じつは“グリーン車の旅”がオトクで人気! 東海道新幹線「ぷらっとこだま」って何? 名古屋から東京の“各駅停車の旅”を味わって気づいたホンネとは

東海道新幹線を格安に乗れる旅行商品

 現在の東海道新幹線の主役は、もちろん「のぞみ」です。のぞみ号は1時間で最大12本、つまり5分に1本という驚くべきダイヤで運行しています。

東海道新幹線のグリーン車。「のぞみ」に対して「こだま」は時間がかかるが、その分ゆったりとした旅ができると言い換えることもできる

【画像】これが「オトクなぷらっとこだま」の使い方です!画像を見る!(31枚)

 それに対し、1964年の東海道新幹線開業時には花形だった「ひかり」、そして各停タイプの「こだま」は、それぞれ1時間に2本(いずれも日中時間帯)と、のぞみ号の6分の1。運転本数の差は比べるまでもありません。

 とくにこだま号は、のぞみ号やひかり号が停車しない駅をカバーする列車であり、のぞみ号でおよそ2時間30分の東京駅から新大阪駅を、約4時間かけて走ります。

 運賃・特急料金の合計は、のぞみ号よりほんのわずかに安くなりますが、所要時間の差を考えると、積極的にこだま号で東京から新大阪まで乗り通す人はまずいないでしょう。

 そのこだま号を「あえて使う」ことで、おトクな旅を実現する旅行商品があります。それはJR東海ツアーズが販売するEXサービス会員向けプラン「ぷらっとこだま」です。

 これは事前予約したこだま号の指定席に限り利用できる商品です。乗車日や区間などの変更ができない、乗り遅れても他の列車が利用できないなどの制限があるものの、ふつうに購入するきっぷに比べ、格安になっています。

 東京から名古屋間のきっぷでは、のぞみ号が1万1300円(指定席・通常期、以下同)、こだま号が1万1090円ですが、「ぷらっとこだま」は最安で8710円と、のぞみ号より2590円、こだま号より2380円、旅行費用を“節約”できるのです。

 そしてグリーン車の利用では、さらにおトク感が高まります。通常のきっぷでは普通席に比べ3500円ほど高くなるグリーン車が、「ぷらっとこだま」では最安でわずかに900円高いだけの9610円なのです。

 こうした金額の差に加え、「ぷらっとこだま」では、税込み320円以下の飲料ひとつと引き換えできる「1ドリンク引換券(電子チケット)」も付いてきます。

 ただし旅行費用を抑えることができるとはいえ、移動時間のために疲れてしまうようでは、本末転倒です。そこで実際に「ぷらっとこだま」で名古屋駅から東京駅まで移動し、“乗り味”を実感してみました。

実際に「ぷらっとこだま」を使って名古屋駅から東京駅まで「こだま号」に乗ってみた

 まずは商品の購入です。

「ぷらっとこだま」は、JR東海の「EXダイナミックパック」サイトの「片道・日帰りプラン(ぷらっとこだまなど)」から、ツアータイプで「片道(ぷらっとこだま等)」を選択、日付や出発地、目的地などを指定して購入します。

 乗車は「IC乗車(対応する交通系ICカードまたはEX予約専用ICカード)」もしくは「QR乗車(QRチケットの画面表示もしくは印刷)」でのチケットレス乗車となるため、注意が必要です。

ゆったりと座れる「グリーン車」の利用が快適でオトク

 旅行の当日、名古屋駅に向かいます。

 乗車するのは14時38分名古屋駅発の「こだま730号」です。

ジェイアール東海ツアーズ「ぷらっとこだま」申込サイト。名古屋〜東京駅間のグリーン車利用は、7月は日にちにより9610円から1万1020円となっている

 購入した「ぷらっとこだま」はグリーン車指定席プランです。こだま号には車内販売がないため、駅売店でお弁当を購入、さらに「1ドリンク引換券」を缶ビールと引き換えて乗車します。

 指定された号車に乗り込むと、車内には数名がいるだけで、とても静かです。

 定刻に名古屋駅を発車したこだま号は、三河安城駅、豊橋駅と停車します。三河安城駅では4分、豊橋駅では5分停車、この間に名古屋駅を5分後に発車したひかり号、そして11分後に発車したのぞみ号の通過待ちを行います。

 豊橋駅を過ぎると長い静岡県に入ります。浜松駅で4分、掛川駅では通過待ちはなく1分、静岡駅で5分、新富士駅で6分、三島駅で5分、そして熱海駅で1分、それぞれ通過待ちの時間があります。

 この「通過待ち5〜6分」という時間は、1回1回はそれほど長くは感じないのですが、それでも各駅で停車し、その横を高速で追い抜いていくのぞみ号を何度も見ていると、ちょっと心がざわついてくるのがわかります。ただ、その停車時間も車内で無料Wi-Fiが繋がるので、パソコンで仕事をしたりは可能です。

 疲れたらYouTubeやNETFLIXなど動画の視聴をしたいところですが、Wi-Fiの速度が安定しないため、途切れ途切れになるのが気になりました。ただし、スマホのテザリングに切り替えたら快適に動画視聴ができました。

 ようやく神奈川県に入り小田原駅で3分停車、その後は新横浜駅、品川駅と1分停車の後、17時18分に東京駅に到着しました。

 所要時間は2時間40分。のぞみ号ならば1時間40分前後で東京駅まで到着しますが、およそ1時間長くかかることになります。

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 あらためて時刻表を調べてみると、7本ののぞみ号、そして2本のひかり号に追い抜かれたカタチになりました。

 乗ってみての感想は「やはり時間がかかるなぁ」というのが率直なところです。確かに体感的には「走っているより止まっている時間のほうが長い」印象です。

 ただグリーン車を選んだことで、移動中の窮屈感はなく、またほかの乗客が少ないことで、リラックスもできました。

 急がない旅で、かつじっくりと読書したい、または移動中に仕事を片付けたいといった考えがあるなら、「ぷらっとこだま」は“十分にあり”の選択でしょう。

 のぞみ号利用の東京〜名古屋グリーン車通常料金だと1万4960円かかるのに対し、ぷらっとこだまなら9610円。5000円以上安く移動できるのもメリットです。

 また、とくに名古屋−新大阪については、のぞみに比べ所要時間の差も大きくないことから、コスパ、タイパは十分ではないでしょうか。