吉沢亮さんが『あさイチ』プレミアムトークに登場。『ばけばけ』錦織役を語る。「『青天を衝け』で感じた空気が役作りにも生きている」

2026年3月25日のNHK『あさイチ』は特別編。吉沢亮さんのプレミアムトークを放送。『ばけばけ』について語ります。吉沢さんが『ばけばけ』錦織友一役について語った2025年10月24日の記事を再配信します。

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高石あかりさん(高ははしごだか)がヒロインを務める連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。明治時代を舞台に、松江の没落士族・小泉セツをモデルにした物語。セツの夫は、怪奇文学作品集『怪談』で知られる小泉八雲です。ヒロインの松野トキ役を高石さん、夫で八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルにしたレフカダ・ヘブン役をトミー・バストウさんが演じ、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描きます。ヘブンと松江の人たちをつなぐ英語教師・錦織友一を演じるのが吉沢亮さん。『ばけばけ』は、制作統括を橋爪國臣さん、チーフ演出を村橋直樹さんが務め、吉沢さんが主演した大河ドラマ『青天を衝け』と同じ座組み。朝ドラは『なつぞら』以来6年ぶりとなる吉沢さんに作品への思いを伺いました。(取材・文:婦人公論.jp編集部 撮影:本社 武田裕介)

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朝ドラは「なつぞら」以来

錦織のモデルは、英語教師で八雲の生涯の友人だった西田千太郎さん。西田さんの資料を読むうちに、すごく魅力的な人物だと感じ、ぜひ演じたいと思いました。以前から英語を学びたいと思っていたので、英語を話す錦織役はいい機会かもしれないとも感じたんです。

撮影前に松江を訪れて、西田さんや八雲さんの住んでいた家など『ばけばけ』ゆかりの場所を見学させてもらいました。町中の至るところに『ばけばけ』のポスターやのぼり旗があって、町全体がこの作品を応援してくださっていて、楽しみにしてくださってるんだろうなというのが、ひしひしと伝わってくる。ロケでは松江でしか撮れないすばらしい画がたくさん撮れました。

朝ドラの出演は『なつぞら』(2019年前期)以来6年ぶりです。『なつぞら』の時も1年近く撮影があって、スタッフやキャストに家族のようなあたたかい空気を感じました。今回も強い絆で結ばれているように感じます。

朝ドラは「なつぞら」以来, 大盤石と呼ばれる秀才, いかに真面目に英語を話せるか, くだらないことを面白く

吉沢亮さん

撮影オファーをいただいたときには、「月に2~3日くらいの撮影の時もあります」と聞いていたのですが、始まってみたら月の半分以上を大阪で過ごしています。「あれ?」と思いながら、頑張って英語のせりふを覚えています(笑)。

 

『なつぞら』では、「朝ドラはほかのドラマに比べてこんなに速く撮影が進むんだ」と感じたのですが、『ばけばけ』はライティングや絵作りにこだわっているので時間の流れ方が『なつぞら』よりゆっくりしているように感じています。

 

大盤石と呼ばれる秀才

<錦織は第4週で初登場。トキ宛ての手紙を残し、出奔した夫の銀二郎を探しに東京を訪れたトキ。銀二郎の父から聞いた東京の下宿でトキが出会ったのが錦織だ。家が貧しく体の弱かった錦織は、中学を中退したのち、松江で無資格で教師をしていたが、教師資格を取得しようと上京。帝大の門の前で倒れていた銀二郎を助けて一緒に暮らしていた>

 

僕は、大河ドラマ『青天を衝け』(2021年放送)で渋沢栄一を演じました。『ばけばけ』の舞台も同じ明治時代。渋沢栄一は時代の変化を心から楽しめた人。でも時代の変化に取り残された人もいたはずだし、変化に流されるしかなかった人もいたはず。

じゃあ、錦織はどういう人物だろうと考えました。『青天を衝け』で感じた空気が、錦織の役作りにも生きていると感じています。

錦織は、「松江の大盤石」と呼ばれた秀才・西田さんをモデルにしているので、松江の皆様の思いを裏切らないように演じたいと思っています。第4週では、錦織の秀才感を意識して芝居をしました。錦織は松江を変えたいという思いがあって、教師の資格を取るために松江から東京に出てきました。

