2026年冬ドラマ23作、“視聴率無視”でガチ採点「心にしみる感動作」「巧みな脚色」「“見やすさ重視”にくさび」
- 『ヤンドク!』 月曜21時~ フジ系
- 『夫に間違いありません』 月曜22時~ カンテレ・フジ系
- 『替え玉ブラヴォー!』 月~木曜22時45分~ NHK総合
- 『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』 月曜23時6分~ テレ東
- 『再会~Silent Truth~』 火曜21時~ テレ朝系
- 『東京P.D. 警視庁広報2係』 火曜21時~ フジ系
- 『テミスの不確かな法廷』 火曜22時~ NHK総合
- 『未来のムスコ』 火曜22時~ TBS系
- 『終のひと』 火曜24時58分~ TBS系
- 『冬のなんかさ、春のなんかね』 水曜22時~ 日テレ系
- 『ラムネモンキー』 水曜22時~ フジ系
- 『おコメの女―国税局資料調査課・雑国室―』 木曜21時~ テレ朝系
- 『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』 木曜22時~ フジ系
- 『身代金は誘拐です』 木曜23時59分~ 読テレ・日テレ系
- 『元科捜研の主婦』 金曜21時~ テレ東系
- 『探偵さん、リュック開いてますよ』 金曜23時15分~ テレ朝系
- 『パンダより恋が苦手な私たち』 土曜21時~ 日テレ系
- 『ぜんぶ、あなたのためだから』 土曜23時~ テレ朝系
- 『横浜ネイバーズ Season1』 土曜23時40分~ 東海テレビ・フジ系
- 『リブート』 日曜21時~ TBS系
- 『50分間の恋人』 日曜22時15分~ ABC・テレ朝系
- 『パンチドランク・ウーマン―脱獄まであと××日―』 日曜22時30分~ 日テレ系
●1話完結ではなく2話完結で1つのテーマを描く
主要23作がそろった2026年冬ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、主要新作の初回放送をウォッチし、俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視」したガチンコでオススメ作品を探っていく。
【見逃し厳禁】年末年始“一気見”おすすめドラマベスト10 2025年の“埋もれた良作”を厳選
別記事(「近年でも最高水準」「さすがの完成度」「刑事ドラマに一石」2026年冬ドラマのオススメ5作は? ドラマ解説者が23作の傾向を徹底分析) において2026年冬ドラマの主な傾向を【[1]「オリジナルで真っ向勝負」の背景 [2]「嘘」が渦巻く物語が続出】の2つと解説。
おすすめドラマとして、『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジ系 火曜21時)、『終のひと』(TBS系 火曜24時58分)、『リブート』(TBS系 日曜21時)、『ラムネモンキー』(フジ系 水曜22時)、『再会~Silent Truth~』(テレ朝系 火曜21時)の5作を選んだ。
本記事では、それらを含む主要22作のレビューと目安の採点(3点満点)を挙げていく。
『ヤンドク!』 月曜21時~ フジ系
出演者:橋本環奈、向井理、宮世琉弥ほか
寸評:“元ヤンキーの医者”という設定が「実話ベースなのに漫画原作ではないか」と誤解されがちなのが誤算か。医者になったきっかけやカテーテルとの二刀流など忠実な作品なのにもったいない感がある。橋本にヤンキーの役は過去作が思い浮かぶだけに、より大きな演技を求めている感があり、視聴者を選んでしまうほどの過剰さが気がかり。手術シーンのアニメ化は脳神経外科であることを踏まえれば妥当か。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

橋本環奈
橋本環奈
『夫に間違いありません』 月曜22時~ カンテレ・フジ系
出演者:松下奈緒、桜井ユキ、安田顕ほか
寸評:実在の出来事をベースにした物語であり、「遺体の人違いによって、死んだはずの夫が帰ってきた」という第1話は見事。ただ、保険金詐欺、殺人、政治家汚職と、入口のテーマを離れて単にダメな人間たちのドラマになりつつある。「嘘をつき通せるのか」というテーマがブレるほどの大罪が続いたからか、逆にサスペンスは薄れてしまった。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

