「アタシを連れてけ」とアピールしてきた猫をお迎え→20年のニャン生の最期におきた奇跡に感動
【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.196】
猫との出会いには運命的なものを感じることがあるものですが、別れの際にも「偶然」という言葉では片づけられない奇跡に遭遇することがあります。

ご長寿猫だった、うららちゃん
ジョコダンゴ(@jokodango67)さんの愛猫うららちゃんは、飼い主さんと出会った日からちょうど18年後の日に天国へ旅立ちました。
◆譲渡会で「アタシを連れてけ」とアピールする成猫に心惹かれて
うららちゃんは多頭飼育崩壊現場で生き延び、動物愛護団体によって救い出された子。2007年11月4日、飼い主さんはその団体が開催する譲渡会へ行き、うららちゃんと出会ったのです。
「当時1歳だった先住猫が日中ひとりになっていたので寂しいのでは……と思い、同じ年齢の同居猫がいたらいいなと思ったんです」
飼い主さんは事前に貰ったチラシを見て、何匹かお迎え候補をピックアップ。うららちゃんは、その中の1匹でした。

出会った時は、2歳だった
会場でお迎え候補の子たちに会ってみると、うららちゃんだけが「アタシを連れてけ」と言うかのようにアピール。その姿を見て「この子しかいない」と感じ、お迎えを決意しました。
猫は環境の変化が苦手ですが、うららちゃんはお迎え直後も堂々としていたそう。部屋の中を自由に歩き、先住猫が残したご飯をモグモグ。呆気にとられている先住猫に、「シャーッ!」という威嚇までお見舞いしました。
「あまりに図々しいので、温厚な先住猫も怒り始めて心配しました。でも、お迎えから3日後、私が仕事へ行っている間に和解したのか、帰宅すると2匹でコタツに入っていました(笑)」
◆順応性の高さとトイレ後の下手な砂かけの“ギャップ”に笑った日々
一緒に暮らす中で、うららちゃんはたくさんの笑顔をくれました。例えば、飼い主さんがメイクをしていると隣へ。
その姿を見るたび、メイクに興味があるのか、それとも、「もっとこうしたほうがいい」とアドバイスしようとしてくれているのか……と、飼い主さんはうららちゃんの心境を想像したと言います。
「順応性が高いのに、トイレで猫砂をかけるのだけは絶望的に下手で(笑)。いつも一生懸命、壁をかいていました」
ただ、飼い主さんが新入り猫を迎えた際には順応性の高さを発揮。自らグイグイ近づいていき、必ず威嚇をお見舞いしましたが、その後はすぐに受け入れ、仲良くしてくれました。
「我が家の猫たちが、みんな仲良く過ごしていられるのはうららのおかげです」
飼い主さんの中で特に印象的だったのは引っ越し先で見た、うららちゃんの順応性の高さです。うららちゃんが9歳になった頃、愛猫が5匹になり、住んでいた賃貸が手狭になったため、飼い主さんはお引っ越し。
すると、うららちゃんだけがすぐにウキウキと新居を探検し始めたのです。
「うらら以外は全員オス猫なのに環境の変化に怯えて、なかなかキャリーケースから出られなかったり、おそるおそる部屋の様子を伺ったりしていました(笑)」
小さいことは気にせず、食べるのが大好きだったうららちゃん。飼い主さんはその個性を愛し、うららちゃんのことを娘であり、親友であり、姉であり、我が家のアイドルだと思うようになっていきました。
◆持ち前の生命力で20年のニャン生を生き切った
うららちゃんは持ち前の生命力が強かったのか、病気知らずの健康優良児でした。飼い主さんはうららちゃんが7歳になった頃からドライフードをシニア用に切り替えたものの、シニア期には特別なケアはあまりしていなかったと話します。
「あまりストレスが溜まるタイプではなかったと思いますが、寝ている時に邪魔しないようにはしていました。あとは、撫でられるのが大好きだったので、よく撫でるようにはしていました」
ただ、15歳を超え、ハイシニアとなった頃からは今まで以上に甘やかし、よほどのことがない限りは通院しないようにして、できる限り嫌な思いをさせないように配慮しました。
「食べることが好きだったので、ハイシニア期には健康のためのご飯より好きなものをあげるようになりました」

晩年は、寒さ対策のために洋服を着せていた
別れが来た2025年11月4日、うららちゃんは午前中から何度か嘔吐。この頃、嘔吐はよくあり、吐いた後には自らこたつに入って休んでいたため、飼い主さんは用事を済ませようと、1時間ほど外出しました。
ところが、帰宅後、目にしたのは、手足をバタバタさせながら倒れているうららちゃんの姿。よだれが止まらず、脱糞も見られたため、タクシーで動物病院へ行こうとしました。

20歳の誕生日に撮影した写真
「でも、今、手を離したら、もう最期のような気がしたので、自宅で看取ろうと思い、抱きながら仕事中の夫に連絡をしました。うららは夫の帰宅を待っていたのか、帰宅後に息を引き取りました」
◆あの子は猫の神様が送りこんでくれた“優秀な使者”だったのかも…
出会った日から、ちょうど18年後に天国へ旅立ったうららちゃん。その偶然に気づいた時、飼い主さんの頭に浮かんだのは「契約満了」という言葉でした。
「うららは、猫の神様が私たちのもとに送り込んでくれた優秀な使者だったのかなと。引く手あまたで、次に行かなければならないところがあったのでしょう。タイムリミットギリギリまで我が家にいてくれたのではないかと思っています」
心に空いた猫型の穴を癒すには、時間が必要。飼い主さんは無理に前を向こうとせず、「悲しい」という気持ちを大切に噛みしめながら生活しています。
「空を見上げて思いを馳せることもありますし、愛猫たちにご飯をあげる時には、うららのお骨と遺影にご飯をお供えして話しかけています」
自ら飼い主さんとの出会いを引き寄せ、旅立ちの日も選んだうららちゃん。天国では、飼い主さんを驚かせる“再会の準備”をしているかもしれません。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291