「これで本当に勝ちなのか」1日800億円、40日で数兆円…米国が払った重すぎる代償

引用:ソウル新聞

米国とイランが休戦に合意した中、米国が約40日間にわたる対イラン軍事作戦で、1日あたり約5億ドル(約794億円)の戦費を投じていたことが明らかになった。

英紙フィナンシャル・タイムズは、戦略国際問題研究所(CSIS)の国防・安全保障顧問であるマーク・キャンシアン氏の話として、「今回の軍事作戦には1日あたり約5億ドルの費用がかかっていると推定される」と報じた。そのうえで、「攻撃を受けた施設内の装備の状況によっては、費用がさらに増加する可能性がある」と伝えている。

アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のエレイン・マッカスカー上級研究員も、フィナンシャル・タイムズに対し、「米軍による攻撃開始以降、5週間にわたる軍事作戦の費用は223億~310億ドル(約3兆5,400億~4兆9,200億円)に上ると推定される」と述べた。同紙によると、総費用には兵力の展開や弾薬、整備費に加え、戦闘機やドローン、レーダーなど高価な装備の更新費用として21億~36億ドル(約3,300億~5,700億円)も含まれているという。

米国防総省は戦争の長期化の兆しを受け、議会に2,000億ドル(約31兆7,700億円)規模の追加予算を要求した。CSISの資料によると、国防総省は議会に対し、戦闘開始から6日間の費用が113億ドル(約1兆7,900億円)に上ると報告していたという。

高額な戦略資産に相次ぐ損失

米国は、最大で約4兆9,200億円を投じた40日間の戦闘で、多数の高額な戦略資産を失った。イランが中東に展開する米軍基地のレーダーや通信システム、空中給油機などを優先的に攻撃したためとみられる。

高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の中核を担う「AN/TPY-2」レーダーは、1基あたりの交換費用が約4億8,500万ドル(約770億円)に上るとされ、生産にも約3年を要するとされている。

引用:X(旧Twitter)

サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に配備されていた「E-3」早期警戒管制機(セントリー)も空爆により損傷を受けた。この機体の価格は1機あたり約482億6,000万円から最大で約808億6,600万円とされる。また、「KC-135」空中給油機5機も同基地で損傷した。

フィナンシャル・タイムズは「E-3」1機と「AN/TPY-2」レーダー1基を再整備するには、それぞれ約7億ドル(約1,111億7,700万円)と約4億8,500万ドル(約770億3,400万円)が必要になると伝えている。

CSISのトム・カラコ研究員は、「破壊された米国の高価な戦略兵器は、イランの弾道ミサイルへの対処にとどまらず、世界各地における米軍の防衛態勢全体にとって極めて重要だ」と指摘した。そのうえで、「今回の戦闘により、米国の高価な戦略資産の損失と武器在庫の消耗に伴う負担は一段と増大した」と分析した。さらに、「こうした消耗が続けば、中国が台湾に対する軍事行動に踏み切る誘因となりかねない」と懸念を示した。

中東の戦略資産に空白、アジアから補完の動き

米国が巨額の財政支出を投じた40日間の戦闘で失った中東の戦略資産は、高額であるうえ製造にも長い期間を要する。このため米国は、横須賀を母港とする米海軍の誘導ミサイル駆逐艦2隻をアラビア海に展開し、対イラン作戦の支援任務に投入した。さらに、韓国に配備していたTHAADの一部も中東へ移動させた。

引用:ソウル新聞

こうした中東で生じた戦力の空白をアジアから補おうとする動きは、中国を過度に刺激する可能性がある。対中抑止に不可欠な戦力がイラン戦線で消耗されたためだ。

ミサイル防衛の専門家であるオスロ核プロジェクト(ONP)のファビアン・ホフマン研究員は、「THAADレーダーとE-3は、中国との紛争においても極めて有用な資産だ」と指摘し、こうした戦略資産の不足に懸念を示した。

また、CSISのトム・カラコ責任者も、「現在の米国には高価な戦略資産を消耗し続ける余裕はない」としたうえで、「米軍の戦力低下は、中国が台湾の武力統一に踏み切る誘因と受け止められかねない」と指摘した。

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