アドルがなぜ冒険家と呼ばれるようになったか?Switch『イース・メモワール -セルセタの樹海-』をプレイレビュー
日本ファルコムが、本日2025年5月22日にNintendo Switchで発売したアクションRPG『イース・メモワール -セルセタの樹海-』。今回は同社よりソフトの提供を受けたので、そのプレイレビューをお届けしよう。本作の価格は、パッケージ版/ダウンロード版ともに4840円だ。
なお、パッケージ版には初回特典として本作のために新規アレンジされた楽曲を収録したCD2枚組の「イース・メモワール -セルセタの樹海- オリジナルサウンドトラック」が付属。また、パッケージのジャケットはリバーシブル仕様となっている。
『イース セルセタの樹海』とは?
レビューに入る前に、本作について簡単に説明しよう。本作は、主人公であるアドル・クリスティンのセルセタ地方での冒険を描いたタイトル。PlayStation Vitaを皮切りに、PlayStation 4、PC(Steam)とさまざまなハードで発売されてきた。
※:PC(Steam)版はXSEED Games、Marvelous USAから発売

セルセタ地方でさまざまな仲間と出会い、古代セルセタ文明にまつわる謎に迫る
「メモワール」版は、新規アレンジBGMを収録。ゲーム内でオリジナル版とメモワール版の2種類からBGMを切り替えられる。

メニューのオプションでBGMは切り替え可能。初期状態ではメモワール版となっている
また、「イース」はこれまで10作以上の作品が発売されているが、物語は基本的に一話完結。なので、どこからプレイしても問題ないというのも特徴のひとつ。特に本作はアドルが記憶を失くしてキャスナンという街にたどり着くところから始まっており、プレイヤーも主人公と同じ目線でゲームを始められる。

キャスナンの街をふらつきながら歩くアドル。この後、宿屋の前で倒れてしまう
簡単操作で小気味よいアクションが爽快!
本作をプレイして一番楽しかったのは、アクションの軽快さと気持ち良さ。攻撃、防御、回避などの基本アクションは1ボタンで出せ、押すボタンは多くても攻撃技のスキルや超必殺技的なEXTRAスキルを出すときの2つ同時押しくらい。複雑な操作なしで各アクションが出せるので、アクションに慣れていない人でもすんなり遊べるだろう。

スキルはスキルゲージが溜まっていると出せる。スキルゲージは溜め攻撃を出したり、フラッシュガードを成功させたりすることで回復できる。ゲージは溜めやすいので、スキルをガンガン使えるのも◎

EXTRAゲージが溜まっていると出せるEXTRAスキル。威力が高いのはもちろん、広範囲にダメージ判定があるので、通常の戦闘、ボス戦、ともに役立つ。ちなみに、初期状態ではL+Rボタンの同時押しで出せるが、ゲーム設定で1ボタンに変更できる
本作は3人1組のパーティ制を採用。オールラウンドで戦える主人公のアドル、攻撃力は低いが遠距離から攻撃できるカーナなど、キャラクターごとにそれぞれ攻撃方法に特徴があるので、操作していて楽しい。ちなみに、パーティメンバーはアドルを含め、全部で6人いる。
攻撃には斬、突、打と属性があり、それに対応して敵に弱点属性が設定されている。操作キャラの切り替えにもちゃんと意味が用意されているのもグッド。

左スティックの押し込みや、冒険日記の「モンスター」の項目で敵の弱点属性を確認できる。弱点属性でなくても敵にはダメージを与えられるので、キャラの切り替えが面倒という人も安心してOKだ

要所要所でボスが出現。ただ攻めるだけなく、倒し方にひと工夫が必要なものもいるので、相手の挙動はしっかりと確認するようにしよう
セルセタの地図を埋めながら、記憶を取り戻していく
ゲームの目的は、セルセタ地方を探索して地図を完成させながら、アドルの記憶を取り戻していくこと。初めは何も描かれていない地図も、アドルがマップを進むのに従って、どんどん地形が書き込まれていく。これが、本当に知らない場所を探索しているみたいで楽しい!
なお、アドルの記憶を取り戻すのに必要な「光の玉」のある場所、クエスト(後述)の発生場所、ストーリーで行くべき目的地などは白地図上にマーキングされるので、どこに向かったらいいか悩まないようになっている。
また、シーンによってカメラ視点が変わることもあるが、フィールドは基本的に上からの見下ろし視点なので、周囲の状況がわかりやすいのも◎。

地図画面。地図上のマークを頼りに、どこに向かうか決めよう。また、地図の右上には地図作成率が表示。この作成率によって報酬がもらえる

光の玉が近くにあると、画面にノイズが入る。これを頼りに光の玉の位置を探そう。一度反応した光の玉の場所は、白地図上にマーキングされる
この地図を完成させるという目的は主題ではあるものの、全部を埋めなくてもストーリーをクリアできる。あくまでもやり込み要素の1つな点も、押し付けられている感じがしなくて個人的に好印象。
また、倒木を動かして段差を乗り越えられるようにしてショートカットが作れる場所があったり、マップ上にある石碑を使ってワープできたりと、探索面でも遊びやすいように考えられている。

