壊す人はここが違う!クルマを傷める「無意識習慣」3選

愛車を壊したい人なんていないはず。でも、「無意識に」やってしまうクルマが傷む習慣は意外と多くある。タイヤ止めに勢いよくガツン!と当てる行為やハンドルの据え切りなどは昔から言われてきたことだが……。
【画像ギャラリー】クルマ泣かせの悪習慣とは?(7枚)
文:山口卓也/写真:写真AC
短距離のチョイ乗りばかり

チョイ乗りはクルマの寿命を縮める原因になる。定期的にある程度の距離を走り、エンジンをしっかり温めて水分などの不純物を飛ばすことが重要
1回あたりの走行距離は明確な統計はないものの、買い物や送迎など日常用途では10km未満に収まるケースが多く、さらに低速走行が多いのが特徴。
そんなクルマの使い方を「チョイ乗り」と言うが、このチョイ乗りが実は「シビアコンディション」と呼ばれる、クルマを傷める行為でもあることを知っている人はまだまだ少ない。
トヨタ自動車では、以下をシビアコンディションと呼ぶ。
1.走行距離の30%以上が悪路(凸凹路、砂利道、雪道、未舗装路)
2.走行距離の30%以上が山道、登降坂路の頻繁な走行
3.1回の走行距離が8km以下の短距離走行の繰り返し
4.走行距離の30%以上が高地走行(ディーゼル車のみ)
5.長時間のアイドリングまたは多頻度の低速走行(ディーゼル車を除く)
※1日のアイドリングでの累積時間が2時間程度。1日で車速10〜15km/hでの走行距離が30km程度。
多くのユーザーがこの3と5に該当するのだが、なぜ8km以下の短距離走行の繰り返しや多頻度の低速走行がクルマを傷めるのか? その理由は、特にエンジンに悪影響を与えてしまうから。
短距離の走行ではエンジンが十分に温まらない=オイルも温まらないため、エンジン内部やトランスミッションなどに十分にオイルが行き渡らない。潤滑が十分ではないエンジン内部では摩耗が進み、エンジン内部の空気中に含まれる水分は完全に蒸発できずにエンジン内部や排気系にまで進んでサビや腐食を発生させる。
さらにチョイ乗りではエンジンの始動回数が増える反面、走行距離の少なさから充電が追いつかないことでバッテリーへの負荷も大きくなる。
チョイ乗りはある意味「一般的な使用」で、なぜシビアコンディションとして特別扱いするのか理解に苦しむ。取説に「シビアコンディション」と記載があると、多くのユーザーは「自分はそんなに過酷な使い方はしてないから」と思ってしまうが現状ではシビアコンディション。
愛車に長く乗りたいなら、たまにはロングドライブに連れ出し、それが無理ならエンジンオイルの交換頻度を上げたり、バッテリーの状態に気を配るなどを行ってほしい。
警告灯を「様子見」

