「政治とカネ」が火種、自民分裂となった埼玉8区 「気を抜いた方が負ける」三つどもえの激戦に

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2月8日に投開票される衆院選で、注目の戦いが繰り広げられている選挙区を紹介する。
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◆公示直前、前職2人に割って入り
「残念ながら、この8区で裏金の問題が起きてしまった。税金を集める側がお金をきれいにしなくては、政治なんかできない」。無所属新人の元自民県議、岡田静佳さんは1月31日、埼玉県所沢市内でマイクを握ると、矛先を身内に向けた。
岡田さんが出馬を公表したのは公示が目前に迫る同24日だった。前回は自民の柴山昌彦さんが自身の派閥裏金問題の逆風をしのぎ、8選。中道の市来伴子さんは比例復活で初めて議席を得た(当時は立民)。今回、この2人の争いに割って入る形で名乗りを上げた。
◇衆院埼玉8区(所沢・ふじみ野市、三芳町)立候補者
市来伴子 48 中〈前〉〈1〉《比》
柴山昌彦 60 自前〈8〉《比》維
岡田静佳 52 無新
◆支援者は「政治とカネの問題で頭にきた」
岡田さんは街頭演説で、自民党の公募に応じて隣の9区からの出馬を模索したものの、党本部の意向で公募自体が取りやめになったと主張。保守分裂との見方をけん制し、「比例で自民と書いていただければ、(比例重複立候補の柴山さんと)2議席を取れる」と自身への支持を求めた。

与野党の幹部が相次いで応援に入る8区。多くの聴衆がスマートフォンで演説を撮影していた=所沢市で
選挙戦を担うのは所沢市議、県議時代からの支援者たちだ。柴山さん、岡田さんを長年支援してきたという会社経営の男性は取材に「政治とカネの問題で頭にきた。柴山をやるつもりはない」と言い切った。
前回選の柴山さんと市来さんの差は約1万6000票。2023年の県議選西1区(所沢市)で約3万3000票を得た岡田さんの参戦に、柴山さん陣営は危機感を強める。組織の引き締めを図り、維新の推薦も得た。
◆「高市人気」を背景に
柴山さんは今月2日、ふじみ野市内に小林鷹之党政調会長を招いて街頭演説。「大変厳しい状況だ。保守が割れ、公明党も残念ながら私を応援する立場にない。なんとしても支援を」と険しい表情を見せた。

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昨年秋の自民党総裁選では、高市早苗首相への支持を公言。「高市人気」を背景に、各地の演説では党政調会長代理として政策面で政権を支える姿勢を強調する。3日には高市首相が西武線所沢駅前で応援に立ち、「信念を貫く、がんこな男。政策にこだわりを持ち、いつも困った時に助けてくれる」と持ち上げた。
一方、市来さん陣営は、保守分裂の構図を好機とみて攻勢をかける。立民出身の市来さんにとって、今回は公明が自陣に加わり、前回8区で約2万票を得た共産が候補を立てなかったことも追い風となる。
◆立民系、公明系の幹部も続々と
1月29日、所沢市内で市来さんが「政治とカネに決着をつける選挙だ」と語ると、聴衆から「そうだ」と拍手が起きた。隣に並んだのは地元在住の西田実仁公明党幹事長。市来さんは政治資金の規制強化や平和外交を訴え、公明支持層へのアピールを忘れなかった。
中道は序盤から立民系、公明系それぞれの幹部を続々と応援に投入。1月31日には野田佳彦共同代表が所沢市で「8区は激戦。政策万能、実行できる人材が市来さん」と支援を求めた。
市来さんは最終盤まで柴山さんとの接戦が続くと見込み、「向こうの陣営も必死。最後に気を抜いた方が負ける」と自戒を込める。(杉浦正至、加藤木信夫)

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