ウクライナ大統領、トランプ政権の和平案退ける

22日、記者会見を終えたウクライナのゼレンスキー大統領

【キーウ(ウクライナ)】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は22日、停戦合意の一環として米政府がロシアによるクリミア半島併合を承認するという米国側の提案を退けた。ドナルド・トランプ大統領が目指すウクライナ戦争の早期終結への取り組みに疑問を投げかける動きだ。

ゼレンスキー氏は記者会見で「ウクライナはクリミア占領を法的に認めることはない」と断じた。「(クリミア半島について)話し合うべきことは何もない。わが国の憲法に反する」と述べた。

ゼレンスキー氏が米国側の提案を拒否したことは、ウクライナ戦争終結を目指すトランプ氏の戦略の大きな後退を意味し、ウクライナと米国の将来の関係に新たな不確実性をもたらす。

米当局者らは先週、クリミア併合に関する提案を含む戦争終結案をウクライナ当局者に提示。ロンドンでは23日、ウクライナ、米国、欧州の当局者による高官会議が開かれる予定で、ウクライナ側の回答に注目が集まっていた。

ゼレンスキー氏は、ロシアはさらなる協議の前に停戦に合意すべきだとし、「子どもじみた姿勢ではなく、真剣な対応」を示すべきだと指摘。その上で、ロンドンでの23日の会合で欧米当局者と協議するウクライナ当局者は、部分的または完全な停戦について議論する権限を有すと述べた。部分的な一時停戦を巡っては、ウクライナが3月に同意の意向を示したが、ロシア政府は拒否していた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、30時間にわたる「イースター(復活祭)停戦」を一方的に宣言していた。だがゼレンスキー氏は、ロシアは攻撃を中断しなかったと主張している。

ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は、スティーブ・ウィットコフ特使が今週中にロシアを訪れ、ウクライナ戦争終結に向けた協議を続ける予定だと述べた。