各地に設置された石碑。ワープ地点になるほか、近づくと体力や状態異常を回復できる

マップ上で調べられたり、何かできる場所には「!」のアイコンが出る。このマークが出たら、調べてみよう。写真の場所では、倒木を動かしてショートカットが作れる
マップ上には、鍵のかかった宝箱など、キャラクターの固有アクション(パーソナルアクション)を使って解除できるギミックも存在(光の玉も、アドルのパーソナルアクションの1つ)。パーソナルアクションはパーティメンバーに対応した人物がいないと作動しないので、この時は該当する人物をパーティに入れよう。
後のシリーズではパーソナルアクションはパーティ全体で共有されるようになったが、本作では該当キャラクターがパーティにいないといけない。メニューを開かずにパーティメンバーを瞬時に変えられるボタンやショートカットが用意されていれば良かったなと、ここはちょっと残念に感じた。

パーソナルアクションが必要な時は、その目標物にターゲットマークが出る

メンバーチェンジは、メニュー画面の編成から選ぶ
ほかにもパズルのような謎解きがあったり、魔法具と呼ばれる特殊アイテムを使うことでこれまで行かなかった場所に行けるようになったりと、探索には多彩な要素を用意。ただ地図を埋めるだけではない、ゲームならではの発見の旅が楽しめる。

とある場所への扉を開くパズル。こう言ったパズルはそこまで多くはないので、苦手な人は安心してほしい

魔法具の中には、ダッシュでフィールドを走れるようになるものも。魔法具は2段階までパワーアップでき、ダッシュができる魔法具「疾風の靴」の場合、強化するとダッシュ中に体当たりした敵にダメージを与えられるように。シリーズファンにはおなじみの体当たり攻撃ができるようになる
武器の強化やクエストなど、遊び込める要素も
本作にはメインストーリーとは別に掲示板を調べることで住人からの依頼を受けられるクエストがあったり、素材を集めて武器を強化できたりと、遊び込める要素を用意。ゲームをじっくり楽しみたい人にもピッタリだ。

ボスよりも手強いモンスターがいたりもする。レベルをしっかりあげて挑もう

ゲームのクリアデータを引き継いでゲームを始めると、メニュー画面の「記憶」の「ボス戦闘」という項目でタイムアタックに挑戦できる。ボス単体のほか、ボスラッシュにも挑戦可能だ
アクションが苦手な人にもオススメできる1本
本作はシリーズ作ながら、ここから始めても問題ない作り。また、アクションも小気味よく、難しい操作がなくて出せるので、アクションゲーム初心者にもオススメできる。
ゲーム難易度もイージーからナイトメアと、4段階用意されているので、手応えのあるプレイが楽しみたい人は高難易度に挑戦するなど、ゲーム初心者から上級者まで対応できる作りになっている。
ただ、気になる点もいくつか。本作は2012年に発売されたPS Vita版がもととなっているため、キャラクターのモデリングや背景など、ゲームグラフィックはちょっと古め。また、イベントシーンの早送り機能がなかったり、一部のイベントシーンのスキップができないなど、近年のゲームに比べるともの足りない部分も。
とはいえ、画面切り替えやイベントに入る時のロードなどは短くまとまっているし、ゲーム内容自体は今でも十分に通用するものなので、未プレイの人は、この機会にぜひ遊んでみてはいかがだろうか。

ゲーム難易度はゲーム開始時に選べるほか、ゲーム中でも下げることができる。まずは自分の腕にあわせて選ぼう

会話の選択肢によって返事が変わったり、訪れる順番によって一部のイベント会話が変化したりと、周回プレイで楽しめる要素も用意
『イースIV』&『セルセタの樹海』をプレイしたことある人へ
本作は、スーパーファミコンやPCエンジンで発売された『イースIV』のセルフリメイク作。『イースIV』自体は日本ファルコムが原案を作成し、スーパーファミコン版、PCエンジン版のそれぞれを制作したメーカーが独自のアレンジを加えて発売した。そのため、セルセタ地方を舞台にした2つの異なる『イースIV』が存在しているのだ。
そんな制作経緯があるため、本作にはそれぞれの『イースIV』をもとにした小ネタが盛り込まれている。『イースIV』を遊んだことにある人は、現代風に新しくなったストーリーを味わいつつ、こう言った小ネタを楽しめるので、プレイすることを強くオススメしたい。

カーナのスキルには、スーパーファミコンのイベントで見せた技を連想させるものも

敵の1人であるガディスとの戦いでは、PCエンジン版と同じく玄田哲章さんボイスで「ブッ◯してやる!」が聞ける!
そして、『セルセタの樹海』を遊んだことのある人へ。今作は、新規のアレンジBGMを選べる以外は、基本的にPS4で発売された『セルセタの樹海:改』と同じ。とはいえ、携帯機としても、据え置き機としても遊べるSwitchの特性がそのまま本作の大きな魅力となっているだろう。
アレンジBGMに関して。個人的な印象では、大きな曲調の変化はないものの、バイオリンやギターなどの音色が強調され、音に深みが出た感じ。パッケージ版の特典につくアレンジ版のサウンドトラックは通常販売されないようなので、これをゲットするためにも、本作のパッケージ版の購入を考えてみてはいかがだろうか。
ちなみに、とあるシーンのセリフに変更が加えられ、『イースX』の舞台のことにも触れられていた。
【ゲーム情報】
タイトル:イース・メモワール -セルセタの樹海-
ジャンル:アクションRPG
販売:日本ファルコム
プラットフォーム:Nitendo Switch
発売日:発売中(2025年5月22日)
価格:4840円(パッケージ版/ダウンロード版)
CERO:B(12才以上対象)
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