貴重な防空システム「パーンツィリ-S1」の約半数をうしなったロシア軍

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貴重な防空システム「パーンツィリ-S1」の約半数をうしなったロシア軍

防空システム「パーンツィリ-S1」を相次いで失うロシア軍

2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が勃発して以来、ウクライナ軍はロシア軍の高価な装備品を数多く撃破してきた。ロシア軍が運用する主要システムおよび車両は数十万点が戦闘不能に陥ったという見方もあるほどだ。なかでも、深刻な損害を出しているのが防空システム「パーンツィリ-S1」だ。

ウクライナの戦場で防空システムは極めて重要な意味をもっている。偵察用ドローンや攻撃用ドローンが戦場における新たな脅威として猛威を振るう中、「パーンツィリ-S1」のような防空システムは両陣営にとって必要不可欠な存在になっているのだ。

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「パーンツィリ-S1」とは?

NATOのコードネームで「SA-22 グレイハウンド」と呼ばれることもあるロシア製防空システム「パーンツィリ-S1」。軍事ニュースサイト「Army Recognition」いわく、本来は主要な軍事拠点や工業地帯、陸軍部隊の駐屯地などを空爆から守るための中距離防空システムとして設計されたものだ。

そのため、「パーンツィリ-S1」のターゲットとしてもともと想定されていたのは低高度および超低高度を飛行する敵の精密誘導兵器であり、巡航ミサイルや航空機を撃墜するのに適している。しかし、最近では対ドローン兵器という新たな用途が見出され、ウクライナの戦場ではむしろこちらの役割で成果を挙げているという報告もある。

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強力な防空システム

前出の「Army Recognition」いわく:「モバイル式パーンツィリ-S1システムは戦闘車両(1基あたり最大6両)、地対空誘導ミサイル、30ミリメートル口径弾、輸送用車両(戦闘車両2両につき1両)、メンテナンス・訓練用設備からなる」とのこと。

ウクライナ軍は以前から、この防空システムを発見するたびに狙い撃ちを繰り返してきた。

例えば、ウクライナの軍事ニュースサイト「Militarnyi」が10月29日に報じたところによれば、ウクライナ保安庁がロシア軍の占領下にあるクリミア半島で実施したドローン攻撃によって、ロシア側は「パーンツィリ-S1」を含む多数の装備品を失ったと見られている。

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ロシア軍にとって高コストだが不可欠

ウクライナの情報筋はウクルインフォルム通信に対し、「ロシア軍はおよそ2,000万ドル相当の地対空ミサイルシステム『パーンツィリ』を失った。この兵器はロシアの防空網を構成する主要部だ」と解説。クリミア半島において、ロシア軍の防空網が弱体化したという見解を示した。

一方、ウクライナ保安庁のヴァシーリー・マリューク長官はゼレンスキー大統領との共同記者会見の中で、ウクライナ軍がロシア軍の保有する「パーンツィリ-S1」のおよそ半数を撃破したと述べ、残りの半分も排除することが今後の焦点になるとした。

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撃破された「パーンツィリ-S1」は48%

『ウクライナ・プラウダ』紙によれば、マリューク長官は「たしかに、敵は非常に強力な防空体制を敷いています。なかでも、『パーンツィリ』はウクライナの長距離ドローンに対してもっとも効果的です。しかし、ウクライナ軍は2025年初頭から現在までの間に、敵の『パーンツィリ』を48%撃破しました。ウクライナ軍にとって、これが現時点での最優先目標なのです」と発言。さらに、ロシアは「パーンツィリ-S1」を年間およそ30基しか製造できないとした。

ただし、これらの主張は第三者による裏付けがなされているわけではない。一方、画像や映像から両陣営の損害を集計するオランダのオープンソースインテリジェンス「Oryx」もロシア軍の「パーンツィリ-S1」に関して独自のデータを示している。

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ウクライナ軍のドローンはロシア軍基地の格納庫(写真)のほか、倉庫や車両に攻撃を加えたとされる。さらに、地対空ミサイル「パーンツィリ-S1」がダメージを受けたという情報もある。

画像:Telegram @dosye_shpiona

第三者のデータが示すもの

「Oryx」によれば、ロシア軍は11月2日までに「パーンツィリ-S1」を35基失ったことが確認されているという。しかし、映像や画像から損害を集計するというプロセスの性質上、実際の損害はこの数字をはるかに上回ると見られており、マリューク長官の主張が誇張ではない可能性もある。ただし、ロシアは自国が失った装備品の数量に関するデータを公表していないため、「パーンツィリ」損失の実態が明らかになることはないかもしれない。

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