【解説】熱は出ないのに長引く体調不良…SNSで話題「謎の風邪」の正体は? 専門家の見解と受診の目安
九州を中心に広がり、SNSで注目を集めている“謎の風邪”とよばれる体調不良。一度かかると回復に時間がかかるともいわれていますが、関西でも同様の症状を訴える人が増えています。“謎の風邪”とは何なのか?私たちはどう向き合えばいいのか?今わかっていることを解説します。
■SNSで話題の“謎の風邪”の正体は?

“謎の風邪”? ©ytv
まず福岡で、5月に入ってから「喉が痛い」「咳・鼻水」といった症状を訴えて医療機関を受診する患者が増えました。しかし熱は出ないということです。原因が分からず、薬を飲んでも体調不良が長引くということで、SNSでは“謎の風邪”と話題になっています。
5月20日に福岡県の医師会が会見を開きましたが、この会見は“謎の風邪”のために開いたわけではありません。たまたま記者から質問があったということです。これに対し医師会は「ウイルス感染だと思う。“謎の感染症”という言葉は初めて知った」と答えました。
実際にこの“謎の風邪”と同じ症状が出たという番組スタッフに話を聞いたところ、「急な喉の激痛と激しい咳で、翌日に声が出なくなった。発熱はなく、病院では『黄砂と乾燥が原因の風邪か』と言われた。処方された薬を飲んでも症状は改善せず、3週間ほど続いた」ということです。

原因特定が難しい“謎の風邪” ©ytv
この症状の原因は何なのか、様々な可能性を専門家に聞きました。
1つ目は、菌やウイルスの可能性です。具体的には溶連菌やヒトメタニューモウイルスなどが挙げられます。関西福祉大学の勝田吉彰教授は「全ての可能性がある。発熱の有無は個人差」と話しています。
2つ目は、アレルギーの可能性です。具体的には黄砂やPM2.5、花粉症などが挙げられます。水野クリニックの水野宅郎院長は「寒暖差の可能性もある。どれが原因かは特定が難しい」と話していて、専門家によっても少しずつ見解が異なっているようです。
水野院長は「未知のウイルスが流行っているという印象はない。医師のほとんどは、普通の風邪と認識しているのでは」とも話しています。
■何を目安に受診すればいい?

“謎の感染症”対策は? ©ytv
“謎の風邪”の症状がある場合、医療機関への受診は何を目安にしたらいいのでしょうか。
関西福祉大学の勝田教授によりますと、「基本的には心配はないが、1週間以上、咳などの症状が続く場合は、かかりつけの医療機関を受診した方がよい」ということです。
また、2025年からは国において急性呼吸器感染症の調査が行われています。約3000の指定医療機関は、咳・喉の痛み・鼻水など、10日以内の急性的な症状について1週間ごとにデータを上げていて、これを国が集計しています。調査の目的は、どんなウイルスが流行っているのか把握すること、そして未知のウイルスを探知した時に医療体制を整えたり、国民に周知したりするためだといいます。
こういった情報も注視しながら、私たちもしっかり自分の身体と向き合って、冷静に対処していくことが大切なのかもしれません。
(読売テレビ「かんさい情報ネット ten.」2026年5月26日放送)