油圧警告灯の点灯は深刻な油圧低下のサイン。放置して走行すると、エンジンの焼き付きだけでなく、突然のエンジン停止による事故や車両火災のおそれもあり非常に危険
クルマのメーターパネル内には色や形がさまざまな警告灯がある。それぞれの形が意味する各装置の状態を視覚的にわかりやすく表したもので、その色は国際規格によっておおむね統一されている。
緑色(安全)、黄色(もしくはオレンジ。注意)、赤色(危険)があり、点灯していてもとりあえず普通に動いているように思える(そう思えるだけ)ため、今は様子見……なんて人もいる。
警告灯の種類はさまざまで、どれも赤色や黄色が点灯したら最終的にはショップへGO! が正しいが、かなり危険なものを3つ紹介する。
まずは油圧警告灯や水温警告灯。
油圧警告灯(赤色のオイルジョッキマーク)はオイル不足やオイル漏れ、オイルラインの詰まり、ポンプ故障やセンサー異常などで点灯するが、そのまま走行を続けるとエンジンが焼きつき、高額出費となる可能性大。
すぐにエンジンを停止させ、オイル量のチェックができる人はチェックして、足りなければオイルを補充して警告灯を再度チェック。変化がなければ購入店やJAFへ連絡!
また、いつもは青色や緑色なのに赤色になってかなり焦らせる水温警告灯(温度計マーク)は冷却水不足、冷却水漏れ、サーモスタットなど冷却系の故障などにより点灯。そのまま走行するとオーバーヒート→エンジン停止→高額出費コースへ。
対処法は
1.安全な場所に停止後、エンジンオフ。
2.エンジンが完全に冷めたら(目安としては30分以上だが、状況によってはそれ以上かかるので注意)ボンネットを開けてリザーバータンク内の冷却水レベルを確認。レベルがMINとMAXの間、もしくはLOWとFULLの間にあれば正常。不足していれば冷却水を適切量まで補充。
これらの作業に不安がある場合は購入店やJAFへ連絡!
そして3つめは充電警告灯。
筆者は20年ほど前、首都高環状線でこの充電警告灯が赤色点灯した。ライトが急に暗くなり、メーターパネル内を見て「あっ!」と思ったらハンドルが急に重くなり、そのままどんどん速度が低下。幸い、目の前にゼブラゾーンを見つけてそこでなんとか停車できたが、ゼブラゾーンのない車線上であれば環状線が大渋滞になるところだった……。
そのくらい、急にヤバイ状態になるのが充電警告灯の赤色点灯。バッテリー電圧が下がっている時に点灯するが、原因の多くは筆者も経験したオルタネーター(発電機)の故障やVベルトの緩み。
オルタネーターが故障すると、クルマはバッテリー内の電力のみで稼働するため、特にバッテリーの弱ったクルマであればあっという間にクルマが停止することを覚えておきたい。
この場合も購入店やJAFへ連絡!
炎天下での洗車or洗車しない

ボディ保護のためにも洗車は日陰で。炎天下での作業は避けたい
気温が上がるこれからの季節は洗車も楽しい。しかし、結論から言うと炎天下での洗車はまったくお薦めできない。
炎天下での洗車では、ボディの温度がかなり上昇することで洗車時の水滴の跡(イオンデポジット)が残りやすく、一度残ると落とすことが非常に難しいからだ。
さらに、洗剤で洗い流した後の細かな水滴はそれに含まれるミネラル分がボディに残り、白いシミとなってしまう。特に黒や紺などの濃い色のボディでは、「洗ってすぐに流せば大丈夫」と思っても、想像を超えたスピードで乾いてシミを作ってしまう。
また、「炎天下での洗車は薦められない」ことを知ってか、急いで洗車を進めるあまりに例えばルーフを拭き上げるために用意した脚立などを倒してボディにキズをつけてしまったり……なども考えられる。
⚫︎洗車最初の水洗いでガラスが割れる!?
実はコレも筆者経験済みである。夏の炎天下で洗車最初の水洗い時、フロントガラスに水をかけたらいきなり「ピシッ!」と音が! 小さなキズが最初から入っていたのは知っていたが、50cmほどの見事なヒビに成長した……。
結局フロントガラス交換となり、10万円以上の出費となってしまった。
⚫︎洗車しないのも×
花粉の季節には、洗車しないクルマには花粉が多く付着し、雨や夜露で濡れることで粘着性を持ったペクチンという物質に変わる。この粘着性の物質が塗装面に付着するとシミの原因となり、塗装の劣化を早めてしまう。
そして、洗車をしないとボディ各部には水を含んだ泥や埃などが残り、それがサビの発生源にもなる。さらに、ボディに付着した汚れは塗装面にある非常に細かな穴(凸凹)に入り込み、長く放置すればするほど除去しにくくなるのだ。
つまり、人間の肌と同様、触りすぎるのもダメだがまったく手入れしないのも塗装面がガサガサになってしまうもの。
洗車は月に一度くらい、朝夕の気温が高すぎない時間帯に行うべき!