一緒に飛んでいるような感覚! ヤマハのスーパースポーツモデル「YZF-R9」の魅力に迫る! ~高梨はづきのきおくきろく。~

低身長ライダーにとって、走る前がいちばんの壁?

 皆さんこんにちは、バイク女子の高梨はづきです!

 本日の「きおくきろく。」は、2025年10月に発売されたばかりの、ヤマハのスポーツバイク「YZF-R9」をお届けしていくよー!

【画像】「思っていたより遠くない存在」!! バイク女子の高梨はづきさんとヤマハ「YZF-R9」を画像で見る(12枚)

 2025年のモーターサイクルショーでお披露目された「YZF-R9」を見て、低空走行? 低空飛行? そんな言葉がふっと浮かぶくらい、地面に吸い付くような雰囲気をまとったスポーツバイクだなぁ、というのが最初の印象だった。

 フロントサイドにはガッツリとしたウイングレット。いかにも速そうなのに、よく見るとどこかウミウシみたいな可愛らしさも感じる不思議な造形。

 あのときはまだお披露目の段階だったんだけど、この子、気になるなぁと強く印象に残っていた。そして今回、ついに乗ることができて、素直に嬉しい!

ヤマハの新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」と、バイク女子の高梨はづきさん

ヤマハの新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」と、バイク女子の高梨はづきさん

 色々説明する前に、ひとつ伝えておきたいことがある。「YZF-R9」は2025年10月30日に発売されたんだけど、発売日を迎える前に国内受注枠が埋まり、受注開始直後に完売状態となった大人気モデル。

 国内は300台のみという限られた枠で、その希少性も相まって、バイク好きの欲しい気持ちを一気に刺激した結果だと思う。

 ただ、突然人気が出たモデルではない。かつての「YZF-R6」が姿を消してから数年分、行き場を失っていたスポーツライダーの需要が、受注開始と同時に一気に噴き出した。

 SS(スーパースポーツ)が欲しいけど1000ccクラスはいらない人、そして3気筒というエンジンに安心感を感じる人。そういう層が自然と引き寄せられたんだと思う。

 ヤマハの「YZF-R」シリーズを振り返ると、「R1」を頂点に、「R7」、「R3」や「R25」、「R15」、「R125」と幅広くラインナップされてきた中で、「R6」が実質的に役目を終え、今回「R9」という新世代スポーツの中核が加わった。

 立ち位置としては、「R1」より扱いやすく、「R7」よりスポーティ。新しいスーパースポーツ枠のモデルとして初めて投入された存在なんだ。

 では、またがってみるよ!

 見た目からして分かってはいたけれど、またがった瞬間、正直「やっぱり高いな」と思った。

またがった状態でサイドスタンドを払うことが出来ず、逆に出すこともできなくて悔しい思いをする、バイク女子の高梨はづきさん

またがった状態でサイドスタンドを払うことが出来ず、逆に出すこともできなくて悔しい思いをする、バイク女子の高梨はづきさん

 シート高830mmは、身長158cmの私だと片足のつま先がちょこんと触れる程度。両足はもちろん無理で、もし自分のバイクとして乗るなら、ここは調整や工夫の余地がありそうだなという印象。

 車重195kgと聞くと重すぎないはずなのに、足が地面に届ききらないだけで、バイクは一気に大きな塊になる。タンクからフロントにかけての迫力も相まって、またがったまま一瞬だけ緊張が走った。

 いつも通り、またがってからサイドスタンドを払おうとしたんだけど、ここで問題発生。

 車体を起こすことはできたものの、お尻をずらして右足を地面について、左足でスタンドを払おうとすると足が届かない……。

 低身長という現実をここで突きつけられた気がして、ちょっと悔しかった。

 結局、バイクのニュース編集部のスタッフに払ってもらったんだけど、低身長ライダーにとって、走る前がいちばんの壁なんだなと改めて思った。

 そして、走り出す。久しぶりのスポーツモデル。

 緊張しながらクラッチをつなぎ、アクセルを開けると、最初は自分のビビりがそのまま伝わったみたいに、グワーングワーンとぎこちない動きになってしまった。

ヤマハの新しいスーパースポーツモデル「YZF-R9」に乗る、バイク女子の高梨はづきさん

ヤマハの新しいスーパースポーツモデル「YZF-R9」に乗る、バイク女子の高梨はづきさん

 でも次の瞬間、スーッと力が抜けるように前へ進み出した。重さも高さも、さっきまでの不安も、走り出した瞬間にふっと遠ざかっていく。

 例えるなら、乾いた喉に冷たいドリンクを流し込んだときのあの感覚。前傾姿勢は確かにキツめなはずなのに、不思議とつらくない。視界いっぱいに景色が広がって、自分がバイクに乗っているというより、一緒に飛んでいるような感覚に近かった。

 今回は街中から緩やかなカーブが続く道を中心に走らせてもらったんだけど、その範囲でも扱いやすさはしっかり伝わってきた。峠道を走るのが好きな人には、かなりワクワクする1台だと思う。

 搭載されるエンジンは排気量888ccの直列3気筒「CP3」エンジンを採用。最高出力は約120PS、最大トルクは93Nmで、ネイキッドモデルの「MT-09」をベースにスーパースポーツ仕様に仕立てて専用チューンが施されている。

 これまで乗ってきたネイキッドやツアラー系と比べても、スポーツモデル特有の構えを強要されないのが印象的だった。アクセルを開けたときのスーッと伸びる感覚や、トルクの出方が穏やかで、乗り手の負担を減らしてくれているのがよく分かる。

 コーナー進入も思うがままに調整できて、減速も加速も自分の意思がそのまま伝わる感覚。

 立ち上がりも怖くなく、路面の情報がしっかり手元に返ってくる。気づけば、自分がバイクになったみたい。そんな錯覚を覚えるほどの一体感があった。

身長158cmの高梨はづきさんが、シート高830mmの「YZF-R7」にまたがった状態

身長158cmの高梨はづきさんが、シート高830mmの「YZF-R7」にまたがった状態

 走りながら思ったのは、「YZF-R9」はデキル人のためのスーパースポーツではなく、スポーツに踏み出す人を拒まない作りになっているということ。

「R6」が姿を消し、「R1」は尖り、「R7」は現実的すぎると言われてきた中で、ヤマハはシリーズの空白に、速さよりも続けて乗れることを置いたんじゃないかなぁと思っている。

 フレームはスーパースポーツ用に専用設計された軽量アルミフレームで、重量は単体で約9.7kg。

 外装は空力を重視したデザインで、ウイングレットによる高速域の安定感にも貢献している。

 電子制御も、バイクの動きをリアルタイムで感知する6軸IMUを中心に、走りをさりげなく支えてくれる現代的な装備がしっかり整っている。

 少なくとも今回の試乗では、「YZF-R9」はスポーツバイクに憧れはあるけど、本気すぎるのはちょっと……という方に、思っていたより遠くない存在だと感じさせてくれたよ。

 ということで本日はここまで! 次は年末にお届けするのでお楽しみに。

 では、またお会いしましょ〜♪