謎の食べ物も…イオン「独特フードコート」の光景

「森」にふさわしい、緑があふれる商業施設, 多摩の自然を感じられるイオンモール, フードコートも木漏れ日が降り注ぐ空間をイメージ, ビリヤニにケバブ…「イオンらしからぬ」珍しい業態, 定番ジャンルも充実、イートイン席がある飲食店も, 初対面、謎の食べもの「ドーサ」のお味は…, 見た目こそ物珍しいが、素朴な食べ物, 「さすがイオン」というべきフードコート

イオンモール多摩平の森内にあるフードコート「森のキッチンコート」を訪問(写真:筆者撮影)

フードコート愛好家の鬼頭勇大さんが、さまざまな街のフードコートを訪れる本連載。
今回は、東京都日野市にある「イオンモール多摩平の森」のフードコートを訪問する。

フードコートといえば、ショッピングモール。ショッピングモールといえば、イオンモール。

【クリックして写真を見る】筆者が選んだメニュー。山のようにそびえる「ドーサ」に初挑戦!

イオンモールといえば、基本的にはロードサイドにドカンと存在する印象もあるが、世の中には“駅近のイオンモール”も存在する。

その1つが、東京都日野市にある「イオンモール多摩平の森」だ。

「森」にふさわしい、緑があふれる商業施設

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イオンモール多摩平の森(写真:筆者撮影)

イオンモール多摩平の森の最寄り駅は、JR中央線・豊田駅。もともと甲武鉄道の駅として1901年に開設し、近辺に車両センターがあり、始発・終着の列車が数多い駅である。

中央特快に乗れば新宿駅まで約30分と都心部へのアクセスも悪くない。近隣にはコニカミノルタやファナック、日野自動車といった有名企業の拠点があり、学校もいくつか存在する。

北口から200mほど歩くと、目の前にイオンモール多摩平の森が現れる。もともとはUR都市機構が整備した団地があった地域で、近隣にはいくつもの公園が存在しており緑の多いエリアとして知られる。

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駅から近くアクセスがよい(写真:筆者撮影)

多摩の自然を感じられるイオンモール

2014年11月にオープンしたイオンモール多摩平の森は、そうした土地柄を反映してさまざまな“緑地”や、自然を感じられる仕組みが敷地内に導入されている。

駅側からアクセスして入館すると、まずは「陽だまりのアトリウム」がお出迎え。その他、1階の屋外には「湧き水の広場」があり、水路が通る。

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1階屋外にある「湧き水の広場」(写真:筆者撮影)

さらに3階には、その名も「四季の森ガーデン」なる屋上庭園もある。

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「四季の森ガーデン」(写真:筆者撮影)

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歩くだけでも楽しい(写真:筆者撮影)

案内板によると、28種類の植物が植えられており、名前の通り四季に応じてそれぞれの植物が花を咲かせたり、実を付けたりしているようだ。

階段を上った先にも「丘の原っぱ」なる空間が広がっており、ビオトープとして機能している。クロマツなどの若木がすくすくと育っていた。

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気軽に自然を楽しめるのが嬉しい(写真:筆者撮影)

フードコートも木漏れ日が降り注ぐ空間をイメージ

開業当初から、イオンモール多摩平の森はグルメに注力していたようで、その中核ともいえるフードコート「森のキッチンコート」は、1階にある。

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「森のキッチンコート」へ!(写真:筆者撮影)

オープン時のプレスリリースを見ると、森のキッチンコートでは「多摩平の森と木々の間に降り注ぐ木漏れ日」をイメージした空間づくりをしているようである。

確かに、プランターがそこかしこに置いてあり、吹き抜けになっている部分から見上げると壁面にも植樹が。その他、木のようなオブジェもある。

近年は緑を多く配置しているフードコートが増えてきたが、この森のキッチンコートは緑を置くだけでなく、コンセプト通り森や自然そのものを感じられる空間だ。

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森や自然そのものを感じられる(写真:筆者撮影)

空間づくりも面白いが、歩いてみると座席の種類が非常に豊かである。通常のテーブル・椅子はもちろん、1人分ずつ区切られたカウンター席や、ひじ掛けのある椅子があったりパラソル付きの席があったりする。

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座席の種類が非常に豊か(写真:筆者撮影)

もちろん家族向けの、子どもでも足が地面につく椅子を備えた座席もあった。やはりイオンモールといえば、なんだかんだいってもファミリー向けを意識するのだろうが、こうしたバリエーション豊かな座席たちは駅近モールという特性の影響もあるのだろうか。

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ファミリーにも嬉しい(写真:筆者撮影)

ビリヤニにケバブ…「イオンらしからぬ」珍しい業態

オープン当初は牛たんの店やナポリピザの店、さらにカレーをライブ料理で提供する店がプッシュされていたが、10年以上が経過して顔ぶれは変化を見せている。

まず目を引いたのが「アナス ドーサ ビリヤニ」だ。南インド・パキスタン料理としてビリヤニだけでなく「ドーサ」「ラムニハリ」「マムサムカララ」などあまり聞いたことのないメニューが並んでいる。店先には「当店はインド産のお米を使用しています」と案内が出ていた。こういうのは普通「国産のお米を使用しています」だろう。ちょっと笑ってしまった。

