まさにやぶへび:ウクライナを「非軍事化」しようとして、ヨーロッパ随一の軍事大国にしてしまったプーチン政権
ロシアによる「非軍事化」作戦の結果、軍事大国と化したウクライナ

プーチン政権がウクライナ侵攻を正当化する上で用いた口実のひとつは、隣国を「非軍事化」する必要があるというものだった。ところが、長期化する「特別軍事作戦」のせいで、ウクライナは以前とは比べものにならないほどの軍事大国になってしまった。
ヨーロッパ最大の軍事大国に

『キーウ・インディペンデント』紙によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領は2025年1月、同国の兵力は98万人規模に達したと発言。さらに、マサチューセッツ工科大学のレックス・フリードマン教授が主宰するポッドキャスト番組に出演した際には、「ウクライナ軍はヨーロッパ最大です」と述べている。
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フランス軍の4倍の規模

ゼレンスキー大統領いわく、ヨーロッパにおいてウクライナ軍に次ぐ規模をもつのはフランス軍だが、その兵力はおよそ20万人に留まっており、ウクライナ軍の4分の1に過ぎない。しかし、ウクライナ軍の強さの秘訣は兵力そのものよりも、実戦経験によって培われたノウハウにある。
プロの戦闘集団

ロシア軍との激戦を通じて、ウクライナ軍はプロの戦闘集団になったばかりか、西側諸国の軍隊と急速に連携を深めている。その結果、あらゆる兵科において、西側諸国の先進的な技術が取り入れられることとなった。
大幅に強化されたウクライナ空軍

たとえば、かつて旧ソ連製の機体しか保有していなかったウクライナ空軍は、いまや米国製のF-16戦闘機とフランス製のミラージュ2000-5戦闘機を運用している。さらに、スウェーデン製の戦闘機JAS39「グリペン」が遠からず配備される可能性もあるのだ。
西側諸国の戦車が勢ぞろい

また、陸軍も米国製、英国製、スウェーデン製、ドイツ製の戦車やその他車両を使いこなすようになった。その一方で、ウクライナは軍需品の国内生産にも力を入れている。
ドローン分野で世界をリード

ゼレンスキー大統領が今年9月下旬に行った主張によれば、ウクライナ軍が使用する兵器の40%は国内製となっており、ドローンに至ってはほぼすべてがウクライナ製だという。開戦前のウクライナにドローン防衛産業はまったく存在しなかったが、いまやこの分野で世界をリードしているのだ。NPR放送が伝えた。
年間800万機のドローン製造能力

『キーウ・インディペンデント』紙によれば、ゼレンスキー大統領は今年6月に、ウクライナはおよそ1,000種類のドローンを年間およそ800万機生産する能力があるが、そのための資金が足りないとコメント。ちなみに、今年初めの段階では、ウクライナが掲げる今年のドローン生産目標は400万機とされていた。
国産の大型巡航ミサイル

しかし、ウクライナが国産化を成功させたのはドローンだけではない。たとえば、今年8月には大型巡行ミサイルFP-5「フラミンゴ」の量産化を発表。ニュースサイト「ポリティコ」によれば、このミサイルの射程距離は3,000キロメートルあり、ウクライナは月産200発を目指しているという。
ネプチューン用の新型ミサイルもお目見え

さらに、10月初めには、「ネプチューン-D」システムの一部となる新型の巡航ミサイル「RK-360L」を公開。これは従来の対艦ミサイルを対地用に改良したものだ。ウクライナ支援プラットフォーム「United24」によれば、射程は1,000キロメートルとされている。
画像:Wiki Commons By President.gov.ua, CC BY 4.0
ウクライナの軍事力強化に貢献してしまったロシア

ウクライナの防衛産業はこういったドローンやミサイルに加え、先進的な海上ドローンや自走砲システム2S22「ボフダナ」など、さまざまな国産兵器を相次いでリリースしている。一方、ウクライナの「非軍事化」を目指すプーチン政権としては、やぶへびになってしまった形だ。
戦闘終結後も残るウクライナの防衛産業

たとえ、ウクライナ侵攻が終結に向かうとしても、この戦争を通じて成長したウクライナの防衛産業は今後も抑止力としての役割を果たすだろう。さらに、武器輸出国家としての道を歩む可能性まである。
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