フワちゃん「暴言炎上」から1年でも復帰叶わぬ背景

フワちゃん騒動が再注目される, いまなお残る強い拒絶感, 初期対応のミスが復帰へのハードルを高める, 「人のウワサは死んでも残る」時代, 視聴者の記憶に残っていることは強み

炎上、活動休止から1年が経過したフワちゃん。活動復帰が叶わないのを見ていると、炎上時の初期対応がいかに大事かがわかる(写真:つのだよしお/アフロ)

タレントのフワちゃんが、無期限の芸能活動休止に入って、1年が経過した。SNSや一部報道は「炎上1周年」について反応しているが、その多くが「復帰にはまだ早い」といった論調だ。

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筆者はこれまで、ネットメディア編集者として、芸能人の炎上対応を数々見てきた。その経験則からすれば、まだ復帰に足りうる“納得感”が与えられていないように思える。

果たして、いまのSNS世論において、フワちゃんは復帰できるのだろうか。もしくは「あの時、こう対応していれば、今ごろは復帰できた」といったパラレルワールドはあり得たのか。当時を振り返りながら考えた。

フワちゃん騒動が再注目される

フワちゃんは2024年8月、お笑い芸人のやす子さんが「やす子オリンピック 生きてるだけで偉いので皆 優勝でーす」と投稿したのに対して、「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」と引用リポスト。

これにやす子さんが「とっても悲しい」と反応したことで、大きな炎上につながった。

その後、フワちゃんは「ご本人に直接謝ります」と投稿したが、「フワちゃんのオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)が休止(後に終了)になるなどの影響が出たため、改めて謝罪文を掲載した。

フワちゃん騒動が再注目される, いまなお残る強い拒絶感, 初期対応のミスが復帰へのハードルを高める, 「人のウワサは死んでも残る」時代, 視聴者の記憶に残っていることは強み

フワちゃんからの“暴言”を受けてポストしたやす子さん(画像:本人の公式Xより)

フワちゃん騒動が再注目される, いまなお残る強い拒絶感, 初期対応のミスが復帰へのハードルを高める, 「人のウワサは死んでも残る」時代, 視聴者の記憶に残っていることは強み

フワちゃん

フワちゃんの“暴言”の後にやす子さんが「とっても悲しい」と投稿。すぐに謝罪のポストをしたフワちゃん(画像:本人の公式Xより)

そこでは旅行中に友人と「やす子さんの投稿に『アンチコメントが付くなら』」といった会話をしている際、Xの投稿画面に「本件の投稿の内容」を入力して、同行者に見せていたところ、誤って投稿してしまったと説明した。

しかし、それもまた火に油を注ぐ結果となり、最終的に8月11日、芸能活動の休止を発表している。それから丸1年となるタイミングに、SNS上ではフワちゃんを思い出す声が続出。芸能系メディアも“周年”の報道を行っている。

フワちゃんが、Xで有料課金しているファンに向けて、7月末に投稿をしていたとされる週刊誌メディアの報道も、「復帰に意欲を見せているのではないか」との話題を提供した。また、もう一方の「当事者」である、やす子さんも8月上旬、自信のX投稿が「モールス信号でフワちゃんにエールを送っている」との臆測に対して、「デマを流すのやめてほしいです」と反応。これもまた、再注目されるキッカケになっている。

いまなお残る強い拒絶感

このように「炎上1周年」が話題になっているが、ユーザーの反応を見る限り、それは“復帰待望論”というより、「そんな人もいたな」もしくは「まだ復帰には早い」といった論調に思える。いまなお視聴者には、強い拒絶感が残っている。

たとえ今後、復帰を目指そうとしても、この感情が障壁になりかねない。おそらく「死んで」発言による一発アウトではなく、それまでに視聴者の「モヤモヤとした嫌悪感」が蓄積されていたのだろう。

それが可視化された結果、反感につながっていると考えられるのだ。具体的に言えば、それは「失礼キャラを演じるプロ」に見えていたが、SNS発言を通して「ただの失礼なヤツ」だと露呈してしまったことではないか。

しかし、バラエティー番組は編集できるが、直接発信できるSNSはまた別だ。

仮に「ただの失礼なヤツ」であるならば、例の投稿でなくとも、“素の失礼”が出る機会は、いずれあったはずだ。そう考えると、遅かれ早かれ「旬」は終えていたと思われる。

初期対応のミスが復帰へのハードルを高める

しかし初期対応さえしっかりしていれば、従来のいきおいとは言わないまでも、今ごろは活動再開できていたように思える。

そのために欠かせないのが、本人による「公の場」での謝罪だ。いまなおフワちゃんは、自らが人前に立ってのコメントを行っていない。

本人が表に立たず、一方的な報告のみで完結させようとするパターンは、芸能人の不祥事やスキャンダルではよくある話だ。

しかしながら、最近では「誠実さに欠ける」との評価がされがちで、どれだけSNSで謝罪しても、“質問に対する答え”が返されていないと判断されれば、復帰へのハードルは大幅に高まる。

