イラン戦争に派遣された世界最速の戦闘機「F-15Eストライク・イーグル」を詳しく見てみよう
- アメリカ空軍で40年近くにわたり運用されているF-15Eストライクイーグル
- F-15Eは、アメリカ空軍における最速の有人航空機
- F-15Eストライクイーグルは推力重量比が高く、垂直上昇中でも加速が可能
- もうひとつの特徴的な能力は、飛行情報や戦術情報を風防(ウィンドスクリーン)に直接投影するヘッドアップディスプレイだ
- F-15Eは、夜間の低高度航法および標的捕捉を可能にするLANTIRNシステムを搭載
- 核兵器および通常兵器のいずれも搭載可能
- F-15Eストライクイーグルは、パイロットと兵器システム士官の2名で運用される
- F-15は無給油で約3860kmの航続が可能で、空中給油にも対応する
- アメリカ空軍によると、F-15Eの製造コストは1998年時点で3110万ドルだが、これをインフレ調整後の現在価値に換算すると約6230万ドル(約99億円)に相当する
- 「エピック・フューリー作戦」中の3月1日、クウェートの防空部隊がアメリカ軍のF-15Eを3機、誤って撃墜した。アメリカ中央軍はこれを「フレンドリー・ファイア」による事故と説明している

2026年1月18日、中東の基地への着陸準備を行うアメリカ空軍のF-15Eストライクイーグル。同機は、低高度で昼夜・天候を問わず、空対空および空対地任務を遂行するために設計された複合任務戦闘機だ。
- アメリカ空軍は、イランに対する「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」において、F-15Eストライクイーグルを展開した。
- これらの戦闘機は、昼夜・天候を問わず、空対空および空対地戦闘を行うことを目的として設計されている。
- アメリカ中央軍によると、クウェート軍が「フレンドリー・ファイア(味方による誤射)」の事故で、F-15Eストライクイーグルを3機撃墜した。
F-15Eストライクイーグルは、空対空および空対地戦闘のために設計された戦闘機であり、通常は空において圧倒的な戦力となる存在だ。
「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」では、クウェート軍が誤ってこのF-15Eストライクイーグルを3機撃墜したことで、空軍でも屈指の速度と汎用性を持つこの機体に改めて注目が集まっている。
ここでは、アメリカがイラン上空から同国のミサイル戦力やドローン基地を破壊するために使用している最新鋭機、F-15Eストライクイーグルを詳しく見ていく。
アメリカ空軍で40年近くにわたり運用されているF-15Eストライクイーグル

フロリダ州エグリン空軍基地の第40飛行試験飛行隊(40th FLTS)に所属するF-15Eストライクイーグルが、2026年2月20日、ネバダ州ネリス空軍基地から離陸した。
アメリカ空軍によると、F-15Aの初号機は1972年に初飛行し、F-15Eは1988年に初めて生産された。
F-15Eは、アメリカ空軍における最速の有人航空機

スペインのグラン・カナリア島、ガンド空軍基地にて2025年10月20日、演習「オーシャン・スカイ25」に参加するアメリカ空軍第48戦闘航空団所属のF-15Eストライクイーグル。
この空対空および空対地攻撃機は、時速3018km、すなわち音速の約2.5倍で飛行できる。
F-15Eストライクイーグルは推力重量比が高く、垂直上昇中でも加速が可能

アメリカ中央軍の担当地域内で実施された「マローダー・シールド26.1」演習中の2025年11月11日、空中で左旋回するF-15Eストライクイーグル。
F-15Eストライクイーグルは推力重量比が高く、速度を落とすことなく鋭い旋回ができる。同機はプラット・アンド・ホイットニー製F100エンジンを2基搭載しており、それぞれが10トンを超える推力を生み出す。
もうひとつの特徴的な能力は、飛行情報や戦術情報を風防(ウィンドスクリーン)に直接投影するヘッドアップディスプレイだ

