コージーコーナー「朝食メニュー」に思わず驚く朝

銀座コージーコーナーの新商品、コージーモーニング。写真は盛り付け例です(筆者撮影)
飲食チェーンがひそかにしのぎを削っているジャンル、それが「モーニング」です。集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューは、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。
【写真たっぷり】早起きして買いに行きたい!「コージーモーニング」はこんな感じ
今回登場するのは洋菓子店「銀座コージーコーナー」の朝食向け新商品「コージーモーニング」シリーズです。
実は一部店舗では朝食メニューを提供しているのですが、それとは異なるテイクアウトのみの商品となります。7月18日に発売されたばかりの3種類、6商品全てをご紹介します。
おなじみのケーキ屋さんから朝食系スイーツが登場!
「銀座コージーコーナー」は1948年に創業し、全国に約420店舗を展開する、不二家、モロゾフ、シャトレーゼと肩を並べる大手洋菓子チェーンです。
個包装されたデイリースイーツは、ジャンボシュークリームが税込178円、銀座プリンが税込205円と、コンビニスイーツと変わらない価格で、専門店ならではの本格的な味を楽しめます。

銀座コージーコーナー銀座1丁目本店。店頭モニターにもコージーモーニングのポップが表示されていました(筆者撮影)
カットケーキもお手頃で、チーズケーキ税込464円、モンブラン税込496円、ミルクレープ税込453円など、この物価高のご時世でも500円以下の商品がまだまだ健在。
しかもサイズも大きめで食べごたえ十分。おいしいのはもちろんのこと、財布に優しい存在として、日常に寄り添ってくれるケーキ屋さんです。

コージーモーニング全商品。上段、皮だけスフレワッフル。中段、スフレワッフルDeli たまご、ポテトサラダ。下段、朝食パウンド プレーン、トマト、バナナ(筆者撮影)
今回ご紹介する新商品「コージーモーニング」6商品も、もちろんお手頃価格です。
・スフレワッフルDeli たまご 税込313円
・スフレワッフルDeli ポテトサラダ 税込313円
・皮だけスフレワッフル 税込302円
・朝食パウンド プレーン 税込259円
・朝食パウンド バナナ 税込259円
・朝食パウンド トマト 税込259円
商品名は、コージーモーニングではあるものの、販売時間は限定されておらず、朝から夜まで購入可能です。どの商品も見た目は普通なのですが、食べてみるとかなり革新的でした。
甘いワッフル生地でお惣菜フィリングをサンドしたスフレワッフルDeli

コージーモーニングのスフレワッフルDeli 。ふわふわのスフレワッフルの皮で、たまごフィリングとポテトサラダをサンドしています(筆者撮影)
銀座コージーコーナーの定番商品の「スフレワッフル」。じっくり弱火で焼き上げた、ふわふわしっとりスフレのような軽い口どけの生地に、甘いクリームをサンドした大人気スイーツです。
お馴染みのスフレワッフルの生地に、クリームじゃなくてたまごサラダと、ポテトサラダという、惣菜フィリングをサンドしたのが、今回ご紹介する「スフレワッフルDeli」になります。
価格は税込313円で、定番のスフレワッフル税込237円より少しお高めとなっています。

スフレワッフルとスフレワッフルDeliは、同じ皮を使用している。価格は定番のスフレワッフルが237円でスフレワッフルDeliが313円(筆者撮影)
2007年に「マクドナルド」が「マックグリドル」の販売を開始した当初、筆者はメープル風シロップ入りのパンケーキにソーセージを挟むという組み合わせに抵抗がありました。
味の想像がつかず「これは暴挙だ。食い合わせがおかしい」と憤っていたものの、食べてみると「ムムム……これはアリだぞ。甘いとしょっぱいの組み合わせってこんなにおいしいのか!」という、アハ体験をしたのです。
甘じょっぱいワッフル! 再び訪れたアハ体験
スフレワッフルDeliを食べた瞬間に、久しぶりにその感覚が蘇りました。ふわっふわのワッフルと、マヨネーズ系フィリングの組み合わせが、こんなにも相性がいいとは想像していませんでした(そもそも想像したことがありませんでした)。
今まで食べてきた馴染みのある味を、食べたことのない組み合わせで食べる。新しいおいしさと、脳のシナプスがひとつつながった快感で、頬がゆるみます。

銀座コージーコーナー人気デイリースイーツスフレワッフルの皮で、たまごサラダとポテトサラダをそれぞれサンドした、朝食にぴったりなワッフルサンド(筆者撮影)
たまごサラダは、絹挽きのたまごフィリングの中に、粗挽きのゆでたまごが和えてあり、ポテトサラダはさらさらのポテトサラダの中に粗めに潰したじゃがいもと、にんじん、玉ねぎ入りです。
甘じょっぱさがクセになる味わいは、惣菜パンともスイーツとも違い、ケーキ屋さんならでは。
どちらも強すぎないやさしい味つけで、ワッフルの旨みと相乗効果がある上に「あっさりしたおいしさで、確かになんとなく朝食っぽいぞ」と納得の味です。

上がスフレワッフル。下がスフレワッフルDeli。クリームよりもたまごの方が持った感じ重さがあり、ボリューミーでした(筆者撮影)
まさかの皮だけ!? アレンジ自在のスフレワッフル
コージーコーナーのスフレワッフルシリーズから、まさかの皮だけの商品が登場。その名も「皮だけスフレワッフル」。4枚入りで税込302円です。

銀座コージーコーナーの新商品、コージーモーニングの皮だけスフレワッフル。4枚入りで302円(筆者撮影)
今回食べてみて、改めて「スフレワッフルの生地って、こんなに柔らかかったんだ」と、その魅力を再発見。クリームと一緒に食べると生地の存在感が薄れがちですが、単体で食べても十分おいしい。
ほどよい甘さと、唇に吸い付くような柔らかさ、そしてふかふかの軽やかさ。まずはそのまま食べて、スフレワッフルの皮のおいしさと完成度の高さを堪能しました。

