あなたの"三日坊主"の悪習を絶つ「30日間の戦略」

立てたばかりの目標をすぐに諦めてしまう――。そんな人生とおさらばするには、どうすればいいのでしょうか(写真:Fast&Slow/PIXTA)

4月から始まった新年度。その初めに当たって目標を立てたのに、早々に断念してしまった――。そんな人は意外と多いのではないでしょうか。一度決めた習慣を三日坊主で終わらせないためには、どうすればいいのでしょうか。『[新版]人生を変えるモーニングメソッド』から一部を抜粋・編集して紹介します。

新年の誓いが必ず挫折する理由

幸福で健康で成功した人生を送っている人は、幸福と健康と成功につながる習慣を身につけている。

あなたの理想の人生は、どんな習慣を必要としているだろう? あなたはそれを自分で探し、選び、定着させなければならない。同時に、あなたの潜在能力を開花させるのを妨げている「悪い習慣」を手放す術を学ぶ必要がある。

残念なことに、ほとんどの人はポジティブな習慣を身につけて維持する方法を教わったことがない。学校に「習慣をマスターする」という授業はないからだ。

もしもあれば、他のどんな授業よりも人生の質の向上と成功に役立つはずなのだが。ほとんどの人は、習慣をコントロールしようとしては失敗を繰り返す。たとえば「新年の誓い」がそうである。

毎年、何百万人もの人が真剣に「今年はこうしたい」と新年の誓いを立てるが、実際に守り続ける人はほとんどいない。

エクササイズや早起きといった「良い習慣」を身につける、喫煙やファストフードのような「悪い習慣」をやめる、といったシンプルな誓いを、ほとんどの人は1月が終わらないうちにあきらめてしまう。

1月の最初の週にスポーツジムに行くと、やたらと混んでいて、駐車場を見つけるのが大変だった、という経験はないだろうか。やる気に満ちた人々が、減量やスタイル向上といった「誓い」を胸に、ジムに押し寄せるからだ。

しかし1月の終わりになると、駐車場の半分が空いている。新しい習慣を身につける確実な戦略がないと、ほとんどの人は失敗を繰り返すばかりだ。

新しい習慣を身につけることに失敗する主な理由は、ゴールだけでなくプロセスについて計画がないこと、そして勝算のある戦略がないことだ。

新しい習慣を会得するのにかかる日数は「30日」

新しい習慣を身につけ、古い習慣を人生から追い出すのにかかる時間については、諸説あるが、マックスウェル・マルツ博士による有名な説に、「新しい習慣を確立するには21日かかる」というものがある。

マルツ博士は、手足を失った人がその状態に慣れるのに平均して21日かかることを発見した。そこから得たのが「人間は人生の大きな変化に適応するのに21日を要する」という主張だ。僕はそこにプラス10日足して、30日間あれば、どんな習慣でも身につけることができると考えている。

習慣の難易度によって日数は違うと言う人もいるが、僕自身の経験と、何百人ものコーチングのクライアントや何千人ものモーニングメソッドの実践者の結果から導き出した結論としては、正しい戦略さえ持っていれば、どんな習慣でも30日間で身につけることができる。

問題は、ほとんどの人がそもそも「戦略」を持っていないことにある。だから何度も失敗し、その経験が積み重なって、自信を喪失してしまう。

だったら、何かを変えなければならない。自分の習慣を自由に操るためには、どうすればよいのか。自分の人生と将来を完全にコントロールする方法は? 持つべき良い習慣を突き止め、身につけ、同時に悪い習慣を永久追放するには?

これからあなたに「正しい戦略」をお伝えする。これを知っている人は、わずか一握りしかいない。

人は、先が予想できず、メンタルの準備ができていないと、たやすく失敗してしまう。それを解決するのが、この戦略だ。

まずは、30日間を、10日間ずつ三分割する。各段階で新しい習慣を定着させるにあたっての「感情的な壁」が発生するからだ。

普通の人は、こういった関門や障害が段階的に発生すること自体に気づかないため、壁が立ちはだかると不快になり、克服する術がわからずにあきらめてしまう。でも、先が見えていれば、グッと克服しやすくなるはずだ。

■ 第一段階:耐えがたい期間(1~10日目)