わかりやすい例が、「ダウンタウン」松本人志さんや、元「SMAP」中居正広さんのケースだ。

いずれもSNSや公式サイトに本人コメントは載せられたが、松本さんが芸能記者による単独インタビューに応じた以外、自らの発信はほぼない。そして最終的に、中居さんは芸能界引退にまで至っている。

ここで言う「公の場」は、必ずしも会見である必要はない。一方的な謝罪文ではなく、報道陣などの質問に答える形のコミュニケーションであれば、書面でも構わないだろう。つまり、「自らの主張だけを押しつけている」と感じさせるのは悪手だということだ。

「人のウワサは死んでも残る」時代

インターネットの普及で記録性は高まり、検索エンジンの誕生でスキャンダルを想起する機会が増えた。いまや「人のウワサも七十五日」ではなく、「人のウワサは死んでも残る」時代だ。

風化しない世間においては、「疑問を疑問のまま棚上げしている」と感じさせてしまうのは得策ではない。

もしかすると、これは芸能界とSNS世論とのギャップなのかもしれない。かつてのようにテレビの影響力が強ければ、力関係の活用、もしくはメディア側の忖度(そんたく)によって、報道をコントロールすることもできたのかもしれない。ひとたびフェードアウトしてしまえば、“一部週刊誌”が報じ続けたとしても、大勢には影響がない。

しかし現代社会では、そうはいかない。

「あれはどうなったのか」と続報を求める声は絶えず、それに呼応して出される雑誌記事も、ネットニュースとして一気に拡散される。そして、テレビ報道のギャップが広がるにつれ、いわゆる“オールドメディア”への違和感は募っていくのだ。

加えて、正義感の強いネットユーザーは、一度振り上げた拳をなかなか下ろさない。今回のように、ことあるごとに思い出し、情報がアップデートされていないことに対して、いら立ちを強める。

「沈黙は金、雄弁は銀」とはよく言うが、SNS社会においては「沈黙は悪、雄弁は最悪」だ。自己弁護に終始して、ペラペラしゃべるよりはまだマシだが、まったく触れないことにもリスクが存在する。

だからこそ、初期対応が重要となる。なるべく早いタイミングで、自らの言葉で、双方向のコミュニケーションを行う。そして、仮に風化をさまたげたとしても、折に触れて述懐する必要があるだろう。

人々にとっては、「その謝罪が自らの目に入ったか」が評価基準となる。しかしSNSではアルゴリズムの関係もあり、一度の謝罪では情報が行き届かない。炎上の“鎮火後”であれば、なおのこと目に触れにくくなるため、タイムラインに何度も登場し、誠意を見せることが重要になってくる。

視聴者の記憶に残っていることは強み

ここまで「この1年間にフワちゃんがしておけばよかった対応」を考えてきた。とはいえ、フワちゃんは思い出してもらえるだけマシとも言える。1年ほど前に起きた炎上事案を、あなたはどれだけ覚えているだろうか。

たとえば、「男性の体臭」発言で炎上し、当時の所属事務所を契約解除になったフリーアナウンサーはどうか。こちらも同じく2024年8月上旬に炎上した事案だが、顔や名前を思い出せる人は、どれだけいるだろうか。

そう考えると、フワちゃんには休止以前に培った知名度があるゆえに、まだ思い出してもらえる余地がある。多くはネガティブな印象まじりではあるが、それでも記憶に残っているだけで強みになる。

とはいえ、視聴者の記憶には残っている一方で、1年間の“ほぼ沈黙”によって、ファンの熱心さは減っている可能性もある。いまからファン向けビジネスを活発化するよりは、たとえイバラ道であっても、「マス向けの活動」を行った方が懸命だろう。その上で避けては通れないのが、やはり「誠意ある説明」だ。それをしない限り、来年も、再来年も「フワちゃん炎上記念日」は話題にのぼることだろう。

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「オールナイトニッポン0」の休止が決まり、フワちゃんらしからぬ真面目な様子で謝罪(画像:本人の公式Xより)

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Google PixelのCMはすべて非公開となった。CM内で使われていた「消しゴムマジック」を自身のXでも披露(画像:本人の公式Xより)

こうしたリスクは、遠い芸能界の話ではなく、明日あなたがクビになってもおかしくない。「フワちゃん燃えてて大変だねー」などと、ひとごとに思えるならまだしも、少しでも心当たりがあるのなら、早急に対応しておいたほうがいいだろう。

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