丸亀製麺「うどーなつ専門店」訪れて感じた"凄さ"

今、丸亀製麺が推す「うどーなつ」。その専門店が愛知県春日井市にオープンしたので、遠路はるばる行ってみた。うどーなつの魅力とは何だろうか?(筆者撮影)
うどーなつ待望の専門店が意外な場所にオープン
うどんチェーンでおなじみの「丸亀製麺」が、今ドーナツに熱を入れている。その名も「うどーなつ」。丸亀製麺の各店舗で販売しており、同社によると2024年6月の発売開始から11カ月の累計販売数は1600万食を突破したという。
【画像21枚】アイス、ソースなどをトッピングして300円!コスパも最高な「うどーなつ」

うどんを生地に使用した丸い揚げドーナツで、もちっとした食感が特徴だ(丸亀製麺のプレスリリースより)
このたび、うどーなつに特化した店がオープンした。
店の詳細を確認したところ、場所は意外にも愛知県春日井市、駅から離れたロードサイドだった。筆者はその店づくりを確かめるべく現地へと向かった。
都内から新幹線、電車、バスを乗り継ぎ到着
いざ、うどーなつ専門店へ。筆者は都内から向かった。
まずは新幹線で名古屋へ移動し、さらに在来線、バスを乗り継いだ。

JR春日井駅。筆者は初めて降り立った(筆者撮影)

うどーなつ
こちらがうどーなつ唯一の専門店、「丸亀うどーなつ屋」。5月15日にオープンしたばかりだ。
地元の人でなければおいそれとは行けない立地で、他のお客は車で来ている。公共交通機関で来たのは筆者くらいだった。

広い駐車場の一角に登場した「丸亀うどーなつ屋」(筆者撮影)
シンプルな、しかし十分なトレーラー型店舗
店があるのは既存の「丸亀製麺 春日井西山町店」の敷地内だ。店というか、車両として移動可能なトレーラー型店舗だった。

横から見ると、トラックの荷台で営業するトレーラー型店舗だとわかる(筆者撮影)
通常の袋入りのうどーなつも販売されているが、同店ならではのメニューとして「丸亀うどーなつ もっちもち満喫セット」や「丸亀うどーなつ ぜんざいソフト」といったアレンジ系うどーなつもラインナップされている。

メニューはこんな感じ(筆者撮影)
「もっちもち満喫セット」をいざ実食!
「丸亀うどーなつ もっちもち満喫セット」を注文してみた。

「丸亀うどーなつ もっちもち満喫セット」(筆者撮影)
カップの中にはうどーなつが3個、さらに11種のトッピングから3種、4種のソースから1種が自分好みに選べて300円。
筆者はトッピングに「プチプリン」「ホイップクリーム」「バニラアイス」、ソースに「いちごソース」をチョイスしてみた。ちょっとしたパフェのような仕立てになった。
うどーなつ自体は他の店舗で販売されるものと同じで、もちもちした食感が特徴だ。
そこにアイスやソースといったトッピングと合わせることで、また新しいうどーなつの楽しみ方を提案している。

「丸亀うどーなつ もっちもち満喫セット」はさまざまなトッピングが選べる(筆者撮影)

「シェイクうどんフライ」なる商品も販売されていた(筆者撮影)

テイクアウト専門店だが駐車場の一角にベンチがあり、そこで座って食べられる(筆者撮影)
他のお客の様子を見ていると、わざわざこれを買いに訪れた人のほか、すぐ横の丸亀製麺で食事をしたあとのデザートやお土産として購入する人もちらほらいた。

見たところ女性客が多かった(筆者撮影)
気兼ねなくうどーなつだけ買える
これまで丸亀製麺の店舗でうどーなつだけを購入するのはややハードルが高かった。というのも、うどーなつは店に入ってカウンターを進むと奥のほうに置いてあるので、それを手に取ってレジで会計して購入できる。
が、うどん店に入っておきながらうどんをスルーして進んでいく瞬間はなかなかに気まずい。面倒だがスタッフに「うどーなつだけ買いたいです」と説明しないとちょっと怪しい人になってしまう。

