【速報・私立大志願者数ランキング2026】近畿大が首位奪還、日大が完全復活、芝浦工大は過去最多
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2026年度の私立大学入試では、志願者数のランキングに大きな動きがありました。24年度まで11年連続首位を維持していた近畿大学が2年ぶりに首位となり、10万人超えの大学も昨年より増えました。これらの変化からどんなことが読み取れるのでしょうか。大学通信 情報調査・編集部の井沢秀部長に、今年の傾向について聞きました。(写真=PIXTA)
今年の受験生を動かしたものとは
18歳人口が前年度より微増し、2026年度の私立大学の志願者数も全体的に増加しました。井沢部長は、こう話します。
「1人あたりの出願数が増えた、と考えていいでしょう。近年は合格できそうな安全校を多めに受けるのではなく、実力と同程度か、それより上の大学に積極的に出願する傾向が強まっています。昨年も上位大学の志願者が増え、難しくなった大学が多かったですが、今年の受験生はその状況を見ながら、出願を増やして上の大学を狙おうという意識を持った方が多かったのではないかと思います」
こうした傾向も反映してか、一般選抜の志願者数が10万人を超えた大学は昨年の5校から6校に増えました。最近は私立大学の入学者の6割は年内入試によるものですが、このランキングに見られる志願者数の増加は、一般選抜を目指して勉強を続けてきた受験生が、より難易度の高い大学に挑戦したことも、一つの要因と考えられます。

「私立大学志願者数ランキング 2026 1位~10位」(大学通信調べ。3月13日現在集計分。主要な私立大学約100校を調査。一般選抜のみのデータで、2部・夜間主コース等を含む)
ランキングで際立った大学は?
今年のランキングでまず目をひくのは、近畿大学が2年ぶりの首位になったことです。昨年より約1万7000人多い17万4789人の志願者を集めました。志願者数が17万人の大台を超えたのは、私立大学で初めてです。2026年4月には看護学部を新設し、25年に整備した「おおさかメディカルキャンパス」で医学部と連携した学びを展開するなど、新しい動きを続ける大学の姿勢が受験生に支持されていると言えます。
「文系、理系を問わず、多くの受験生のニーズに応えられる学部構成と、近大マグロやマンモスの再生など、大学の研究内容を世間が注目する形で打ち出す発信力も、幅広い受験生を引きつける大きな理由でしょう」
2位は、25年度初めてトップになった千葉工業大学です。志願者数は16万170人で、昨年より少し減りましたが、前年比98.9%と健闘しています。
「千葉工業大学の共通テスト利用入試には、前期、中期、後期の日程がありますが、志願者数をみると、共通テスト前に出願を締め切る前期日程は減っておらず、共通テストの結果を見てから出願できる中期と後期が減少しています。今年は共通テストの成績が思ったよりも振るわず、出願しにくくなった受験生が出たのではないでしょうか」
千葉工業大学が志願者数を大きく伸ばしてきたのは、共通テスト利用入試を無料にしたり、1学科の受験料で複数学科の併願を可能にしたりするなど、「受験しやすい仕組み」「家計にやさしい入試」を導入してきたことが背景にあります。近畿大学の飛躍的な志願者増で今年は2位になったものの、こうした取り組みによって積み上げてきた人気の厚みが、理工系大学で16万人を超える志願者を集める結果につながっていると言えます。

「私立大学志願者数ランキング 2026 11位~20位」(大学通信調べ。3月13日現在集計分。主要な私立大学約100校を調査。一般選抜のみのデータで、2部・夜間主コース等を含む)
3位と4位も昨年と逆転し、3位には3年連続で志願者を増やした東洋大学が入りました。東洋大学が3位になったのは、19年度以来のことです。時代に合った学部の新設やキャンパス再編などを進めてきており、こうした改革の成果が志願者増につながっていると言えます。
東洋大学は、25年度入試で年内入試に基礎学力テストを導入し、2万人近い志願者を集めたことが話題になりましたが、一般選抜でも受験生の人気が高まっています。
5位には、昨年より2万人近くも増えて11万1902人の志願者を集めた日本大学が入りました。日本大学は、昨年も24年度に比べて約1万6000人増えており、この2年で約3万6000人も増えたことになります。一時期は不祥事の影響で志願者が減りましたが、10万人の大台を回復し、完全復活と言えるでしょう。
「日大は医学部から芸術学部まで、多彩な学部を持つ大規模総合大学としてのスケールとブランド力が、改めて受験生に評価されているのだと思います。一般選抜に向けて勉強を続けてきた受験生には伝統校の人気が高く、その中で日大が改めて選ばれるようになっていると感じます」

「私立大学志願者数ランキング 2026 21位~30位」(大学通信調べ。3月13日現在集計分。主要な私立大学約100校を調査。一般選抜のみのデータで、2部・夜間主コース等を含む)
理工系大学の躍進
過去最多の志願者数になったのが、19位の芝浦工業大学です。前年比138%と、今年のランキングの中で際立つ伸び率を示しました。「ブランド力の向上と入試方式の変更の2つがその背景にあると思います」と井沢部長は言います。芝浦工業大学は、2014年に文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」に採択されて以降、「グローバル理工系大学」というブランドを前面に出しています。女子枠をいち早く設け、理工系に少ない女子の進学を推進してきたことも、ブランドイメージを高めています。また、共通テスト利用入試に多教科型の方式を加えたことで、国公立大学志望者の併願先としても選ばれやすくなったと考えられます。
また、14位の名城大学も、前年比126%と志願者が増えています。共通テスト利用型や併願しやすい入試方式を採用したことに加え、「近年続いている理系人気の影響も大きいのでは」と井沢部長は話します。
「名城大学は、青色LEDの発明で2014年ノーベル物理学賞を受賞した赤﨑勇(※)、天野浩両特別栄誉教授、リチウムイオン電池の開発で2019年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰終身教授・特別栄誉教授が教鞭をとるなど、理系学部が充実した総合大学として知られています。国としても理系を増やす方針ですから、今後も理系に強い大学の人気は続くと思います」
※2021年4月1日死去

「私立大学志願者数ランキング 2026 31位~40位」(大学通信調べ。3月13日現在集計分。主要な私立大学約100校を調査。一般選抜のみのデータで、2部・夜間主コース等を含む)
このほか、28位の成蹊大学は、26年度新設の国際共創学部が人気を集めました。
26年4月から学習院女子大学と統合する学習院大学(33位)は、昨年より約6000人増加しました。
昨年の2倍以上の志願者が集まった摂南大学(37位)は、受験料割引制度の導入が影響したと見られます。

「私立大学志願者数ランキング 2026 41位~50位」(大学通信調べ。3月13日現在集計分。主要な私立大学約100校を調査。一般選抜のみのデータで、2部・夜間主コース等を含む)
今年の入試が示すもの
来年以降の受験生に向けて、井沢部長はこう話します。
「前年に志願者が増えた大学は翌年減りやすいという隔年現象もあります。志願者の増減はよくあることと考えて、数字に振り回されず、行きたい大学・学部・学科をしっかり見定めて、そこに向けて頑張ってほしいです」
(文=石澤 寧)