「妻と愛人」は憎しみ合うだけの存在か——ラストに原作者も驚いた、漫画ならではの表現【著者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、主人公の主婦・紗衣(さえ)が荷物の誤配をきっかけにトラブルに巻き込まれていく作品「気がつけば地獄」をピックアップ。

本作はレタスクラブで連載された同名小説のコミカライズ版。原作を岡部えつさん、漫画をゆむいさんが担当している。この記事では、原作者の岡部えつさんにインタビューを行い、読者に見てほしい作品のポイントや、コミカライズ版で気に入っている場面について語ってもらった。

■妻と、夫の愛人の心が苦しみながらも近づいていく

平穏な家庭を築いているはずが、いつの間にか「夫の愛人」とSNSで繋がっていたとしたら――。

主婦・紗衣の心の隙間に入り込む愛人・夏希(なつき)。

しかし、物語は単なるドロドロの奪い合いには終始しない。

一人の男性に振り回される二人の女性が、それぞれの「自分らしさ」を見つめ直していく過程が、ゆむいさんの繊細なタッチで描き出される。

■それぞれの立場から「女性」であるがゆえの苦しみを表現

——原作「気がつけば地獄」を書くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?

わたしの今までの作品にも共通することですが、紗衣と夏希が、それぞれの立場のせいだけでなく、「女性」であるがゆえに抱えさせられている苦しみの部分も書きました。

その辺り、コミカライズ版でもうまく表現してくださっています。

そしてもちろん、紗衣と夏希が最後の最後で急激に心を引き寄せ合うところは、わたしが最も大事にしたところです。

——コミカライズ版「気がつけば地獄」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

ラストの見開き、これに尽きます。

はじめて読んだ時、思わず「うわあ」と声が出ました。絵が動いて見えました。

これは漫画ならではの、小説ではできない表現です。

——「気がつけば地獄」を通じて、読者へ伝えたいことやメッセージはありますか?

物語は、作者の手を離れればもう、読者のものです。沢山の人に読まれ、それぞれの解釈が生まれて、作品は生き続けていくと思っています。

ですので、メッセージはただただ、「読んでください」です。