教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意

教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
米連邦議会の共和党席から演説を控えたトランプ大統領に手を振る熱烈MAGA議員で陰謀論者のグリーン(右)(3月4日) USA TODAY Network via Reuters Connect
<「カトリック教会は『サタン』によって運営されている」が持論のMAGA派のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が、教皇フランシスコは不法移民の支援など「有害」な政策を推進してきたと投稿>
ローマ教皇庁は4月21日、教皇フランシスコが死去したと発表した。その数時間後、米ジョージア州選出の下院議員(共和党)マージョリー・テイラー・グリーンはX(旧ツイッター)に「今日は世界の指導者に大きな変化があった。神の手が悪を打ち負かしつつある」と投稿した。
21日は教皇の死のほかにもう一つ、大きなニュースがあった。世界経済フォーラムの創設者であるクラウン・シュワブが、半世紀にわたって務めてきた同フォーラムの会長職の退任を発表したのだ。グリーンはシュワブと世界経済フォーラムについても批判的だったので、彼女にとっては「良いニュース」が2つ重なった、というわけだ。
本誌はこの件について21日朝、グリーンの事務所にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ドナルド・トランプ米大統領の熱烈な支持者であるグリーンは以前から、カトリック教会について問題発言を繰り返し、大きな批判を浴びてきた。彼女はカトリック教会が「サタン」によって運営されていると発言したり、不法移民の支援など「有害」な政策を支持していると批判してきた。2022年のインタビューでは移民を支援する慈善活動について「サタンが教会を支配している」に等しいと述べ、これがカトリックの指導者や団体の強い反発を招いた。
カトリック連盟をはじめとする複数の団体が、グリーンの一連の発言は「反カトリック的かつ扇動的」であり「常軌を逸している」と非難した。それでもグリーンは自らの主張を変えることはなく、一連の教会批判はキリスト教の価値観を守り、宗教機関の政治活動と見なすものに反対するために必要だと主張した。
グリーンは2022年、「カトリック連盟のビル・ドノヒュー会長は、私があるインタビューでカトリック教会とカトリック信仰を中傷したと非難した」と述べた。「これ以上、真実から遠い話はない。即刻、公に謝罪すべきだ」
現在はプロテスタントの福音派に属するグリーンは当時、「自分はカトリックの家庭に生まれ教会の一員として育った」が、カトリック教会の聖職者による長年にわたる児童の性的虐待の実態を知って、「教会が自分の子どもたちを小児性愛者から守ってくれるとは思えなくなった」と語った。福音派は、聖書の言葉を文字通りに信じる宗教保守派で、ドナルド・トランプ大統領の熱狂的な支持基盤だ。
進歩的な立場で知られてきた教皇フランシスコは、4月21日に88歳で死去した。その前日である20日にはバチカンにあるサンピエトロ大聖堂のバルコニーから信者たちの前に姿を見せ、毎年恒例のイースター(復活祭)の祝福を行った。その後、専用車でサンピエトロ広場にも姿を見せ、集まった信者や観光客の歓声に応えていた。
ホワイトハウスはXに「フランシスコ教皇、安らかにお眠りください」と投稿した。
トランプも自身のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に「安らかにお眠りください、教皇フランシスコ!彼と彼を愛した全ての人々に神の祝福がありますように!」と追悼の言葉を投稿した。
トランプはまたホワイトハウスをはじめとする米政府施設で半旗を掲揚するよう指示した。
グリーンは世界経済フォーラムにも批判的だった。ドイツ出身の経済学者であるシュワブは、各国の政治家や企業経営者らを一堂に集め、主要な国際問題に取り組む機会として世界経済フォーラムを設けた。
グリーンはそれに対し2022年3月11日に公開した動画の中で、世界経済フォーラムとシュワブは「グローバリスト的な政策」を推進しており、それがアメリカの主権と安全を損なっていると非難している。
彼女は世界経済フォーラムを「グローバリストの罠」と称する広範な計画と関連づけ、このような取り組みがアメリカを不必要な紛争に導き、アメリカの自主性を損なわせると示唆した。
ゲイブ・ウィスナント