松下奈緒
松下奈緒
『替え玉ブラヴォー!』 月~木曜22時45分~ NHK総合
出演者:北香那、天野はな、駒木根葵汰ほか
寸評:クラシックバレエとラーメンをモチーフにしつつ描きたいのは女の友情。仕事と恋でつまずき、親友から絶交された主人公の徹底した痛々しさに引きつけられる。勝ち気でデリカシーがなく空回りし続けるタイプの主人公は珍しい一方、牛歩のような成長を重ねる様子は帯ドラマらしい。フレッシュなキャストだけに5週で終わらせず続編も期待。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

北香那
北香那
『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』 月曜23時6分~ テレ東
出演者:赤楚衛二、カン・へウォン、ムン・ジフほか
寸評:このところ日韓の俳優を起用したラブストーリーが増えているが、ピュアさではトップクラス。良くも悪くも、まじめでさわやかな2人の恋を応援せずにはいられないムードが漂っている。となれば重要なのは2人を隔てる“障壁”だが、文化や価値観の違いだけでは盛り上がりに欠けそう。カン・へウォンは多くの日本人にとって新鮮なヒロインだけに、彼女をどう魅力的に見せるかが成否の鍵を握る。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

赤楚衛二
赤楚衛二
『再会~Silent Truth~』 火曜21時~ テレ朝系
出演者:竹内涼真、井上真央、瀬戸康史ほか
寸評:「タイムカプセルをめぐって過去と現在を行き来する物語」は定番化しているが、「拳銃を隠した」という刺激的な設定でサスペンス感はアップ。原作小説からミステリーを深め、主人公を魅力的な人物にするなど連ドラ仕様の巧みな脚色が見られる。バディも性別を変えて江口のりこを起用するなどプロデュースの精度が高い。ただ、序盤は物語の進展がスローで、事件の衝撃が薄れはじめているのが気がかり。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

竹内涼真
竹内涼真
『東京P.D. 警視庁広報2係』 火曜21時~ フジ系
出演者:福士蒼汰、吉川愛、緒形直人ほか
寸評:笑いを排除した社会派ドキュメントのムードを漂わせながら、しっかりエンタメ作としての起伏を盛り込むなどバランスは上々。同枠で放送された『ストロベリーナイト』『絶対零度』『ジョーカー』のような怖さがありながら、それが犯人ではなく警察やメディアであるところがむしろ恐ろしい。隠蔽の闇、実名報道の功罪など、各話のテーマ設定もストレートで見応え十分。1話完結ではなく2話完結で1つのテーマをしっかり掘り下げている。刑事ドラマにおける「見やすさ重視」「解決ありき」の安易な1話完結にくさびを打つという点でも貴重。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

福士蒼汰
福士蒼汰
『テミスの不確かな法廷』 火曜22時~ NHK総合
出演者:松山ケンイチ、鳴海唯、恒松祐里ほか
寸評:発達障害を抱える裁判官は魅力たっぷり。生きづらさを抱えながらも、まっすぐに事件と向き合い、率直かつ誠実であり続けようとする姿に「理想の裁判官」を見る人は多いだろう。障害に由来した自信のなさと、「わからないことがわからないと、わからないことがわからない」と言い切れる力強さが同居した唯一無二の主人公を松山が好演している。弁護士役を演じる鳴海とのやり取りも含め、AIなどで表面的な効率を求めがちな現状へのカウンターを感じる作品。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

