愛子さまの「ラオスメモ」は「かなりの枚数」 プリンセスフィーバーを支えた天皇陛下との「絆」 お顔を見合わせて「コクン」

 ラオスを公式訪問中の、天皇、皇后両陛下の長女、愛子さま。各地を訪れ伝統衣装で仏塔を訪れ、国家主席や政府高官らと面会や、国家副主席が主催する晩餐(ばんさん)会に出席。こうした重要な国家行事でも穏やかな笑顔を絶やさず、堂々と臨む姿は、現地でも歓迎された。愛子さまの「成功」を支えるのは、天皇陛下や皇后雅子さまとともに臨んだラオスへの学びと謙虚な姿勢。ご家族の絆が愛子さまを支える。

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 愛子さまは、ご自身の筆記用具で熱心にメモを取る。書き込んだ紙はかなりの枚数になっていた。そばに座る皇后雅子さまも、ご関心のある分野についての質問を、目の前の人物に問いかける。

 おふたりのそばに座る天皇陛下は、やはり同じようにメモを取る。それでも、終始ニコニコとした表情で、「あなた方、質問をどうぞ」といった様子で、愛子さまと雅子さまを見つめていたという。

 勉強熱心なことで知られる天皇ご一家。愛子さまが受けたラオス訪問前の「ご進講」の光景をそう振り返るのは、ラオスの近現代史を専門とする、東京外国語大学教授の菊池陽子さん。愛子さまのラオス公式訪問にあたり、専門家としてご進講を務めた人物だ。

 菊池さんが、天皇ご一家のお住まいである皇居・御所を訪れたのは、10月31日のこと。

 侍従に案内された菊池さんが御所の部屋に入ると、天皇陛下と皇后雅子さま、そして愛子さまが立って出迎えをしてくれたという。 

「当初は、愛子さまおひとりの予定でしたが、予定のすこし前になって、両陛下も一緒にと、宮内庁から連絡がありました」

 ご進講の時間は1時間。古代から近現代までラオスの歴史について、事前に準備した資料に沿って、駆け足で説明をした。

 というのも、ご一家は忙しい。陛下は、ご進講の前に駐日大使の信任状奉呈式と執務。ご進講を終えたのちは、ご一家で人事異動者の拝謁に臨んでいる。

 

 ご進講の場所は、お住まいの御所の一室だが、3方ともリラックスした服ではなく、スーツやセットアップといった、公務時の装いであったという。

 愛子さまや両陛下と菊池さんが詳しい質疑応答を交わす時間はない。そうしたなかでも愛子さまは、菊池さんとしっかりと目を合わせて、説明にうなずきながら「ご進講」を吸収する。愛子さまが取るメモの枚数は、どんどん増えていった。

「愛子さまが熱心に学ぶお姿を目にすると同時に、相手への気遣いを示してくださる方だと、感じました」(菊池さん)

 そうした愛子さまの熱心な学びへの姿勢は、ラオスの人びとへも、まっすぐに伝わった。

「ラオスの文化を尊重してくれてうれしい――」

 そんな声が現地では、次々と上がった。

 訪問2日目の18日、愛子さまは、ラオスの伝統衣装である巻きスカートの「シン」と、肩掛けの「パービアン」に着替え、同国で格式の高い45メートルもの黄金の仏塔「タートルアン」を訪問。その衣装のまま、トンルン国家主席やパーニー国家副主席やソーンサイ首相との面会などを経て、夜は国家副主席主催の晩さん会に、和装で出席した。

 ラオスの文化や習慣に敬意を払う愛子さまの姿は、現地の人びとに好意をもって迎えられた。

 こうした愛子さまの配慮は、もちろん事前の学びの賜物である。「ご進講」の際に、菊池さんは、愛子さまに仏教国での作法などを伝えている。

「ラオスで寺院に行く際は、ラオスの民族衣装である『シン』と呼ばれる巻きスカートもしくは、肌の露出の少ない衣服着用が望ましいこと。そして、ラオスでは挨拶の時に、手を胸の前で合わせる姿勢を取ることなどを、愛子さまにお伝えしました」

 黄金の仏塔「タートルアン」そのものについては、16世紀に建てられたことなど、歴史的な背景も合わせて、菊池さんは説明した。

このとき愛子さまから質問はなかったが、18日の晩餐会の「おことば」のなかで、仏塔について、

「誇りある歴史と人々の祈りの場の荘厳な雰囲気に心を打たれました」

 と、述べている。

 

 そして、ラオスの伝統儀式「バーシースークワン」で巻いた白い糸を着けたまま晩餐会に臨んだ。愛子さまは、やはり「おことば」のなかで、

「いま、私の手首に巻かれている白い糸には、変わらぬ友情や助け合いの心、旅の安全など様々な祈りがこめられていると伺います」

 と、ラオスで大切に受け継がれてきた儀式に触れる機会に恵まれたことへの感謝を伝えている。

 菊池さんは、愛子さまの晩餐会の「おことば」を聞き、表現のひとつひとつからラオスの文化と習慣への敬意が伝わるものだった、と振り返る。

「初の海外ご公務に臨むために、愛子さまがどれほどの準備をなさっていたのかが、よく伝わります」(菊池さん)

 ご一家の「ラオス勉強会」は、とてもアットホームな雰囲気だったようだ。

 陛下は、2012年に、皇太子としてラオスを訪問している。そのときのアルバムや資料をご覧になりながら、愛子さまや雅子さまとお話をなさっていたようだ。

 どこかホッとするような、空気に包まれるのが天皇ご一家だ。

「ラオスは、食事がとても美味しかったです」

 陛下が、ラオスの「もち米」について思い出を語ると、隣に座る愛子さまがすかさず、

「楽しみ」

 と、笑顔を見せる。雅子さまも、楽しそうにほほ笑んでいたという。

 和やかなムードではあったが、菊池さんは、愛子さまの反応やわずかな受け答えから、ご自身でも、すでにしっかりと勉強を積んでいることを感じたという。

 愛子さまは、陛下からもラオスについてたくさんのことを学ばれたのだろう。菊池さんの説明に対して、愛子さまと陛下は、時おりお顔を見合わせて、「あのことですね…」と確認するように、コクンとうなずき合っていたという。

 今回の愛子さまの公式訪問で、「ラオス」という国名はさかんに報道されてはいるが、多くの日本人にとっては、馴染みの薄い国のひとつではある。

「日本とラオスの外交関係樹立から70年の節目に、愛子さまがゆかれた意味は大きい。ぜひ、ふたつの国は、お互いに絆を深めていただきたいですね」(菊池さん)

(AERA 編集部・永井貴子)

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