まるでサイゼリヤな「豆サラダ」を自宅で作るワザ

サイゼリヤの青豆の温サラダをイメージした「グリーンピースの温サラダ」(写真:筆者撮影)
サイゼリヤの「おいしさ」を体現する一品
低価格で人気のイタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」。キッチンでは包丁を使わない、ホールではトレンチ(お盆)を使わないなど、徹底的に効率化されたシステムでも知られていますが、人気の秘密は「おいしすぎないおいしさ」にあります。
【写真でわかる作り方】これ、マジでサイゼじゃん! 定番前菜「柔らか青豆の温サラダ」を自宅で作る極意
『サイゼリヤ革命』(著:山口芳生、柴田書店)という本の中で、創業者の正垣康彦氏は「おいしさを科学としてとらえているレストランはないといっていい」と述べ、「サイゼリヤはおいしさを『毎日食べても味わいがあり、いつまでも食べ続けたくなる味』ととらえた」とあります。白いご飯のように、「うまい」でもなければ「まずい」でもない、中間の味わいを「おいしい」と定義したのです。
私見ですが、「柔らか青豆の温サラダ」はそれを象徴するメニューに思えます。今日はサイゼリヤの青豆の温サラダをイメージした「グリーンピースの温サラダ」をご紹介しながら、うま味調味料の使い方についても解説します。

温泉卵は市販品を使いますが、68℃で加熱することで自作も可能です(写真:筆者撮影)
グリーンピースの温サラダ 材料 1人分
冷凍グリーンピース 80グラム
ベーコン 20グラム
水 150ミリリットル
塩 小さじ4分の1
オリーブオイル 適量
味の素 0.2グラム(2振り)
温泉卵 1個
飲食店などでも食材ロスを防ぐために導入が進んでいるのが冷凍野菜。とくにグリーンピースやコーンは冷凍品が普及しています。
昔は冷凍→解凍することで細胞が壊れ、水っぽくなるイメージがありましたが、技術の向上により品質は改善。むしろ、収穫したての野菜をすぐに加熱し冷凍することで、採れたての栄養とおいしさが実現されています。
ただ、味は変わらないとはいえ、フレッシュな香りがやや失われているのも事実。そこで次の工程で一工夫が加わります。小鍋に細く切ったベーコン、水、塩、オリーブオイルを加えるのですが、ここにうま味調味料をごく少量加えるのです。

サイゼリヤは塩漬けの豚肉が入っていますが、ベーコンで代用しています(写真:筆者撮影)
うま味調味料はさまざまな種類がありますが、家庭では少量で購入できる「味の素」が適しているでしょう。うま味調味料の使い方にはいくつかコツがありますが、その1つが「下処理に使うこと」です。
例えば、冷凍魚を解凍するときは塩水に漬けるのですが、そこにごく少量を加えたり、鮮度の落ちた野菜を下ゆでするときにうま味を補うために使う、という形です。
意外と知らない「うま味」と「香り」の関係
沸騰してきたら冷凍グリーンピースを投入し、そのまま1分加熱。弱火に落とし、2分加熱すればグリーンピースに火が通ります。

ここで少量のオリーブオイルを足しても美味です(写真:筆者撮影)
ザルにあげて水気を切りましょう。ここで豆を味見すると、塩だけでゆでたときよりも豆の香りが強く感じられるはずです。
実はうま味と香りは相関関係にあり、うま味によって香りが強くなることもあれば、香りによってうま味が感じられたりもするのです。ポイントは、うま味調味料が入っているとわからないくらいの量を使うこと。
うま味は、酸味や塩味、甘味や苦味などと同じ「五味」で、料理はそのバランスで成り立っています。塩を入れすぎればしょっぱくなるように、うま味を入れすぎれば「うま味すぎる」状態になり、おいしくはならないからです。
お皿に盛り付けて、温泉卵を添えたら出来上がり。

温泉卵は温水に漬けて温めておきます(写真:筆者撮影)
グラナ・パダーノやパルミジャーノといったチーズをすりおろして加えるのもおいしいもの。パルミジャーノチーズには、甘みの元となるアミノ酸類とうま味物質であるグルタミン酸が豊富に含まれていて、豆との相性も抜群です。
おすすめの食べ方はワインとともに
単体で食べると地味な味ですが、ワインと合わせると美味です。前述の本の中でサイゼリヤの料理は「基本的に、ワインや前菜、フォカッチャなどと組み合わせて食べたときに、一番おいしくなるように設計されている。ファミレスのように単品で満足してもらう商品ではない」と説明されていますが、その思想が最も伝わる料理かと思います。

卵を崩しながら食べてください(写真:筆者撮影)
冷凍庫と冷蔵庫にある食材で作れるので、「暑くて外を出歩けない」というときに、冷たくした白ワインと一緒にどうぞ。