「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」

まさに土俵際(写真/JMPA)
弟子の暴力問題によって部屋が閉鎖処分となり、伊勢ヶ濱部屋の部屋付き親方という立場が続いている元横綱・白鵬の宮城野親方。「5月に相撲協会を退職の意向」と週刊文春や週刊新潮が報じたが、その後に宮城野親方本人は報道陣に対して「(退職は)ない。残ります」と否定のコメントを出した。
【写真】宮城野部屋の建設予定地だったとされる日本橋の土地
ただ、「(閉鎖処分から)1年たったのに、という思いはある」との“本音”も漏らした。騒動の背景に何があったのか。協会関係者が言う。
「宮城野親方は協会の仕事を黙々と真面目にやっていると思います。それなのに、宮城野部屋の再興は理事会のテーマにもあがっていない。処分から1年の節目となる3月場所後の理事会で議題にならなかったことを不満に思ってたのは間違いない。
5月場所後の理事会で部屋の復活が俎上に載るという話が以前からあったものの、しびれを切らした本人や周辺から“忘れていないか”と牽制する意味でアドバルーンを上げさせたという見方が根強い。ただ、今年の初めにも宮城野親方が退職する情報が出回ったこともあり、関係者の間でも今回の報道は一定の現実味を持って受け止められた」
宮城野親方には「部屋の復活を急ぎたい理由がある」とベテラン相撲ジャーナリストは見る。
「協会はもともとあった宮城野部屋への後援会活動を一切認めないかたちにすることで、宮城野親方からスポンサーが離れていく展開を狙っているとされます。3月の大阪場所でも宮城野親方はタニマチの運転手付きの最高級車で送迎されていたが、そうした状態がいつまで続くか。
7月の名古屋場所では宮城野部屋はトヨタの関連施設を宿舎にしていたが、そのつながりも部屋が閉鎖されたままであれば途切れる。新弟子も獲れず、この1年で宮城野部屋の基盤は弱体化してしまった。九州の後援会も古くなった宿舎の建て替え工事の発注が決められずにいる。そうした状況にあっては、後援者が別の部屋に流れている現状があるのです」
宮城野部屋の九州後援会の元幹部のひとりもこう嘆く。
「九州場所宿舎の稽古場は老朽化していたので、役員会で昨年の九州場所のために建て替える計画を進めていた。ところが、もとの建物を取り壊したのはいいが、部屋は閉鎖。復活が見通せないから、いつまでに稽古場を作ればいいのかもわからない。もちろん宮城野部屋が再興されれば、これまで通りの場所を宿舎として提供するつもりですが、今は更地になったままです」
そもそも、宮城野部屋が無期限閉鎖となった時点で後援会が宮城野を名乗れなくなったのだという。
「元横綱・白鵬を個人的に応援することしかできない。後援会は休止状態となり、集めていた後援会費はすべて返金。会長はじめ会員が高齢化しており、再結成できるか不透明な状況です。いずれにしてもこれまでのような活動はできない」(前出・元後援会幹部)
日本橋の約150坪の土地
相撲協会内での複雑な状況が生まれているという。若手親方はこう言う。
「宮城野さんは“マスコミから質問されて答えると問題になるし、(今回の退職報道のように)答えないと否定しなかったと記事にされる……”と信頼する若い衆に本音を漏らしていたそうです。
協会は1年での宮城野部屋の再興を認めるつもりはない。宮城野さんは1年間黙って耐えてきたが、自分は一発アウトで他の部屋の不祥事に重い処分がないことにも不信感は募っているでしょう。ただ、それで退職とはならいでしょう。あと数年すれば八角理事長(元横綱・北勝海)の体制も終わる。世代交代すれば自分たちの時代になると確信しているようだし、退職すればさらなる資金繰り難の懸念もあるでしょう」
閉鎖処分の前に、宮城野部屋は都内で部屋の建設予定地を決めていた。東京・日本橋の150坪の土地を2023年に購入している。
「16億円の抵当権が設定されているが、部屋が再興されない限り建設は認められず塩漬け状態。処分が続く限り現状のコインパーキングのままです。後援会も解散状態のなか、固定資産税と金利を払い続けることになるわけです」(前出・若手親方)
建設予定地の近くにある飲食店では「1年前に“白鵬の部屋が来る”と常連さんたちも大盛り上がりだったが、話題にもならなくなった。立ち消えになったんじゃないかな」と話していたが、このままでは部屋建設は本当に消滅しかねない状況だ。
※週刊ポスト2025年5月2日号