ちなみにアナス ドーサ ビリヤニの横には、惜しくも閉店してしまったがケバブ店が営業していた形跡もあった。なんとも珍しい組み合わせである。

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アナス ドーサ ビリヤニ(写真:筆者撮影)

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メニューも豊富だ(写真:筆者撮影)

定番ジャンルも充実、イートイン席がある飲食店も

イオンのフードコートらしく、定番ジャンルももちろんある。一番人気の「丸亀製麺」、ラーメンでは「麺場 田所商店」と「極ジョー」の2店舗が営業。

他には薄暗めの一角にある「餃子坊 香港亭」も、豊富すぎるメニューが何とも魅力的である。麻婆豆腐やエビチリといった一品料理に加え、チャーハンだけで8種類、ラーメン・焼きそばと麺類も充実しており悩む楽しさがある。

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餃子坊 香港亭(写真:筆者撮影)

森のキッチンコートの内部にあるのは全10店舗だが、実はフードコートを囲むようにイートイン席がある飲食店もいくつか並んでおり、「フードコートのテーブル席もご利用いただけます」と案内が出ていた。

具体的には、「長崎ちゃんぽん リンガーハット」に「ミスタードーナツ」、さらに「吉野家」や「ゼッテリア」といったメンツがそろっている。ここまで含めると、なかなか充実したラインナップといえるのではなかろうか。

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王道のテナントも(写真:筆者撮影)

初対面、謎の食べもの「ドーサ」のお味は…

土曜日の昼時で、750席とそれなりの大箱にもかかわらず場内はほぼ満席。何とか席を確保して、何を食べようかと再度うろうろする。

やはり今回、アナス ドーサ ビリヤニは外せないだろう。とはいえここもかなりメニューが豊富である。

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アナス ドーサ ビリヤニは外せない(写真:筆者撮影)

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メニューはこんな感じ(写真:筆者撮影)

何よりカレーだけでも複数の種類があるし、先述したように聞いたことのない料理も多数……こういうときは看板メニューを選ぶのが吉だろう。ということで、ビリヤニorドーサの2択から、食べたことのないドーサをチョイスしてみる。

もう1店舗は、近年増えているゼッテリアにしてみよう。過日、ロッテリアが全店ゼッテリアにリニューアルされていくという報道が出て、話題になっていた。いくつもフードコートを見てきた中で、実は初めて目にしたかもしれない。いつか行ったフードコートにあったロッテリアも、今はゼッテリアに変わっているのだろうか。

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食べたことのないドーサをチョイス(写真:筆者撮影)

さて、今回のセットがそろった。山のようにそびえる巨大なとんがりコーンのような物体が「ドーサ」である。

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まるで巨大なとんがりコーン!果たしてお味は…?(写真:筆者撮影)

いったいどうやって食べるのか、中に何かが入っているのか……? ちらりとめくると、裏側に卵が! そう、実は今回注文したのは「エッグドーサ」である。他にも「オリジナルギードーサ」「マサラドーサ」など複数あった。

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裏側に卵が!(写真:筆者撮影)

ちぎってそのまま食べてみる。ちょっと塩味があるような気がする。クレープに近いか。エクストリームに薄焼きした卵を食べているような食感だが、卵感はそんなにない。

調べると、付け合わせをディップして食べると良いようだ。一緒に供された2つは緑の方が「ココナッツチャツネ」らしい。もう片方は「サンバール」。

見た目こそ物珍しいが、素朴な食べ物

カレーっぽい見た目だが、ココナッツチャツネは冷たくて驚いた。辛いココナッツミルクという感じで、確かにドーサに合う。サンバールはインドのスープで、日本でいうとみそ汁的なもの。なので、ドーサをつけてもいいしそのままサンバールだけ食べてもいい。

見た目こそ物珍しいが、素朴な食べ物である。動物性たんぱく質がほとんどないので、肉が欲しくなってきた。

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ダブル絶品チーズバーガーのセットをチョイス(写真:筆者撮影)

ゼッテリアで注文したのは、ダブル絶品チーズバーガーのセット。付け合わせはポテトなど揚げ物ではなく、サラダにしてみた。カップサラダを食べるのは、初めてかもしれない。気軽に野菜をとれるのはありがたい限りだ。

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気軽に野菜をとれてありがたい(写真:筆者撮影)

「さすがイオン」というべきフードコート

肝心のダブル絶品チーズバーガーは、かなりチーズ感のある一品だ。チェダーチーズを挟んでいるだけでなく、4種類のチーズをブレンドしたソースもかかっており、向こう数カ月分のチーズを摂取したような気になる。

ちなみに、ゼッテリアという名前はロッテリアから来ているのかと思われがちだが、この絶品バーガーとカフェテリアを掛け合わせた造語である。

食後には、ドーサのセットでついてきたチャイで一服。定番どころは抑えつつ、物珍しい料理や新業態をしっかりとそろえているという点で、「さすがイオン」というべきフードコートだった。