松山ケンイチ 撮影:蔦野裕
松山ケンイチ 撮影:蔦野裕
『未来のムスコ』 火曜22時~ TBS系
出演者:志田未来、塩野瑛久、小瀧望ほか
寸評:入口は「子どものタイムスリップ」というライトファンタジーであり、さらに「主人公の夫・まーくんは誰なのか」をめぐるライトミステリーを加えたわかりやすさ重視の作品。「ヒロインのパートナーをめぐる3人の男」という設定は生見愛瑠主演の『くるり~誰が私と恋をした?~』に似ている。ただし、恋よりも突然の子育てに奮闘する物語は志田にフィット。軽いコンセプトのため没入感こそ少ないが、ほどよく共感を誘う『火曜ドラマ』に最適な作品に見える。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

志田未来 撮影:河鰭悠太郎
志田未来 撮影:河鰭悠太郎
●わかりやすさと深さを兼ね備えた名作
『終のひと』 火曜24時58分~ TBS系
出演者:柿澤勇人、西山潤、筒井真理子ほか
寸評:死を扱うドラマは珍しくないが、わかりやすさと深さを兼ね備えた名作のムードが漂う。前期の『終幕のロンド』は遺品整理に他の要素を加えすぎて迷走したが、こちらは葬儀に徹したことで静かな感動作に。コロナ禍を経て厳しさを増す葬儀業界の現状が描かれ、骨噛み、DIY葬、生活保護で孤独死、ラブドール葬などの各エピソードも絶妙。コワモテだが慈悲深い主人公の言動が心にしみる。視聴者の少ない深夜帯ではなく、TBSなら『金曜ドラマ』あたりで放送してほしかった。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

柿澤勇人
柿澤勇人
『冬のなんかさ、春のなんかね』 水曜22時~ 日テレ系
出演者:杉咲花、成田凌、岡山天音ほか
寸評:プライム帯では見たことのないほど徹底した会話劇であり、しかもテーマはほぼ恋のみ。「大切な人とはつき合わないほうがいい」と距離を置く主人公に共感できるか。それとも自分の感情を優先させて他人を傷つける言動に嫌悪感を抱くか。よほどセンシティブな視聴者以外は主人公の生きづらさを感じづらい物語に見えてしまう。今泉力哉監督ならではの作品だが、他局よりマーケティングにシビアな日テレがこれほどリアルタイムで見る必然性の低い作品を選んだことに驚かされる。ただ、悪役を一手に引き受ける杉咲花の振る舞いは見事。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆】

杉咲花
杉咲花
『ラムネモンキー』 水曜22時~ フジ系
出演者:反町隆史、大森南朋、津田健次郎ほか
寸評:最大の焦点は8年ぶりに民放連ドラを手がける古沢良太の脚本。現在と過去を行き来する物語はドラマシーンのトレンドだが、当作は中二病の気恥ずかしさと、約37年の時を経た現実の厳しさをポップに交錯させている。描かれているのは「どちらの時代も簡単ではなく、年を取ると失ってしまうものはあるけど、それでも素晴らしい」という人生賛歌。しかし、古沢自身の時代と舞台を描いた作品だけにカルチャーなどの小ネタを詰め込みすぎて視聴者を限定した感がある。その点は前期同枠で三谷幸喜が描いた80年代の演劇と同じかもしれない。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

反町隆史
反町隆史
『おコメの女―国税局資料調査課・雑国室―』 木曜21時~ テレ朝系
出演者:松嶋菜々子、佐野勇斗、長濱ねるほか
寸評:主演に松嶋を立てた勧善懲悪の世界観は「お仕事モノの王道」というムードが漂うが、平成時代の定番であり、20年前に戻ったかのような印象も。脱税者を「バカ者」と言い切り、自ら最前線で調査する主人公は痛快であり、個性豊かなメンバーのチーム戦というエンタメ要素もある。悪役が小物で、調査方法がアナログなのにあっさり解決などの物足りなさをどう見るか。山根基世のナレーションにもけれんみ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