新しい習慣をとり入れる、または古い習慣をやめるための最初の10日間の壁は、「耐えがたい」気分になることだ。

2、3日はラクにできてワクワクするかもしれないが、それは「新しいことを始めるときの高揚感」であって、新鮮味がなくなったとたんに現実が戻ってくる。ああイヤだ。辛い。もう楽しめない。心が拒絶して「もうイヤだ」と思うと同時に身体のあらゆるパーツが変化に抵抗する。「この感覚は好きじゃない」

ほとんどの人の問題点は、この10日間の「耐えがたい気分」が一時的なものだと知らないことだ。

新しい習慣をとり入れるには、永遠にこの辛さに耐えなくてはいけないと思い込み、「こんなに辛いなら、やめておこう。そんな価値はない」と自分に言い聞かせる。その結果、多くの人が、繰り返し失敗する。エクササイズ、禁煙、減量、予算内の買い物など、人生のクオリティを上げるはずの新しい習慣を始められずにいるのだ。

しかしあなたには、他の人にはない強みがある。最初の10日間に備えることができるという強みだ。今の苦しみは、最初の10日間だけの一時的なものだと知れば、逆境に打ち勝つことが少しはラクになるのではないだろうか。

得られるものが大きければ、10日間ぐらい頑張れる。そうだろう?

新しい習慣を取り入れる最初の10日間は、実際ラクではない。いわば戦いだ。何度もイヤになるかもしれない。でも、絶対にできる。だんだんラクになるのは確実だし、その報酬として、人生に望むすべてを叶える能力が手に入るのだと考えてほしい。

■ 第二段階:不快な期間(11~20日目)

もっとも厳しい最初の10日間をくぐり抜けると、第二段階の10日間が始まる。最初の10日間に比べて今回はかなりラクになる。あなたは新しい習慣になじんでいくだろう。いくらかの自信がつき、習慣から得られる恩恵をイメージできるようになるはずだ。

とはいえ、二度目の10日間(11日目から20日目)は、「耐えられない」ほどではないが、やはり不快であり、自制心や意志力も必要だ。この段階でもまだ、古い習慣に引きずり戻されそうになる。

たとえば早起きを新しい習慣にする場合、長く続けてきた朝寝坊の習慣に逆戻りするのは本当に簡単なことだ。だから、ここが頑張りどころ。あなたはすでに「耐えがたい」状態から「不快な」状態に移行している。次の「止まらなくなる」状態へのレベルアップはすぐそこまで来ている。

■ 第三段階:止まらなくなる期間(21~30日目)

最後の10日間は、いわばゴール直前の直線コースだ。しかし、ここにたどりつけた少数の人のほとんどが、致命的なミスを犯す。多くの専門家が提唱する「21日かければ習慣が形成できる」という通説を信じ込んでしまうことだ。

専門家の意見は、完全な間違いではない。21日、つまり第二段階を終えたときに、新しい習慣が形成されるというのは、ある意味では正しい。

しかし、第三段階の10日間は、新しい習慣を長期的に「維持」するために必要になる。最後の10日間で、新しく身につけた習慣を人生に定着させ、楽しく行えるように潜在意識に覚え込ませるのだ。

最初の20日間では、程度こそ違えど、新しい習慣は「辛くて不快なもの」と捉えていたはずだ。だが、最後の10日間は違う。ここまでやってこられた自分に誇りを感じ始めるのが、この10日間。本物の変化が起こるのが、この第三段階だ。

「やろうとしていたこと」が「やっている」へ変化

新しい習慣が、あなたのアイデンティティの一部になる。「やろうとしていたこと」が「やっている」へと変化する。あなたはここで、習慣が自分の一部になりつつあるのを目の当たりにすることだろう。

もしも早起きを習慣にしたいのなら、この段階ですでにあなたは「私は朝に弱い」ではなく「私は朝型人間です」と宣言できるアイデンティティを持っている。朝、目覚まし時計の音にうんざりするのではなく、アラームが鳴ると同時にワクワクした気持ちで目を覚まして朝のメソッドを始める。20日間以上続けてきたおかげだ。

ただ、ここで自信過剰になって「20日間続けてきたのだから2、3日休んでも大丈夫」と考えてはいけない。習慣を強化して定着させるため、この期間は非常に大切だ。この段階で数日休んでしまうと、再開することはほとんど不可能になってしまう。

21〜30日は、飛躍的な効果を実感しはじめ、習慣を本当の意味で楽しめるようにするための定着期間であり、そうすることで、将来にわたって長く持続させられるのだ。新しい習慣を身につけようと思うときには、ぜひこの30日間の戦略を試してみてほしい。