冷やし中華、酢豚が名物! 年間600杯食べるラーメン通も太鼓判「町中華」の人気店

食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。年間600杯以上のラーメンを食べている森本聡子さんが「日本一華やか」という冷やし中華をレコメンド。東京・武蔵小山の町中華で食べられる一杯です。

森本聡子さんおすすめのラーメン一覧▶︎

創業57年、やさしい味わいの料理にホッと和む町中華

今回森本さんがオススメしてくれた品川区荏原の『中華料理 銀座とき』は、奥むさこエリアで知らぬ人のいない人気店。先代である長島長之さんが銀座アスターで修業し、『銀座』と命名。さらに故郷・新潟の朱鷺から『とき』を冠しました。

1968年に創業し、現在は初代の奥様である2代目と息子の3代目が味を引き継ぎ、厨房に立ちます。

全部のせ冷やし中華 1450円(税込)

森本さんのイチオシメニューは「全部のせ冷やし中華」(1450円)。冷やし中華は「五目」、「えび」、「かに」もあり、あわせて4種類用意しています。中でも一番贅沢なのがこちら。

チャーシュー、きゅうり、エビ、カニなどが豪華に盛られ、日本一華やかな冷やし中華と言っても過言ではありません。酸っぱすぎない酢醤油ダレは飲めるほどまろやか。氷で締めた麺は冷水では出せないコシと清涼感があります。通年提供していて、プラス50円でゴマだれに変更も可能です

具材をかき分け麺を手繰り寄せると、細い麺のお出まし。その細さがタレとよく絡みます。具材ではきゅうりの食感がアクセント。チャーシューやカニ身にはタレが染み込み、旨みやジューシーさが味に深みを与えています。

ラーメン好きの森本さんですが、麺料理以外にも推したいメニューがあると言います。

酢豚 1000円(税込)

もうひとつの名物『酢豚』は黒酢を使わず、醤油・穀物酢・砂糖・塩で仕上げる初代直伝の味。玉ねぎやナスなどの野菜はシャキッと立ち、揚げた豚肉はカリッと香ばしい。甘すぎないのに甘く、酸っぱすぎないのに酸味があり、火力の違いを感じる逸品です。こんなに美味しい酢豚に出合ってしまってよいのでしょうか?」

森本さんが大絶賛の酢豚は、餡がたっぷりかかった具の大きさにも注目。素揚げした野菜はさっと揚げているため、シャキシャキが残った状態に。豚ヒレはぶつ切りで味付け。しっかり量がありますが、ラードを使っていないことから後口さっぱり。くどさがありません。

左から、内臓美人ハイ 650円、えみこのやっこ 600円、ときカレールー 500円(すべて税込)

「こちらのお店、お酒好きには“ラ呑み”(ラーメン呑み)もオススメ。カレーのルウや『えみこのやっこ』が絶好の肴です」

いわゆる町中華的な店とあって、お酒に合わせたい料理も数多くあります。そのひとつ「えみこのやっこ」は、3代目の同級生のスタッフが考案した一品。塩昆布、ザーサイ、長ネギにゴマ油をかけた至ってシンプルな内容ですが、どこかクセになります。

カレーは、もともとまかないで食べられていたカレーが裏メニューとなり、やがて定番入り。こちらはライスなしのもの。カレー自体はお肉が一切入っていないシーフードで、中華料理店らしく、鶏・豚ガラがベースのラーメンスープにカレーを合わせています。口に含めば、飴色になるまで炒めた玉ねぎの甘み、エビ、イカ、ホタテといった海鮮の旨みがじんわりと染み出します。

そしてお酒は、ビール、焼酎、サワー、ウイスキーなどいろいろありますが、少し変わったところで「内臓美人ハイ」(650円)というサワーがあります。

これは大麦若葉、ケール、明日葉、抹茶、ほうじ茶を合わせた、ちょっぴり甘めの一杯。森本さんもお店で呑むときはこれを飲んでいるそう。どの料理にも寄り添ってくれる味わいです。

そして、最後に食べたいデザートもあります。

グリーンソフト 250円(税込)

それは「グリーンソフト」。武蔵小山にあったお茶屋さん「いがらし園」で売られていた抹茶アイスです。地元の名物として愛されてきましたが、数年前に鵜の木へ移転。食べられなくなった人が多くなったことから、3代目がお店へ直接出向いて仕入れています。

「お客さんがうれしがってくれるんですよ」と3代目が語る通り、懐かしくて注文する人が急増中。抹茶の味がしっかりとした、見た目のかわいさとは裏腹の本格派です。はじめての方もぜひ。

「さらに箸袋の裏にスタンプラリーのような要素が仕掛けられています。箸袋30枚で餃子1人前、40枚でオリジナルTシャツがもらえるんです」と教えてくれた森本さん。

ほかにも、テーブルにステッカーが置いてあったりして、森本さん曰く「遊び心も満載」と言うのも納得です。それもあってか、近年は女性客が増えているそう。おひとりさまも多く、町中華の入門編としても最適でしょう。

「最後に、大人数で行くならお店の目の前にある『はなれ』の予約をオススメします。15席の個室で、秘密部屋のような空間。"小さな子どもが騒いでしまっても安心なんです"と町の方から大人気なんですよ。ねぇ、ねぇ、知ってる? そう言いたくなる理由が、この一軒には揃っています」

町で愛されるお店ですが、遠方からお客さんもやってくる人気店。一度ご体験あれ。

中華料理 銀座とき

住所:東京都品川区荏原3-6-8 家富ビル1階

電話番号:03-3783-7957

営業時間:11:00~15:00(14:45LO)、17:00~21:00(20:30LO)、2025年10月31日までは11:00~14:45LO、17:00~21:00(20:30LO)、土・日・祝11:00~14:30LO、17:00~21:00(20:30LO)

定休日:火・水・年始

https://www.instagram.com/toki_musashikoyama/

PROFILE

森本聡子 Satoko Morimoto

年間600杯ラーメン女子。47都道府県を食べ歩き、年間600杯以上を食べるラーメン女子。女性向けに特化したイベント「ラーメン女子博」をプロデュースするなどメディアでも活躍中。著書に『東京ラーメンコレクション』(昭文社)があり。https://www.instagram.com/satokomorimoto/

Photo:Tatsuya Hamamura Composition:Seiki Ebisu