松嶋菜々子
松嶋菜々子
『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』 木曜22時~ フジ系
出演者:玉木宏、岡崎紗絵、渡部篤郎ほか
寸評:「保険金絡みの事件・事故を調べ、詐欺疑惑の真相を追う」はありそうでなかったコンセプト。メジャーリーガーのホームランボール保険、超高額の誘拐保険、いじめ保険、ムービー保険などのエピソード選びは興味深く、「今週はどんな保険がフィーチャーされるのか」という楽しみがある。ある意味、探偵よりも探偵らしく、警察よりも事件・事故の解決力があるヒーローもの。ただ、お仕事モノは中高年層メインになる上に、『おコメの女』と2時間連続で並んだのは不運か。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

玉木宏
玉木宏
『身代金は誘拐です』 木曜23時59分~ 読テレ・日テレ系
出演者:勝地涼、瀧本美織、桐山照史ほか
寸評:「ノンストップ考察ミステリー」と掲げた読売テレビらしい作品であり、“誘拐被害家族の誘拐”という切り口は斬新。主人公夫婦は被害者であるだけでなく、加害者になったことでサスペンスの要素が濃くなった。5億円の受け取り要求、8年前の誘拐事件が発覚、容疑者の殺人事件などの追い込まれる展開で畳みかけたせいか、肝心の子ども誘拐が薄れてしまった感もある。序盤で怪しい人物はすでに絞られたか。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

勝地涼 撮影:泉山美代子
勝地涼 撮影:泉山美代子
『元科捜研の主婦』 金曜21時~ テレ東系
出演者:松本まりか、横山裕、佐藤大空ほか
寸評:「元科捜研のスーパー主婦が難事件に挑む」というありそうでなかった刑事事件ドラマ。「家事・育児に奮闘する主婦が新米刑事の夫を支え、さらに息子も捜査に協力する」という家族総出のホームドラマ感が何ともほほえましい。テレ東と講談社の共同開発という新プロジェクトだけに、ネット配信なども合わせた収益性も気になるところ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

松本まりか
松本まりか
『DREAM STAGE』 金曜22時~ TBS系
出演者:中村倫也、池田エライザ、NAZEほか
寸評:「日本ドラマの世界進出を目指して3年越しの大規模プロジェクト始動!」と掲げたが、選んだ舞台はK-POP。さらに物語は日本のスポ根だけに、スタート前から敬遠するような声が目立ってしまった。音楽的な仕事シーンのないプロデューサー、NAZEというなじみのない新グループ、韓国人キャストの日本語演技、韓国語が飛び交い字幕を読ませるなど、視聴者を選ぶ要素が多すぎたか。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

中村倫也
中村倫也
●考察を促す設定「登場人物のほぼ全員が嘘をついている」
『探偵さん、リュック開いてますよ』 金曜23時15分~ テレ朝系
出演者:松田龍平、高橋ひかる、光石研ほか
寸評:「脱力ベースの探偵モノ」という同枠らしい仕上がりだが、セリフで落とし切れず笑いを誘えていないのが気がかり。松田が企画段階から参加しているだけに、どうしてもオダギリジョーの出演作と比べられてしまう。事件の密度もゆるめに設定してあるため、作風の好き嫌いは分かれるが、シュールな世界観を貫いて濃いファンを獲得したい。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

松田龍平
松田龍平
『パンダより恋が苦手な私たち』 土曜21時~ 日テレ系
出演者:上白石萌歌、生田斗真、シシド・カフカほか
寸評:「恋愛コラムのゴーストライターと動物の求愛行動を研究する大学教授」という組み合わせのラブコメは平成期のフジ月9を見るようであり、『不機嫌なジーン』を思い出した人も少なくないだろう。制作サイドは「新感覚アカデミック・ラブコメディ」と掲げているが新しさは感じられない。しかし、動物のエピソードはほほえましく、上白石のキャラクターもあって休日の視聴に合いそうな癒しムードが漂っている。同じ日テレ土曜ゴールデンの『嗚呼!!みんなの動物園』を意識した編成だが、19時から3時間ずっと見てもらうのはさすがに厳しいか。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