「これから自分たちで日本を動かしていく。変えていく」という思いを持っていた錦織。彼は恵まれた家庭で育ったわけではないけれど、自分が「秀才である」という自負もあったんです。

一方で、周りから評価されるプレッシャーもありますし、後々彼の抱えた事情や挫折も出てきます。錦織の抱える生きづらさがどう描かれるのか詳しくは聞いていないので、視聴者目線に近い感覚で台本が届くのを楽しみにしています。

いかに真面目に英語を話せるか

<錦織は来日したヘブンの通訳を任されることに。公私ともにヘブンと関わり、トキとも関係を深めていく>

錦織はヘブンの通訳を務めているので、英語のせりふが多くあります。英語はネイティブのような発音を目指しているわけではないのですが、見ている人に違和感を与えないように練習をしてきました。昨年の12月ごろから週に2,3回英語のレッスンをしています。

 

朝ドラは「なつぞら」以来, 大盤石と呼ばれる秀才, いかに真面目に英語を話せるか, くだらないことを面白く

吉沢亮さん

明治時代に英語を話していた人は、日本語で会話をしているときにポーンと英語が出てきたそうです。今の人とは英語の距離感が違う。しゃべっている最中に急に「イッツサプライズ!」とか言うのですが、いきなり英語が出てくるとコメディっぽくなってしまう瞬間もありました。いかに真面目に英語を話せるかを頑張りました。

英語でお芝居をする難しさも感じています。英語のセリフを覚えることは難しいけれどやればできる。でも、そこに感情を載せてセリフとしてしゃべるとなると、どんなテンションを作るのかが難しい。錦織は通訳なので、「普段の会話での英語」と、「通訳としての英語」があるので、その違いは意識していますがやっぱり難しいです。自分ではびっくりするほど英語の手ごたえがないのですが、第5週の試写を見たヘブン役のトミーさんから「英語が完璧だ」とお墨付きをいただきましたので、まあなんとか形になっているのかなと思っています。

ヘブンへの期待

ヘブン先生は錦織にとって希望を抱かせてくれる存在。知事は「松江の教育を変えたい」と考えて、ヘブン先生を招きました。錦織は、「ヘブン先生と一緒にいれば自分の人生も変わる」という期待を持って接しています。

 

朝ドラは「なつぞら」以来, 大盤石と呼ばれる秀才, いかに真面目に英語を話せるか, くだらないことを面白く

吉沢亮さん

今後、錦織にとってヘブン先生は最もかけがえのない存在と言っていいくらいに距離が近くなっていく。ヘブン先生と出会ってからの錦織は、ずっとヘブン先生に振り回されている男なので、秀才というよりドタバタ感を意識していました。

トキを演じる高石あかりさんのお芝居はすごくナチュラルです。トキと東京の下宿で出会った時は、短い時間でしたけれど、トキにたくましさを感じていたと思います。高石さんもトミーさんもすごくお芝居が自然。特に高石さんは、セリフなのかわからないくらいお芝居になじむ感じがありました。こちらが戸惑うくらいナチュラルなので刺激をもらえていますし、やりやすい。高石さん自身が、すごくコメディーが好きなんだろうなという感じもしています。

くだらないことを面白く

『ばけばけ』では登場人物が時代の波に飲まれてしまうようなシリアスなシーンもありますが、決してシリアスだけで終わらない。物語のベースに流れている、あたたかい空気感が常に感じられるような本です。

 

朝ドラは「なつぞら」以来, 大盤石と呼ばれる秀才, いかに真面目に英語を話せるか, くだらないことを面白く

吉沢亮さん

つらい現実に直面したり、苦しいことが起きたりする中でも、人の優しさみたいなものをしっかり感じられる。読んでいてクスッと笑えるような素敵な物語ですし、ちょっとしたことをすごく面白く書いているんです。

それに、ふじきみつ彦さんの脚本は、掛け合いがすごく面白い。ただ、面白いシーンだと思ってやりすぎてしまうと冷めてしまう。現場でのみなさんのお芝居の流れをみながら、丁寧に作っていっています。

この先、錦織がヘブン先生にスキップを教えてもらう回があるのですが、それだけなのにすごく面白い。日常で感じたとしても「くだらないこと」だと終わってしまうようなものが、こんなに面白いドラマとして成立するすごさを毎回感じています。