カウンター終盤の、レジ横に置いてあるうどーなつ(筆者撮影)
かといって、うどんとドーナツ、2つの粉モノを一度に食べるのも……という思いもある。
なので、今回のようなうどーなつの専門店ができるのは個人的に嬉しい。専門店なら引け目を感じることなくうどーなつだけ購入できる。ぜひ筆者の身近な場所にもオープンしてほしいと思った。
また、トレーラー型店舗であれば、駐車場のある店舗であれば、そこまでコストをかけずに出店していくことが可能だろう。
プロモーションにも力を入れる
うどーなつが最初に登場したのが2024年6月。「丸亀製麺 渋谷道玄坂店」を一時的にジャックし、このうどーなつのポップアップ店を営業したのが始まりだ。その後、全国の丸亀製麺で販売されるようになった。
うどーなつの特設サイトでは「うどーなつ村のなかまたち」と称したイメージキャラクターを打ち出すなどブランディングにも力を入れている。定期的に限定フレーバーも投入しており、これまでにも「チョコ味」や「やみつきカレー味」「塩パイン味」「焼きいも味」「ピザ味」など間髪入れずに発売。消費者を飽きさせない工夫を凝らしている。

ゆるい雰囲気がかわいい「うどーなつ村のなかまたち」で魅力を訴求。ディレクターはNHKキャラクター「どーもくん」などを手掛けた合田経郎氏(丸亀製麺のプレスリリースより)
今年4月に発売された新フレーバー「いちごみるく」では、イメージキャラクターに髙橋海人さんと松村北斗さんを起用。その広告を渋谷駅構内に出していた。
多くの人が行き交う渋谷駅構内の通路でかなり目立っており、出稿費は安くはないはずだ。プロモーションにもかなり力を入れていることがわかる。
うどーなつは発売まで構想3年かかっているという。さらに、今回の実店舗(といっても簡易なトレーラー型店舗だが)の出店にこぎつけるまで1年。丸亀製麺はうどーなつを時間をかけて慎重に育てている。単なる限定商品として終わらせる気はなさそうだ。
今回、専門店をあえて地方のロードサイドにオープンしたのも、なるべく日常に近い場所でお客の反応を見たいのかもしれない。都心に出せば話題は広がりそうだが、一時的な盛り上がりでなく、人々の生活に根付く息の長い商品に育てていきたい意図があるように思える。
ドーナツブーム真っただ中
しかし、うどんチェーンである丸亀製麺が、なぜドーナツを売るのか?
昨今は第6次ドーナツブームと言われている。行列が絶えない「生ドーナツ」の店をはじめ、今、さまざまなドーナツ専門店が登場している。最近はアメリカや韓国などの海外ドーナツブランドの日本上陸も相次いでいる。
地方に行くと、タイムマシン経営なのか都心で流行っているドーナツ店をそっくり模倣したドーナツ店があったりする。

下北沢にオープンした韓国ドーナツ店は1年足らずで閉店していた。「テナント募集」の張り紙が(筆者撮影)
うどーなつは唯一無二のストーリー性が武器
丸亀製麺はこのブームに乗っかったのだろうか? 否、うどーなつを単にブームに便乗した商品と考えるのは早計だ。
うどーなつの強みは「うどん店がつくるドーナツ」という唯一無二のストーリー性にある。うどーなつは生地にうどんを30%使用し、さらに店内で数時間おきにひく白だしを加えているという。これは他では真似できない、丸亀製麺だからこそできるつくり方だ。
消費者も賢いので、単に「流行ってるからつくりました」という理由では興ざめしてしまう。昨今は「ストーリー消費」の時代。うどーなつは「うどん店がつくるドーナツ」というストーリーによって消費者の興味を強く引いている。
飲食業界で「スイーツは瞬間風速」と言われている。これまで多くのスイーツ商材が一気に流行って一気に廃れていった。タピオカ然り、マリトッツオ然り、フルーツ大福然り……。
うどーなつはそれを踏まえてか、時間をかけてかなり慎重な展開だ。決して一時的なブームではなく、ストーリー性を武器に長く続くコンテンツとして育てているのがうかがえる。今後、うどーなつはうどんに続く第2の柱になる可能性もある。その動向を見守りたい。