【園遊会】愛子さまはオレンジジュースを女官がバトンタッチ 久子さまは「いえ」と辞退 「烏龍茶がお好き」なプリンセスも 皇族のドリンク事情

 4月17日、天皇陛下と皇后雅子さまが主催する2026年春の園遊会が東京・元赤坂にある赤坂御苑で開催された。両陛下の長女、愛子さまをはじめ、秋篠宮家ご夫妻、次女の佳子さまら皇族方は、広い御苑内を大きく移動しゲストと交流する。初夏のような日差しの下、愛子さまや佳子さまらプリンセス方は、オレンジジュースや烏龍茶を手に歓談。一方でベテラン勢の秋篠宮ご夫妻や高円宮妃久子さまらは、グラスには手をつけず、接遇の「プロ」に徹する。それぞれの歓談スタイルとは?

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 園遊会の会場となる赤坂御苑には、八重桜が若葉とともに風に揺れている。また、御苑の緑を背景に、紫みのある赤いツツジが鮮やかに咲き誇る。

 池の水面にはうす紫の藤棚の影が映り、その美しい風景は招待者らを和ませる。

 杜若(かきつばた)が咲く、しょうぶ池のそばでは、宮内庁楽部の楽師による雅楽が奏でられる。その調べは春風に乗り、皇族方が歓談する松山エリアへと流れてくる。

 松山エリアで招待者と歓談するのは、天皇、皇后両陛下の長女愛子さまをはじめとする皇族方だ。なかでも、愛子さまの存在感は、また別格であった。

  相手への気配りに長け、行動の早い方、ユーモアたっぷりな話術で常に周囲が盛り上がる方――など、伝わるお人柄はさまざまだ。

 皇族方と招待者で賑わうなか、愛子さまが姿を見せると、その周辺の空間がふんわりとした空気に包まれる。

「やわらかな空気感ですが、ロイヤルの存在感というものでしょうか。体を動かすのを忘れ、ほんの数秒ですが、愛子さまから視線が動かせなくなりました」(招待者の女性)

 愛子さまを先導するのは、おつきの侍従。テント横の歓談スペースにいる招待者と他の皇族方が歓談する様子をチェックしながら、次の場所へと誘導するのが役目のようだ。

 松山テント前のスペースで、愛子さまがまず声をかけたのは、スピードスケート女子の五輪メダルリストで、今季限りで現役引退した高木美帆さんを含む4人の女子選手だった。華やかな振袖を着た高木さんらの姿を見つけると、愛子さまはにっこりとほほ笑み、こう声をかけた。

「こんにちは」

 公務の場に限らずプライベートでの友人との交流においても、愛子さまは人の話に耳を傾けるのがお上手だ。相手の目をしっかりと見つめながら、すこし首を傾けながら大きく頷くような仕草をされる。

 「そうした愛子さまを目の前にすると、自分の話をじっくりと聞いてくださるような安心感と、品のよい佇まいに、不思議と引き込まれてしまいます」(招待者の女性)

 ロイヤルの品格にすこし圧倒されました、と感想を漏らす招待者の女性。それでも、愛子さまのお可愛らしさは別格です、と笑顔を見せる。

 高木選手らとの歓談では、手を口元に添えて、大きく笑われる場面もあった。

 愛子さまのデビューとなったのは、24年春の園遊会。ひと月前に大学を卒業したばかりの愛子さまは、緊張した表情で交流されていた。手を顔の位置まで挙げて、大きな身振り手振りでお話をされるなど、その初々しさに招待者らは目を細めた。

 しかし、今回の愛子さまは両手を体の前でそろえ、ひじから上に手を挙げることはほぼなく、しっとりとした大人の女性の落ち着きが加わっていた。

 そうしたなかでも、まだまだほほ笑ましさを感じる場面もあった。

 園遊会では、テントにジンギスカンや焼き鳥、ちまき鮨、オードブルといった食事とアルコールやソフトドリンクも用意されている。テントを離れて歓談する招待者のために、グラスを載せたトレーを手にしたスタッフが目を配っている。

 先の女子選手と歓談中であった愛子さまが、トレーから選んだのはオレンジジュース。右手のグラスを、時おり口に運びながら、

「ふふふ」

 と、楽しそうな声が響かせ、「女子トーク」に華を咲かせる場面もあった。

 

 盛り上がったようで、侍従らが「そろそろ」と合図を何度も送るものの、愛子さまは、「うん、うん」と頷かれたまま、なかなか会話は終わらない。

 3度ほど促されたのち、名残り惜しそうに足を動かす愛子さま。周囲もお話好きのプリンセスをほほえましく見守っている。

 生き物好きで知られる天皇ご一家。園遊会でも猫や犬の話題で会話が盛り上がることも珍しくない。今回は、愛子さまとの歓談中に、着物姿の女性がクルリと後ろを向く場面があった。実は、女性の帯には犬の意匠が織り込まれており、愛子さまは目を大きく開き、興味津々で帯の意匠をのぞきこまれていたのだ。

 また、ドリンクを手にする場面では、皇族方の個性が現れた。

 オレンジジュースのグラスを手に、ときおり口に運びながら会話を続ける愛子さま。

 すると、女官がスッと手を差し出し、まだジュースが残る愛子さまのグラスを素早く受け取った。

「女官が愛子さまを気遣ってのことだと思いますよ」

 とは、苑内に配置されていた宮内庁職員。

 この日は、最高気温が20℃近くまで上がり、日差しも初夏のように強い時間帯もあった。長時間、多人数と会話を交わし、しっかりした生地のセットアップで広い赤坂御苑の敷地を急いで移動する。

 愛子さまは、喉の渇きを感じられたのか、ドリンクを口に運ぶペースも早めであった。

 晩餐会や鴨場での接遇もそうだが、皇室の公務では、ゲストと会話を盛り上げ、「お食事は召し上がりましたか」などと相手に気を配りながらも、自らの食事も素早く進めなくてはならない状況も多い。

 高齢のため長時間の歩行が難しかったり、体調がすぐれないといったケースを除けば、皇室メンバーが園遊会を中座することは、まずない。食事は口にせず、たまに唇を湿らせる程度にドリンクを口に運ぶくらいだ。

 とはいえ、園遊会における歓談スタイルは、皇族方によってだいぶ異なる。

 

 たとえば、佳子さまや三笠宮家の彬子さま、瑶子さまなど若い世代のプリンセスは、オレンジジュースや烏龍茶が入ったグラスを手に歓談されることも多い。状況に応じてグラスをテーブルに置いたりと臨機応変に動かれている。

 プリンセス方も招待者と同じようにグラスを手に歓談したほうが、リラックスしたムードになることは間違いない。

 園遊会歴の長い秋篠宮ご夫妻になると、トレーを手にしたスタッフにドリンクを勧められると、手で「まずはゲストの方へ」といった仕草を見せ、ご自身は口にされなかった。

 おそらく園遊会でもっとも移動距離と運動量が多かったと思われるのは、高円宮妃の久子さまではないだろうか。この日も目配りと気配りにおいて抜きんでた接遇を見せたスーパー宮妃の久子さま。ひとりでも多くの招待者と交流をすべく、苑内を素早く移動を繰り返えされていた。

 合理的な久子さまらしく、違うスタッフにそれぞれドリンクを勧められていたが、接遇に集中するためかその都度、「いえ」と手で素早く辞退される場面もあった。

 春の花や植物に囲まれた美しい赤坂御苑で開催された春の園遊会。令和流が色濃くなるにつれ、皇族方の能力と個性を生かしつつ、人びととの絆を深めているようにも感じられる1日だった。

(AERA編集部・永井貴子)

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