トランプ政権による圧力で大ピンチのベネズエラ:コロンビアがマドゥロ大統領の亡命受け入れを示唆

トランプ政権による圧力で大ピンチのベネズエラ:コロンビアがマドゥロ大統領の亡命受け入れを示唆
米トランプ政権による圧力にさらされ、大ピンチに陥るベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領。政権移行の中で他国へ亡命するという選択肢はもはや単なる可能性ではなく、地域的な議論へと発展している。CNN放送によれば、ベネズエラと米国の緊張が高まりを見せる中、隣国コロンビアのペトロ政権がマドゥロ大統領の亡命先として名乗りを挙げたというのだ。
なお、マドゥロ大統領のコロンビア亡命案に言及したのはペトロ大統領本人ではなく、同国のロサ・ヨランダ・ビリャビセンシオ外相だった。同外相はコロンビアメディアによるインタビューの中で、「交渉が必要です。もし米国が(ベネズエラに)政権交代を要求するなら、それ(マドゥロ大統領の亡命)も考慮されるべきでしょう。彼が他国での暮らしや保護を求めるのであれば、コロンビアが拒否する理由はありません」と発言。

ただし、このコメントはマドゥロ政権に対するイデオロギー的支持というより、一帯における軍事的緊張の拡大を避けるための現実主義的な対策といった面が強い。
ベネズエラにおける「民主的な革命」?
ビリャビセンシオ外相による発言の前日、ペトロ大統領もX上でベネズエラ政府に対してシグナルを発していた。ベネズエラには「民主的革命」が必要だとして「暫定政権」の樹立を求めたのだ。この主張からは米国による圧力に抗しきれないという認識とともに、隣国での軍事的衝突は避けたいという思惑が透けて見える。

米国とコロンビアの関係が依然として戦略的に重要であることに変わりはない。しかし、いまや両国は「緊張状態」にあるとという見方が広まっている。関税戦争や移民政策をめぐる対立、さらに麻薬取引をめぐる不信感が20年あまりにわたって一帯の安全保障に寄与してきた両国の協力体制を損ないつつあるのだ。
ペトロ大統領いわく:「外部からの攻撃に対抗するためには臨戦態勢だけでなく、民主的な革命が必要であることをマドゥロ政権は理解しなくてはなりません。国家を守るのはさらなる民主主義であり、非効率な弾圧ではありません」さらに、別の投稿では「あらゆる人々に対する恩赦と暫定政権の設置」を求めるとした。
マドゥロ大統領退陣のシナリオ
一方、米国のトランプ政権は数ヵ月前から数千人規模の兵力と空母打撃群をカリブ海に展開し、マドゥロ政権に対する圧力をかけ続けている。CNN放送によれば、トランプ政権は政権交代のシナリオを検討し始めているようだ。その計画には、マドゥロ大統領による自発的な退陣やそれによって生じた権力の空白を埋める方法、ベネズエラ国内の標的に対する米軍による攻撃といった、複数の課題が含まれるとのこと。
そんな中、トランプ大統領は11月末にマドゥロ大統領と電話会談を行った。ホワイトハウスの高官によれば、トランプ氏はマドゥロ大統領に対して「国を離れる方が賢明だ」と示唆し、「麻薬密輸船を破壊し続ける」と警告したというが、これは事実上の最後通告だった。

ドナルド・トランプ米大統領がちらつかせてきた対ベネズエラ強硬策が現実のものとなった。同大統領は麻薬密輸の疑いがある船舶への攻撃拡大を示唆した上、ベネズエラ上空の空域閉鎖を命じたのだ。この措置により、以前から険悪ムードだった米国とベネズエラは一触即発の状態になりつつある。
一方、マドゥロ氏はこの会話について「礼儀正しく、穏やかなものだった」としたが、詳細については明かしていない。いわく:「この電話会談が互いの国家を尊重し、対話に向けた一歩であるなら…… 対話を歓迎します」CNN放送が伝えている。
米国が軍事力を振りかざしてベネズエラに政権交代を求める中、コロンビアの存在が一帯の安定をかろうじて保つための地政学的なカギとして浮かび上がりつつある。軍事衝突のリスクやマドゥロ大統領の亡命、政権交代の可能性をめぐって、カリブ海地域はターニングポイントを迎えているのだ。