「いつ結婚するの? いつ子ども産むの?」 IMALUが感じた「30歳を過ぎた女性の生きづらさ」

タレントのIMALUさん(35)が東京と奄美大島の2拠点生活を送り始めて、3年。インタビュー【後編】では奄美大島での生活、共に暮らすパートナーの存在、性の問題や時事ネタなどについて本音で語り合うポッドキャスト番組「ハダカベヤ」について語ってくれた。

――奄美大島に拠点を置いて、どれぐらい経ちますか?

 ちょうど3年です。感覚的には月の半分は奄美にいて、残りの半分は都内やほかの場所で仕事をするサイクルですね。奄美と東京では全く違う世界なので、オンとオフのギャップをつかむまで少し時間がかかりました。東京ですごいタレントさんがたくさんいらっしゃる現場でお仕事させてもらった次の日に奄美に帰って、近所のおじいちゃんから大根をもらったり(笑)。寒暖差もあって最初の1年は体調を崩しやすかったけど、今はもう大丈夫です。

■ビビビときました

――奄美大島を生活の拠点に選んだ理由を教えてください。

 海沿いの場所に住みたいと思ってコロナの前から物件を探していて。神奈川、千葉、静岡など電車や新幹線で東京に行ける距離で物件を探していました。素敵だなあと思う場所もあったけど、一足早く売れたりしてなかなか決まらなかったんです。そのときに、パートナーのお父様のルーツが奄美大島だということで遊びに行く機会があって。「ここに住みたい!」ってビビビときました。

――直感で決めたんですね。

 そうなんです。自然がそのまま残っている場所が多くて、海がすごくきれいなんです。ほかの島とは違う独特の空気感が心地良いんですよね。あとは島の人のやさしさですね。明るくて気さくに接していただいて、素敵な場所だなあって。

――東京に住んでいたときと生活のリズムに変化はありましたか?

 ガラッと変わりましたね。私は朝が苦手で夜型だったんです。東京にいると夜に友達に呼ばれたらお酒を飲みに行ったり、仕事が終わった後に外食に行ったりする機会が多かったけど、奄美にいると飲食店が少ないし、閉店する時間も早い。夜は真っ暗で海の音とフクロウの鳴き声が聞こえるくらいで静かなんです。海をボーっと見つめて心が落ち着くと、やることがないので寝ようと(笑)。ぐっすり眠れて、朝もパッと起きられるようになりました。睡眠の質が変わった感覚があります。人に会うのは好きですけど、奄美に行って人がいない生活に慣れてしまいましたね。東京に行ったときにはいろいろな人と会おうと予定をたくさん詰めていたんですけど、メチャメチャ疲れる(笑)。今は東京にいるときも1日外食したら、次の日は静かに一人で過ごしたりしています。今は東京から奄美に戻ると、「やっと帰ってきたあ」という感覚になります。奄美に戻ったときは誰もいない海に入ってリフレッシュします。温泉みたいな感覚ですね(笑)。

■芸人さんを教えてあげたり(笑)

――パートナーの方と一緒に住まれているんですよね。

 はい、お付き合いして約8年ぐらい経ちます。今のところ、結婚の予定はないですけど、家族みたいな感じですね。父(明石家さんま)とは……全然違うタイプですね(笑)。まあ、父とそっくりな人はなかなかいないですけど(笑)。ウチは芸能色の強い家族ですけど、その世界に1ミリも興味がないタイプで。私の母親(大竹しのぶ)が女優であることも知らなかったですし。子どものころから日本と海外を行き来する生活で、テレビを見る機会がなかったらしいです。私のことも出会ったときは知りませんでした。一緒に暮らすようになってからM-1を見るようになって、芸人さんを教えてあげたり(笑)。優しくて、一緒にいて楽ですね。

――これからも奄美でずっと暮らす感じですか?

 よほどのことがない限り、奄美にずっといたいですね。体調が良くなりましたし、一つひとつの仕事が充実して心のバランスが取りやすくなりました。奄美に恩返しをするためにも、自然の保護活動など島が潤えるお手伝いをしていきたいです。

■「いつ結婚するの?」「いつ子どもを産むの?」

――女性の健康問題や社会問題、LGBTQ+コミュニティーの悩みなどについて語り合うポッドキャスト番組「ハダカベヤ」にも力を入れてらっしゃいますよね。

 スタートして4年が経つんですが、リスナーさんからメールをいただくと、悩んでいる人が本当に多いことに気づかされます。ジェンダーギャップの指数、男女格差のデータを調べると、まだまだ生きづらさを感じている方が多いし、取り組まなければいけない問題が多いことに気づかされます。気心が知れた友人のメグ、なつこと3人で番組をしているんですけど、どんなに仲が良くても意見や価値観の違いがあります。番組が「価値観アップデート」というテーマでやっているんですけど、リスナーさんやゲストの方からいろいろなお話を聴くことで勉強になることがたくさんあります。

――番組を聴くと、切実な悩みが多いですよね。

 そうなんです。例えば女性は30歳を過ぎると、「いつ結婚するの?」「いつ子どもを産むの?」と周りの人に聞かれることがある。時代の移り変わりとともに以前よりは減ったかもしれないですが、まだまだ社会に焦らされていることに悩んでいる女性が多い。リスナーさんもなかなか周りに相談できないですよね。「ハダカベヤ」のように安全に話せる場を提供することで救われる方がいらっしゃったらうれしいです。私は芸能界で表に出る仕事をしているので、こういった問題を発信していくことで、女性やセクシュアルマイノリティーが生きやすい、働きやすい未来につながっていったらいいなと思います。

IMALU/1989年9月19日生まれ。東京都出身。父はお笑い芸人の明石家さんま、母は女優の大竹しのぶ。カナダの高校に進学し、帰国後の2009年に芸能界デビュー。歌手、女優、タレント、声優、ラジオパーソナリティー、雑誌の執筆活動など幅広いジャンルで活動し、2022年から奄美大島と東京の2拠点生活に。ジェンダー、性の問題など様々な社会課題を語り合うポッドキャスト番組「ハダカベヤ」の活動を評価され、今年3月に国際女性デー表彰式「HAPPY WOMAN AWARD 2025 for SDGs」で個人部門「HAPPY WOMAN賞」を受賞した。

(構成/平尾類)