

 永見の話を聞いて、ヘブンは迷う。

 ヘブンが学校につくとロバート(ジョー・トレメイン)にフィリピン行きの話をする。

 言葉の問題だけじゃなくて、高齢の家族もいるから「フィリピンに連れていったら、妻を不幸にしてしまうだろう」と決断できずにいるのだ。ところがロバートはあっさり。

「じゃあ、迷うことないじゃないか。僕も君の立場だったらラン(蓮佛美沙子)を置いていくよ」

「夫婦なのに?」

「ああ、そういうもんだよ」

 これはいわゆる単身赴任問題であろうか。それにしてもロバートはいやにあっさりしている。ランを信頼しているから?

 家では、司之介(岡部たかし)が自分で漬けた漬物を食べてご満悦。

 トキは食欲がない。そして、立ちくらみを起こしてしまう。

 蛇「ほどなくしてヤブ医者が来ました」

 蛙「ヤブ医者?」

 ヤブ医者の顔に見覚えが。まさかのDAIGOである。

 DAIGO演じるヤブ医者は「ただの貧血」と診断し、山高帽をかぶって去っていく。『ばけばけ』ではかつて兎相場を持ちかけてきた人物もかぶっていたが、シルクハットくらいの山高帽をかぶった人物は信用できない。

 ただ、このヤブ医者、名前が薮井だからヤブ医者なのだ。

 第107回はDAIGOのゲスト出演のインパクトが大きかった。大河ドラマ(豊臣兄弟!)にも一瞬出て、朝ドラにも。おいしい出演の仕方をしているなあ。

 DAIGOさんと橋爪國臣チーフプロデューサーのコメントを紹介しよう。

「“DBD” DAIGO ばけばけ でるけん。 元々、祖父の故郷、島根が舞台のばけばけに出たいという気持ちがありました。 ある日ばけばけの撮影で大阪にいる妻ことおタエさんから連絡が来ました。 おタエさん『出られるみたいだよ』 DAIGO『え?』 おタエさん『ばけばけ』 DAIGO『え?』

 ということで人生で初めて使いました TB 妻のバーター 撮影に行ったら熊本が舞台で島根ではありませんでしたが、ずっと観ていたおトキさん、フミさん、司之介さんに会えて嬉(うれ)しすぎました! 控室にはヘブン先生もいて大興奮でした! 大河ドラマと同じ30秒くらい、いやもっと短い可能性もあるので、注目して観てください!」(DAIGO)

「(奥さんの)北川景子さんが出ているからDAIGOさんも『ばけばけ』を見ているそうで、すごくいいドラマなので出たいと言っていると風の噂(うわさ)で聞き、オファーしてみたところ快諾していただけました。

 DAIGOさんはとても楽しんで演じてくれました。本番前のドライリハーサルというテストのとき、スタッフが指先のない手袋を用意していて。もちろん本番では使用しませんが、『本当にこれでやるんですか?』と笑いながらテストのときだけ身につけてくれて、場が和みました。

 北川さんは『ありがとうございました』と言っていました(笑)。

 役名の薮井は、最初は藪田だったのですが、薮井にすればヤブ医(者)そのものだということで変更しました」(橋爪)

フィリピン行きを聞いて、トキ動揺

 トキはランの家を訪ねる。スープをごちそうになる。

 お口に合うかしら? と言われて「ん! 合いました!」

「倒れた以外はお元気なの?」

「あとは英語の方がお元気ないですね」

 とトキは言う。ちっとも上達しなくてレッスンを打ち切られたというと、ランは

「もういいんじゃない英語は。聞いたわよ。旦那様。フィリピンで暮らして滞在記、書くそうじゃない」

 だから、英語のレッスンを終わりにしたのではないかと推察した。

「みーんな最後は旦那が1人で出ていくのよ。うちも同じ。もしロバートがアメリカへ帰るなんてことになったら別れるつもり」

 いろんな意味でランの爆弾発言。

 夫がアメリカに帰るなら別れるとサバサバしていることに驚くが、トキが驚いたのは、ヘブンがフィリピンに行くつもりだということ。初耳で、「急に英語始めたのは私を連れて行こうと思っちょって。でも、それをやめてしまったってことは……」と独り言をつぶやく。ヘブンも最近、独り言が多い。夫婦そろって独り言。

「ヘブンさんヒリピ(フィリピン)行くんですか。聞いちょらんのです」「どげなるんでしょうか私は。家族は」

 トキは動揺し、帰宅途中、道端で座り込んでしまう。

 そこに駆けつける丈と正木。たぶん、丈と正木。でも声だけで顔が映らない。なんでだ。駆け寄ったのが誰か、気を持たせる必要もないと思うが……。

フォトギャラリー

主なシーンより

第22週(3月2日~3月6日)

「アタラシ、ノ、ジンセイ。」あらすじ

トキ(高石あかり)は熊本でラン(蓮佛美沙子)と出会い、交流を深める。ヘブン(トミー・バストウ)と同じく西洋人の夫ロバート(ジョー・トレメイン)をもつラン。英語もできるランをトキは慕っていく。そんなある日、ヘブンの元に一通の手紙がアメリカから届く。その差出人はイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)だった。日本を離れ、世界を巡って各地の滞在記を書いてほしいという依頼に、ヘブンは魅力を感じる。

連続テレビ小説『ばけばけ』

作品情報

連続テレビ小説「ばけばけ」。松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描きます。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語です。

【作】 ふじきみつ彦

【音楽】 牛尾憲輔

【主題歌】 ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」

【出演】高石あかり(「高」の表記は、正確には「はしごだか」) トミー・バストウ / シャーロット・ケイト・フォックス 大西信満 夙川アトム ジョー・トレメイン 原ふき子 橋本淳 杉田雷麟 日高由起刀 夏目透羽 / 渡辺江里子 木村美穂 / 蓮佛美沙子 / 岡部たかし 池脇千鶴 ほか

【放送】 2025年9月29日(月)から放送開始