長く煮込むのはNG!美味しいおでんの「新常識」 特に練り物は加熱しすぎるとスカスカになる

おでんをおいしくつくるポイントをご紹介します(以下、写真はすべて筆者撮影)
定番なのに上手に作るのは難しいおでん
冬になると食べたくなるのがおでん。関西では関東炊きといいますが、醤油の普及とともに広まった料理とされ、今ではコンビニエンスストアから専門店まで幅広く提供されています。
【写真】“おでん”の出来上がりはこんな感じ
おでんの種(ちくわなどの練り物やがんもどきなど)は市販されているので、あとは大根などと一緒に調味した出汁で煮るだけのシンプルな工程です。しかし、意外と上手につくるのは難しいもの。
ふつうに考えればおでんの具は弱火でコトコト、煮込めば煮込むほど味が染み込んでおいしくなりそうなものですが、実はこれが間違いのもと。おでんは長く煮込んではいけないのです。おでんをおいしくつくるポイントは煮込みすぎないこと。
旧 ことことじっくり煮込む
新 煮込んだら火を止め、余熱で味を含ませる
それでは実際に作っていきましょう。
おでん
材料 2〜3人分
大根 1/2本
こんにゃく 1枚(100g)
鶏手羽肉 4本
練り物類
焼きちくわ 4本(1パック)
魚のつみれ 12個(1パック)
がんもどき 1パック
ごぼう巻 4本(1パック)
おでん出汁
水 1500mL
昆布 15cm角
鰹節 20g
うす口醤油 75mL
みりん 75mL
「味が出る具材」と「味を吸う具材」を把握して
おでん種はスーパーに行くと多種多様な商品が並んでいます。数種類をまとめたセットもあるので、それを使えば気軽におでんに挑戦できます。他に加えたい食材としてはやはり定番の大根があります。今回はこんにゃくを使っていますが、ジャガイモなどもよくあうでしょう。
まず、おでんを攻略するには「味が出る具材」と「味を吸う具材」を把握することです。市販されているおでん種の多くは前者で調味され、すぐに食べられる状態まで加工されています。そのため、これらの食材を長く煮込む必要はありません。また、練り物はすでに加熱がされているので100℃近い温度で加熱するとスカスカになってしまいます。
一方「味を吸う具材」=大根やこんにゃくはしっかり加熱する必要がありますし、大根などは96℃以上で加熱しないとなかなかやわらかくなりません。そのためおでんをつくるときは「下茹で」という工程が重要になってきます。

この段階で昆布をひとかけら入れるとより贅沢な仕上がりになります
大根は2.5cm厚さに切り、厚めに皮を剥きます。たっぷりの水を加えて、中火にかけ、沸いたら弱火に落として25分茹でましょう。はじめに高い温度で加熱しておくことで、なかが生という失敗を防げます。ジャガイモなどを入れる場合も同様に下茹でを行いましょう。

鶏の代わりに定番の牛すじやクジラの脂身などを入れても深い味わいになります
入れなくてもいいのですが、今回は鶏の手羽肉も加えることにしました。関節から半分に切り、大根を取り出した鍋でさっと茹でておきましょう。
次に煮込むためのおでん出汁を作っていきます。

昆布は具材としても食べるので、日高昆布か羅臼昆布がおすすめです
分量の水に昆布を入れ、15分ほど置きます。この工程で昆布が水で戻り、味が出やすくなります。

鰹節の半量をサバ節などに変えても味わいが変わります
おでん出汁の分量は 出汁 20 : うす口醤油 1 : みりん 1 の割合です。市販のめんつゆ、例えば2倍濃縮タイプのめんつゆを使いたい場合は6〜7倍に希釈するといいでしょう。

うす口醤油がない場合はこい口醤油でも代用できます
おでん出汁の作り方はかんたん。すべての材料を鍋に入れて、ひと煮立ちさせるだけです。昆布が入った水にうす口醤油、みりん、鰹節を入れて、中火にかけます。

中火で沸かすことでみりんのアルコールも飛びます
沸騰したらアクをとり、ザルなどで濾します。おでん出汁はあとから足すので多めに作っておくのが基本です。

ある程度具材をまとめておくとあとから取り出しやすいでしょう
鍋に具材を並べて、おでん出汁を注ぎます。

土鍋を使っていますが大きな鍋であれば問題ありません
中火にかけて沸いてきたら弱火に落とし、30分煮ます。蓋はしません。蓋をすると気化熱が働かなくなるため、出汁の温度が100度に達してしまい、練り物から味が出すぎてしまうからです。
30分煮たら火を止め、蓋をして2時間以上冷まします。煮込み続けたほうが味は入るのですが、出汁が煮詰まってしまいますし、やはり練り物に火が入りすぎてしまいます。そのため、冷ましながら加熱することが重要なのです。

おでん鍋に移してみました
食べる直前に再び火にかけ、弱火で5分ほど煮て、全体が温まったら出来上がりです。辛子を添えるといいでしょう。おでんは火にかけておけばほとんど手間がかからない料理なので、和食店などでもまかないとして活躍しています。年末の忙しい時期にこそぴったりな料理かもしれません。

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