中野信子氏「子連れ再婚の偏見」に伊藤隼也氏が「コメンテーター辞めるべき」と反論

中野信子氏
京都・南丹市の小学生遺棄事件。連日トップで報じるテレビの情報番組やニュースに対し、脳科学者の中野信子氏がレギュラー出演する番組内で「再婚家庭を追い詰めている」と真っ向から異を唱えた。この発言に対し、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は自身のX(旧ツイッター)で「コメンテーター失格」と猛烈な反論を展開。さらにネット上では「政府による目眩まし(スピン報道)疑惑」まで飛び出し、議論は混迷を極めている。

伊藤隼也氏
「再婚は悪なのか」中野氏が問う報道の加害性

デーブ・スペクター氏
4月17日放送のテレビ朝日系『大下容子ワイド!スクランブル』に出演した中野氏は、義父が逮捕された事件を詳細に伝え続ける番組の姿勢に、強い違和感を表明した。
「見ている方がこのニュースを見て得られるメリットって何かしらと思ってしまう。お母さんは子供がいたら“再婚するな”というメッセージなんでしょうか。私はそういうのどうかと思うし、再婚して幸せに暮らしている人もいっぱいいるでしょうに、再婚している人はみんなそういう目で見られるんでしょうか」
中野氏は、動機の解明に終始する現状を「野次馬根性を満足させるためだけ」と断じ、出口のない報道が「再婚家庭」への不当な偏見を助長していると指摘。「親が味方でない場合に子供はどうやって逃げたらいいか、手段を教えるものであってほしい」と訴え、「非常に出口が感じられない報道で私はつらく感じます」と言葉を絞り出した。

森達也監督
伊藤氏が「職務放棄」と断罪、割れる識者の見解
この中野氏の「内部批判」に対し、識者たちはそれぞれの立場からX上で激しくぶつかり合っている。
・【反論】伊藤隼也氏:コメンテーターとしての資質を批判
医療ジャーナリストの伊藤氏は中野氏の発言を伝えるポストをシェアして即座に反応。
「発言が事実ならコメンテーターをやめた方がいい。」と痛烈に批判した。「そもそも番組の報道姿勢に不満があるなら放送中ではなく、プロデューサー等と話し合えば良い。フリーなら出ないという選択肢も保証されている。」
とした上で、「重要な事件であれば、ステップファミリー(編註:子連れ再婚など多様な家族形態)の問題を社会が理解するためには家族背景は説明するしかない。再婚家庭が全て問題があるとは誰も思っていないだろう。」と持論を展開した。
・【同調】テレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏:他ニュースとのバランスを重視
中野氏と同じく番組でコメンテーターを務めるデーブ氏は、被害者の露出過多を疑問視。「いつまでも被害者の写真を載せるべきではない。そして、ほかに伝えるべき重要なニュースはたくさんある。現場からは以上です。」とポスト。
中野氏が訴えた「情報の取捨選択」の必要性に一定の理解を示した形だ
・【分析】映画監督の森達也氏:メディアは社会の「写し鏡」
森氏は16日、「予想はしていたけれど、地上波テレビは朝から京都男児失踪事件一色。メディアと社会の相互作用。トップは仕方がないにしても、同じ内容をくりかえすならば他に伝えるべきことがもっとあるはずと自問する記者やディレクターが一人でも多くいてほしいと願う。」とバランスを欠いた報道姿勢を批判。
森氏は翌17日には、ネットで飛び交うスピン報道疑惑に言及し、「かなりの人が政権の不祥事を隠すためにメディアが偏向報道をしているとリポストしている。そう言いたくなる気持ちはわかるけれど、メディアにそんな策略はない」と指摘。
「目的は視聴率や部数。つまり(もう一度書くけれど)メディアと社会の相互作用。今の日本のメディアと政治が三流であると仮定するならば、それは社会が三流であることを示している。」と視聴習慣にも疑問を投げかけている。
(zakⅡ編集部 霞蓮刃)