上白石萌歌 撮影:友野雄
上白石萌歌 撮影:友野雄
『ぜんぶ、あなたのためだから』 土曜23時~ テレ朝系
出演者:藤井流星、七五三掛龍也、井桁弘恵ほか
寸評:「結婚披露宴という幸せの絶頂で妻に毒を盛られた主人公が憎き犯人を探す」という導入シーンは強烈。しかし、愛する妻には裏の顔があることを知ってしまう…という展開は今冬の『リブート』を筆頭に定番だけに、こちらは夫婦の愛情を試される描写に注力したいところか。夫婦に向けられる結婚披露宴の参列者たちの悪意が重要な物語。
採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

井桁弘恵
井桁弘恵
『横浜ネイバーズ Season1』 土曜23時40分~ 東海テレビ・フジ系
出演者:大西流星、原嘉孝、平祐奈ほか
寸評:隣人同士助け合う「親仁善隣」という言葉を亡き父から教わった主人公の活躍を描いたさわやかな事件解決ドラマ。学歴、定職、金、名誉を持たないからこそ放たれる主人公の言動に、「ヨコ西」に集う居場所のない若者が癒されていく。父の死と母の失踪という大きな軸はあるが、本質は日常に潜む身近な事件だろう。Season2をWOWOWで放送する作品は5回目だが、視聴者にとって負のバイアスになっている。
採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

平祐奈 撮影:蔦野裕
平祐奈 撮影:蔦野裕
『リブート』 日曜21時~ TBS系
出演者:鈴木亮平、戸田恵梨香、永瀬廉ほか
寸評:業界トップのヒットメーカー・黒岩勉が構想3年かけた脚本であり、当然ながらTBSにとっても力作。鈴木は1人2役以上の繊細な演技を見せ、戸田もミステリアスなヒロインを好演している。「登場人物のほぼ全員が嘘をついている」という設定は考察を促し、松山ケンイチの出演やダイアン・津田の秒殺などのサプライズも抜かりなし。密度の濃いサスペンス&ミステリーに日曜劇場らしい家族の物語を織り交ぜるバランスのよさも際立っている。それでもかなりダーク寄りであり、中身が濃密な分、「重すぎて見ていてつらい」という声も。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

鈴木亮平 撮影:河鰭悠太郎
鈴木亮平 撮影:河鰭悠太郎
『50分間の恋人』 日曜22時15分~ ABC・テレ朝系
出演者:伊野尾慧、松本穂香、木村多江ほか
寸評:「AIだけが親友の変わり者と、仕事に夢中な堅実女子」という組み合わせはコメディ重視と思いきやピュアなラブストーリー。言わば「ツンデレとマジメのほほえましいお弁当ごっこ」なのだが、互いの素性を知らないランチだけの関係から、徐々に人柄を理解し合い、心の距離が縮まっていく様子を丁寧に描いている。メインの恋愛がピュアな分、周囲のキャラクターは相当なオーバーアクションを要求。おしゃれではなく「映えないお弁当」がフィーチャーされるほか、『リブート』と『パンチドランク』のヘビーな物語に挟まれてオアシスの感も。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

松本穂香
松本穂香
『パンチドランク・ウーマン―脱獄まであと××日―』 日曜22時30分~ 日テレ系
出演者:篠原涼子、ジェシー、小関裕太ほか
寸評:当作も海外の実話ベースだが、荒唐無稽と思われているのがもったいないところ。過激な脚本・演出ではなく、抑えを効かせたほうが「ありうる話」と思わせられたかもしれない。タイトルでネタバレしているにもかかわらず脱獄までが長く、荒れ放題の刑務所を見せられ、焦らされた感がある。過去の因縁をにおわせているが、脱獄後の衝撃もチラ見せしておくなど構成を工夫できたのではないか。日曜夜にバイオレンスな世界観は不快と紙一重であり、視聴のハードルは高め。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

篠原涼子
篠原涼子
木村隆志
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