【宮妃の気品】華子さま ティーローズの装いに宝石とビンテージバッグは「ロイヤルのお手本」 お洒落も夫婦げんかもロジカルに

 常陸宮さまが11月28日、90歳の卒寿を迎えた。ご高齢のため、外出を伴う公務は昨年春を最後に控えているが、いつも常陸宮さまに寄り添い続けているのが、今年85歳の誕生日を迎えた宮妃の華子さまだ。ご結婚当初からお洒落上手として知られた華子さま。和装はもちろん、洋装の優雅な着こなしからは、「ロイヤルのお手本」と評判の高い、宮妃の気品が伝わってくる。

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 お天気の良い日には、常陸宮さまと華子さま(85)は、ご一緒に、車いすで宮邸の庭を散策されている。

 おふたりの仲睦まじさは、誰もが知るところだ。

 常陸宮さまが70歳の古希を迎えるにあたり臨んだ記者会見で、「夫婦円満」の秘訣について、こう明かしている。

「ちょっと怒ったと申しましょうか」(華子さま)

 夫婦げんかが始まりかけた。すると常陸宮さまが、

「何で華子が怒っているか分からない」

 という。華子さまいわく、

「解説付きの生放送のように」、説明をしたが、それでも常陸宮さまは、華子さまが怒る理由がわからない。

「これは疲れるだけですので、(略)もう二度と夫婦げんかはしないと決めました」

 そう、説明した華子さま。そして次の言葉に、その場にいた報道陣も思わず笑顔になったという。

「夫婦げんかになるよりも、いつも宮様がにこにことしていただいた方が、よろしいのではないかと思いました」

 それから、20年が過ぎたいまも、おふたりのご様子は変わらない。

 常陸宮さまが名誉総裁や総裁、副総裁を務める団体は、14にものぼる。華子さまが、関連行事などに出席することもある。そうしたとき、常陸宮さまは、戻った華子さまから必ず報告を聞いているという。

 そして華子さまは、この夏に85歳の誕生日を迎えた。旧陸奥弘前藩主の津軽家出身の華子さまは、若い頃から和装を着こなし、洋装のセンスも抜群。チャーミングな笑顔で、人びとから愛されてきた妃殿下のひとりだ。

 

 今年の秋の園遊会において、女性皇族のドレスコードは洋装。僊錦閣(せんきんかく)跡の小高い丘から下りて懇談をされたのちに退席されたが、その凜としたたたずまいに、

「背筋をピンと伸ばされて、優雅で。華子さまのおきれいなこと」

 園遊会の出席者からも、ため息が漏れた。

 宮妃の気品――。華子さまを目にした人たちは、このようなことばを口にする。

 この日は、秋にふさわしいティーローズ色のアンサンブルに共布で仕立てたブルトン帽。名前の通り、薔薇に由来するやさしいグレイッシュピンクの色味。

 口紅は、洋服の布に馴染む、ローズ色をお選びであった。

「シックでエレガント。ご自身にふさわしい装いを、よくご存じの方です」

 そう話すのは、長年パリコレの取材を続けてきたファッション評論家の石原裕子さんだ

 ワンピースに共布のロングジャケットやコートの装いは、英国のエリザベス女王もおなじみのアイコンである。女王は、国民や警備に配慮して目立つ色の服を選んでいた。

 一方で、ここ数年の華子さまは、落ち着いた色合いをお召しになっている。それでも目を奪われるような気品をまとう空気。ロイヤルのお手本のような魅力と存在感が華子さまだ。

 

 華子さまファンにとっては、優美なデザインの帽子も楽しみのひとつ。

 オーガンディ生地でふんわりと咲く薔薇のような花飾り。リボンなどの装飾を重ねず、淡い紅茶色とティーローズの紅色の二色で仕立てた「つば」のデザインは、シンプルながら優美そのもの――。

「つばと帽子全体がふんわりと膨らんでいるのは、生地の目に対して斜めに裁断したバイヤス仕立てとなっているためでしょう」(石原さん)

 

 誰もが圧倒される気品。それを支えるのが、細部まで緻密に計算された着こなしにある、と話す。

 一見シンプルなロング丈のジャケット。ノーカラーでV字にカットされた襟元からのぞくのは、ぴったりと首に添う2連の真珠のネックレス。粒の大きさ、長さともに完璧なバランスであった、と石原さんは、振り返る。

「華子さまがお持ちだったのは、黒のエナメル・バッグは、おそらく仏ブランドのJean-Louis Foures(ジャン・ルイ・シェレル)のビンテージ・バッグではないでしょうか」

 7月のナイチンゲール記章授与式では、白のヒールとチュールレースを重ねた白の帽子がエレガントであった。

 

 秋の園遊会では、バッグとヒールともに同じ黒のエナメル素材を用いたコーディネイト。 

 石原さんが感心するのは、小物とジュエリー使いの絶妙なバランス感覚である。

 愛用される真珠や貴石と細工が見事な指輪。しかし、左右どちらの手を飾るかは、その日のコーディネイトによって、お考えになっているご様子。

 園遊会の日は、ボタニカル柄の杖を持つ右手には、真珠の指輪。そしてエナメル・バッグを持つ左手には、鞄の金具に光るラインストーンに合わせた貴石の指輪――。

 お洒落もご夫妻のけんかも、筋道を立てロジカルにお考えになる。それが、華子さま流なのかもしれない。

 (AERA 編集部・永井貴子)

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