【大阪・関西万博】食育・自由研究におすすめ!注目のパビリオン「EARTH MART」を栄養士ライターが徹底取材
「食」に感謝したくなる!「いのち」の慈しみあふれる「EARTH MART」取材レポ
大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」。その中核となるのが会場の中心で存在感を放つ8つの「シグネチャーパビリオン」で、8人のプロデューサーが独自の視点でテーマを深掘りし、表現しています。今回、小山薫堂さんがプロデューサーを務める「EARTH MART(アースマート)」を取材しました。
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「『EARTH MART(アースマート)』って、どんなパビリオン?

茅葺き屋根が印象的な「EARTH MART」。全国5カ所から集めた茅が使われています。
「EARTH MART」のテーマは「食を通して、いのちを考える」。そう聞くと重たい響きがするかも知れませんが、パビリオンの中は空想のスーパーマーケットの世界が広がっています。
ワクワクする楽しさを感じながら「いのち」の重みやありがたみを感覚的に受け入れられる、子どもにも分かりやすい展示が特徴です。夏休みに親子で一緒に体験すれば、楽しい食育の場になりそうです!
食べものの背景とストーリーを見える化!「いのちのフロア」

手前は「野菜のいのち」として、種をつくるために枯れた野菜たちが展示。さらに、頭上を悠々と泳ぐイワシの群れにも、実は奥深いストーリーが!
入館してすぐのスペースでプロローグ映像が流れ、扉が開くと、最初に出現するのが「いのちのフロア」。野菜、魚(イワシ)、肉(ブタ・ウシ・トリ)、卵といった食卓でおなじみの食べものを主役に、私たちがスーパーなどで食材として手に取るまでの「いのち」の道のりが、実物やオブジェ、印象的な写真と共に訴えかけてきます。

普段スーパーで手に取る赤身の牛肉パック。その背景に牛の「いのち」が生まれる瞬間の写真がモノクロームで写し出されます。
私たちが生きるために不可欠な食事は、ほかの「いのち」の助けがあってこそ。シンプルで当たり前のことに、改めて気付くことができます。
考えたことなかった!3匹のイワシが食卓に届くまで

回遊する10万匹(左)から生き延びた、たった3匹(右)。イワシの「いのち」の壮大な旅に脱帽です。壁や足元にはイワシを狙う鳥やサメの演出も!
例えば、「いちばん食べられる魚」と題した展示では、「イワシ(鰯)」がクローズアップ。
1匹(1尾)のマイワシは一生の間に約10万粒の卵を産み、そのうち生き延びて成魚となるのが10匹(10尾)、さらに私たちの食卓へ届くのは、たったの3匹(3尾)。なかなか衝撃的な数字が展示と共に紹介されます。
「お財布に優しい」「栄養価が高い」という理由からイワシをよく食べてきた筆者ですが、もっと大切に味わっていただきたいという思いが強くなりました。
日本人は卵好き!パッと目で見てわかるオブジェ

もしも日本人が食べる一生分の卵を使って焼いたら…こんな目玉焼きに!オブジェは自由に座ってくつろぐことができます。
また、「一生分のたまご」と題した展示では、大きな目玉焼きのオブジェと天井から無数に吊り下がる卵の殻のシャンデリアに目を奪われます。これは、日本人ひとりが一生に食べる卵(2万8304個!)で目玉焼きをつくったら…、使った卵の殻をつなげてシャンデアをつくったら…をカタチにしたもの。
知らなかった食の数値が可視化されるだけで「日本人はこんなに卵を食べているんだ」とスッと理解できるから不思議です。
食品の重量とは違う!「いのち」の重さを体感できる仕掛け

はちみつの瓶を「はかり」にのせると現れる「5g」の数字。その真意を知ると、スプーン1杯分のはちみつが、愛おしくなります。
「いのちのはかり」と題した体験型の展示もユニークです。用意されているのは、大きな「はかり」と食品サンプルが6つ(牛乳、はちみつ、おにぎりなど)。
気になる食品サンプルを「はかり」に置くと、その食品にまつわる数字が浮かび上がり「何の数字か考えてみよう!」と問いかけられます。明らかに、その食品の重さとは異なる数字ばかり…。そして、答え合わせでは「そうなの?」と食にまつわる実態や地球環境の現状にハッとさせられます。
「いのちのはかり」は人気展示で人だかりができていますが、譲り合ったり、見知らぬ人と驚きを分かち合ったり。「食」は人と人を結ぶ、大切なツールなのだと改めて実感しました。
そんな視点で考えたことなかった!多様な世界の「食」

日本人が食べる約300種の食材を816本の瓶に閉じ込めてカラフルなショーウィンドウにした「いのちの色」。
ほかにも、「世界の食卓」と題した展示では、世界各国の家族が1週間分の食糧を囲む家族写真が並び、国によって異なる食文化と食べる量の違いが一目瞭然。

世界中で人間が食べている主な食品と年間消費量(いのちの数)の膨大なデータを視覚化した「いのちのショーケース」。その下に「世界の食卓」と題した家族写真が展示されています。
世界に実在する家族1週間分の食糧の数と量をレシート化した「世界のレシート」も、主食やたんぱく源の地域性などが分かり、興味深いです。

日本の伝統祭「ねぶた」の技術でつくられた「いのちのカート」には、日本人が食べる約10年分の食材が入るそうです。すごい量!
すべて紹介しきれないのが残念ですが、「いのちのフロア」だけで11もの展示があり、好きな順番で巡ることができます。どの展示も「食」と「いのち」を、今まで考えたことがなかった視点から楽しく学んで考えることができますよ!

いただいた「いのち」で私たちの体はできている!ユーモアたっぷりに体感できる「いのちのレジ」。
さらに、「いのちのフロア」を抜けると、未来の食事を考える「みらいのフロア」へ続きます。《後編記事》で詳しくご紹介します!
※本文を一部修正しました(7月24日15時57分)。
(野村ゆき)