有元葉子「私の仕事人生、旅人生がスタートしたのは50代からでした」
人気料理家 有元葉子 初の旅エッセイ本
ベトナムにイタリアに、有元葉子さんが語る“おいしい話”に触発されて旅に出たことがあるという人は数多くいるのではないでしょうか。長年活躍されているので、もっと前から仕事をされていたと思われがちですが、有元さんが料理家として働き出したのも、ひとり旅をスタートしたのも実は50代から。
そんな旅に関する有元葉子さん初めてのエッセイ『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』が8月に刊行となります。

「自他ともに認める旅好きですが、本格的に旅をするようになったのは、子どもたちの手が離れてからです。食事やお弁当はもちろん、三時のおやつも毎日作り、家にはしょっちゅう娘たちのお友だちが遊びに来て、にぎやかで慌ただしい日々を送っていました。
毎日やることがいっぱいの専業主婦の生活が終わったのが、五〇歳前後。それからなのです。今に至る仕事人生、旅人生がスタートしたのは。
海外旅行の経験がなかったわけではないですが、行きたいときに、行きたい場所に、ポンとひとりで飛んでいける自由気ままさこそが、旅の醍醐味だと思っていました。つまり、私はひとり旅をしたかったのです。娘たちが食べるものは自分たちでなんとかできるわね、という年齢になったときに、ついに実行しました」(『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』本文より)

子育てが落ち着いて、旅に出るのは今だと出かけた秋のパリ。南イタリアを訪ねては一枚ずつ集めてきたヴィンテージのリネン。本当にいいもの作りとは何かを問いかけてくるブルネロクチネリのブラウス。ロンドン郊外で出会った、挽きたての粉で作られたパンの香り。元気がほしいときに飲みたくなるポルトガル名物のスープ、「カルト・ヴェルデ」……。
世界中を巡った旅の記憶からは、「どうしたら自分を使い切れるかをいつも考えている」と語る有元葉子さんの人生観が垣間見えます。

有元葉子(ありもと・ようこ)編集者、専業主婦を経て、料理家に。料理教室やワークショップ等を提案する「A&CO.」の主宰ほか、キッチンウエア「la base(ラ・バーゼ)」シリーズのディレクター、イタリア産オリーブオイル「MARFUGA(マルフーガ)」の日本代理店主宰を務めるなど活躍は多岐にわたる。レシピ本をはじめ、食を通して暮らしや生き方などを語ったエッセイなど著者は100冊以上に及ぶ。近年のベストセラーは『レシピを見ないで作れるようになりましょう』(SBクリエイティブ)、『生活すること、生きること』(大和書房)ほか。