皮だけスフレワッフルを朝食プレートにのせて食パン代わりに(筆者撮影)
コージーモーニングのシリーズ商品ということなので、「あれこれ挟んで朝食としてどうぞ」という提案のもとに、販売されているのだとは思います。
シュークリームの皮だけ、メロンパンのクッキー生地だけ、帽子パンの耳だけなどと同じく、「スフレワッフルの皮だけ食べたい」というファンがいたのも、商品化のきっかけなのかもしれません。

皮だけスフレワッフルと野菜でオープンサンドに。ワッフルとマヨネーズとの相性は良好です(筆者撮影)
単体でもおいしいのですが、好きなものを挟んで完成させると、おいしいうえに楽しい。フルーツやジャム、クリームを挟むもヨシ、マヨネーズとの相性も良いので、野菜を乗せてサラダにしてもヨシです。
今回は冷蔵庫にあった、トマト、アボカド、きゅうりに、きのこのバターソテーを組み合わせてオープンサンドにしていただきました。
自由度が高く遊び心のある商品なので「ハムのしっとり感と相性が良さそうだな」「バナナとメープルシロップで食べてもおいしいかもな」と、アレンジの妄想にふけりつつ、次回はしっかり買い出しして挑むことを胸に誓いました。

公式ホームページではレンチンして温めるのもオススメされていました。軽く温めてメープルシロップをかければ、ホットケーキ風のアレンジに(筆者撮影)
朝食パウンドは、プレーン、バナナ、トマトそれぞれに生地の食感の違いが楽しい

銀座コージーコーナーの朝食パウンドは、プレーン、バナナ、トマトの3種類(筆者撮影)
「パウンドケーキ」と聞くと、バターたっぷりの重ためスイーツを想像しがち。でも銀座コージーコーナーの「朝食パウンド」は、軽やかで甘さ控えめ。朝にぴったりの仕上がりです。
プレーンとバナナの朝食パウンドは、期待を裏切らないおいしさ。プレーンはシンプルでクセがなく、さらりと上品な口どけ。
バナナはバナナピューレを混ぜ込んで焼き上げてあり、フルーティーかつ自然な優しい甘味で、しっとりした食感です。

朝食パウンド。左からプレーン、トマト、バナナ(筆者撮影)
トマトの朝食パウンドだけは、お馴染みのパウンドケーキというよりはケークサレ風(フランスの甘くないパウンドケーキ)の斬新さ。「バナナパウンドみたいな感じで、トマトの香りがするしっとり系パウンドなのかな?」と、想像していたのですが、いい意味で裏切られました。
甘じょっぱい味わいのおかず系パウンドケーキで、しっかりめに焼いた香ばしい生地には、ドライトマトとゴーダチーズの粒々が練り込まれ、噛むほどに旨みがじゅわりと口の中に広がります。
トマトの持つほんのりとした酸味に、チーズのコク、バジルの香りやスパイシーな風味がアクセントを加え、まるでパスタソースのような味わいです。
朝食市場への注目と、プラスアルファの戦略
銀座コージーコーナーのコージーモーニングは、これまでの固定観念を軽やかに飛び越え、新しい味との出会いを楽しませてくれる商品ラインナップでした。

銀座コージーコーナー本店の店内ディスプレイ。パウンドケーキがレイアウトされていました(筆者撮影)
ケーキ屋さんに行ったとき、多くの人がカットケーキ1個だけでなく、翌日のおやつのシュークリームや家族分のケーキも一緒に買って帰ります。
わざわざ商品名に「モーニング」を入れたのは、そうした「ついで買い」の選択肢に「朝ごはんにもなるお菓子」が加えることで、購買点数が自然と増える。
スイーツと朝食の境界線をにじませるこのシリーズは、販売戦略としても理にかなっているのではないでしょうか。
実際に銀座1丁目本店を訪れた際には、この新シリーズ専用のコーナーがしっかり展開されていて、店舗側の気合いの入り方が伝わってきました。今後の売れ筋ラインになる可能性も十分に感じられます。

銀座コージーコーナーのショーケース。一番目立つ位置にスフレワッフルDeliをズラリと陳列(筆者撮影)
朝食系スイーツに見る老舗の「攻めの遊び心」
銀座コージーコーナーは、毎月の値引きキャンペーンやお得な焼き菓子の福袋など、以前からリピーター増進や、ファン化を促進する仕組みづくりがしっかりしている印象があり、今回の新商品の根底にもしっかりとした戦略を感じました。
さらに革新的な部分もあり、近年はポケモンやディズニーのキャラクターをモチーフにしたプチケーキセットや、ショートケーキのてっぺんに招き猫が鎮座する、おみくじ付きケーキなんていうグッとくるビジュアルでSNS映えする、攻めの期間限定商品が次々と登場しています。
今回の新商品も、惣菜フィリングをワッフルの皮でサンドしたり、皮だけを販売したり、パウンドケーキがトマト味だったり。
どれも一見すると攻めた内容なのに、実際に食べてみると驚くほど味の相性がよく、「あれ?これアリかも」と思わせてくれる。意外性がありながらも、老舗の知見を感じさせる安定感のあるおいしさでした。
きちんとした戦略と攻めの遊び心があるからこそ「おいしい」「安い」のその先にある、プラスアルファの購買につながる「おかずになるスイーツ」や「皮だけのワッフル」という意欲的な試みが形になったのかもしれません。
個性的な朝食系スイーツ誕生の背景に思いをめぐらせつつ、ふわふわのワッフルを噛み締める朝です。