逆に聞くけど、「AIに奪われない仕事」って何だと思う?
「人の感情・共感への配慮が不可欠」な仕事は
AIに奪われないと感じられている?
AIが仕事の一部を担うようになった今、「人にしかできない仕事」とは何か。効率化の波が押し寄せる一方で、“置き換えられない価値”について改めて考えさせられる場面が増えている。
AIのビジネス活用を学ぶコミュニティ「SHIFT AI」を運営しているSHIFT AIは、全国の中間管理職以上を対象に「AI時代に『奪われにくい』職種と、その理由」について調査を実施し、結果を10月27日に公表した。調査対象は、インターネット調査を通じて全国で中間管理職以上の会社員132名が回答。
その中で「最もAIに奪われにくいと感じる職種」をたずねたところ、1位が「法人営業(関係構築)」26.5%(35/132)、2位が「経営企画/戦略コンサル」15.2%(20/132)、3位が「新規事業開発/PM(プロジェクトマネージャー)」7.6%(10/132)という結果になった。
「なぜその職種がAIに奪われにくいと感じるか」という問いに対しては、「人の感情・共感への配慮が不可欠だから」が37.9%(50/132)で最多。
続いて「複雑な利害調整や信頼関係づくりが核だから」が28.8%(38/132)、「現場での判断や予想外の事態への対応が多いから」が24.2%(32/132)という回答だった。
職種ごとに「人が担う理由」をみると、法人営業では「人の感情・共感への配慮」が54.3%(19/35)、「利害調整・信頼関係づくり」が42.9%(15/35)と回答。
経営企画では「不確実性の高い意思決定・戦略判断」が35.0%(7/20)、「経験・暗黙知に基づく判断」が30.0%(6/20)といった比率となっている。
新規事業開発/PMでは「現場判断・予測不能な状況対応」「人の感情・共感への配慮」がそれぞれ40.0%(4/10)という結果だった。
人間特有の価値が高い職務に対して
「奪われにくい」との認識がある
また、「AIをサポート役(補助的に)として使うなら、どの作業で最も効果が高いと思うか」という質問では、「リサーチ・要約」が20.5%(27/132)で最多。続いて「文書・メールの下書き」が15.9%(21/132)、「記録・報告の自動化(議事録・レポート)」が14.4%(19/132)と続いている。
本調査から読み取れるのは、AI技術の進展が進む中で「感情・信頼・判断/不確実性」という、人間特有の価値が高い職務に対して「奪われにくい」との認識があるという点だろう。
法人営業、経営企画、新規事業といった職種が上位に入った背景には、AIでは代替しにくい「人ならでは」の関係構築・意思決定・現場判断があると捉えられている。
もっとも、本調査の調査対象が中間管理職以上という点や、回答数が132名という規模である点は、解釈において留意すべきポイントといえるかもしれない。
いずれにしても、各企業がAI導入を進める際には、「人が担うべき領域」と「AIが担う補助的作業」の役割を明確化することが、働き方改革や人材育成の観点でも重要になると考えられるだろう。