2025年12月1日、ハワイ沖での訓練出撃中に、空軍州兵第204空輸飛行隊が運用するC-17グローブマスターIIIのヘッドアップディスプレイに、もう1機のC-17が捉えられた。
パイロットは風防から目を離すことなく、標的の追尾・攻撃、兵器の状態確認、さらにはその他の戦術情報や飛行情報を把握できる。
F-15Eは、夜間の低高度航法および標的捕捉を可能にするLANTIRNシステムを搭載

2023年6月27日、イギリスのレイクンヒース王立空軍基地を離陸する、アメリカ空軍第492戦闘飛行隊所属のF-15Eストライクイーグル。
LANTIRNシステムにより、F-15Eはあらゆる気象条件下での飛行と、低高度から地上の標的への攻撃が可能となっている。このシステムは、機体下部に搭載された航法ポッドと標的照準ポッドの2つで構成されている。
核兵器および通常兵器のいずれも搭載可能

2025年10月24日、アイダホ州マウンテンホーム空軍基地にて、F-15EストライクイーグルにAIM-120 ミサイルを搭載する様子。
兵装には、500発の弾薬を備えた20ミリ固定機関砲のほか、AIM-9サイドワインダー、AIM-120 AMRAAM(レーダー誘導式の中距離空対空ミサイル)などが含まれる。
また、F-15は統合直接攻撃弾(JDAM)などの対地攻撃兵器も搭載する。これは、無誘導爆弾にフィンとGPS誘導装置を取り付け、「スマート爆弾」へと変えるキットだ。
F-15Eストライクイーグルは、パイロットと兵器システム士官の2名で運用される

F-15Eストライクイーグルのコックピット。
兵装システム士官はパイロットの真後ろに座り、機体のセンサーや兵装の管理を担う。
F-15のバリエーションのうち、F-15AとF-15Cの2機種は単座型(1人乗り)となっている。
F-15は無給油で約3860kmの航続が可能で、空中給油にも対応する

2025年10月15日、大西洋上空で実施された演習「オーシャン・スカイ」において、第100空中給油航空団所属のKC-135ストラトタンカーから空中給油を受けるアメリカ空軍のF-15Eストライクイーグル。
F-15Eストライクイーグルの燃料搭載量は、約16トンに達する。
F-15EはKC-135ストラトタンカーによる空中給油に対応している。KC-135は、ボーイング(Boeing)が1950年代に開発した試作機「ダッシュ80」をベースに発展させたものだ。
KC-135は「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」の一環としてイスラエルにも配備されていたが、3月12日にはイラク西部で1機が墜落し、アメリカ軍の兵士6人が死亡した。アメリカ中央軍は、墜落の状況について調査中であるとしつつ、「敵対行為やフレンドリーファイアによるものではない」と述べた。
アメリカ空軍によると、F-15Eの製造コストは1998年時点で3110万ドルだが、これをインフレ調整後の現在価値に換算すると約6230万ドル(約99億円)に相当する

2024年8月3日、カリフォルニア州トラビス空軍基地で実施された演習「バンブー・イーグル24-3」において、駐機場に並ぶ第336戦闘飛行隊所属のアメリカ空軍F-15Eストライクイーグル。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、F-15の最新モデル「EXイーグルII」は、より高度な操縦システムと改良型エンジンを備え、価格は約1億ドル(約160億円)にのぼる。
「エピック・フューリー作戦」中の3月1日、クウェートの防空部隊がアメリカ軍のF-15Eを3機、誤って撃墜した。アメリカ中央軍はこれを「フレンドリー・ファイア」による事故と説明している

2026年1月18日、中東の基地に着陸後、滑走路を離れ地上走行するアメリカ空軍のF-15Eストライクイーグル。
撃墜されたF-15Eの乗員は、6人全員が無事に脱出した。この事案について、現在調査が進められている。
アメリカ中央軍は、「クウェートはこの事案を認めており、我々はクウェート防衛軍の尽力、および現在進行中の作戦に対する彼らの支援に感謝している」と述べた。