東京大学、学内の量子コンピューターにIBMのチップ「Heron」導入へ

東京大学とIBMは、学内に設置・運用している量子コンピューターに、IBMの量子コンピューターチップ「Heron」を導入すると発表しました。

量子コンピューターとは、電子や原子といったミクロな世界の物理現象を利用したコンピューターです。

私たちが暮らす世界では、例えば、コインを投げ上げてキャッチした時の上の面は、表か裏かのどちらかしかあり得ません。しかし、電子や原子といったミクロの世界では、表でもあり裏でもある“重ね合わせ”と呼ばれる状態が現実に存在するなど、私たちの感覚では理解できない不思議な現象が生じています。

量子コンピューターはそうした現象を利用することで、スーパーコンピューターをはるかに上回る速度で問題を解くことができ、医薬品開発や地球温暖化対策、金融リスクの計算など、幅広い分野での利用が期待されています。

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ただ、ミクロな世界の現象を利用するだけに、わずかな外部環境からも影響を受け、計算に「エラー」が多く出ることが実用化に向けて最大の問題となっています。

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IBMはこのエラーの発生確率(=エラー率)を世界トップレベルまで下げた「Heron」と呼ばれる量子コンピューターのチップを開発していて、東京大学は16日、IBMが開発した156量子ビットの最新型の「Heron」を量子コンピューターに導入すると発表しました。

156量子ビットの「Heron」では、IBMのこれまでの量子コンピューターのチップ「Eagle」よりエラー率が3~4倍、改善されているということです。

今後、AI開発などに効果を発揮するGPUを用いるスーパーコンピューター「Miyabi」と「Heron」を組み込んだ量子コンピューターを接続し、従来のコンピューターと量子コンピューター、それぞれの長所を組み合わせて先端研究を進めていくということです。

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日本IBMの山口明夫社長は「量子コンピューターと従来のスーパーコンピューターとの接続をより強固にすることによって、2年以内に今までのスーパーコンピューターを大きく超える成果が世界の中で出していける」と語っています。