ティファニー銀座「9350円モーニング」に圧倒の朝

映画『ティファニーで朝食を』を実現する、銀座のスペシャルモーニング(筆者撮影)
モーニング界の真打ち!? 伝説の朝食がいただけるお店
飲食チェーンが密かにしのぎを削っているジャンル、それが「モーニング」です。集客が弱い午前の時間帯を補うために、朝の数時間だけ提供される限定メニューは、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。
【画像37枚】安くはないけど、もはやお得に感じる…ティファニー「9350円モーニング」はこんな感じ
朝の外食市場はかつてないほど多彩になり、ファストフードからファミレス、牛丼店、カフェチェーンなどのお馴染みのお店に加え、焼肉店にラーメン、ドーナツショップにフルーツパーラーまでが参入し、今や一大市場を形成しています。

2025年7月にグランドオープンしたティファニー 銀座ビル(筆者撮影)
そんな「モーニング戦国時代」のまっただなかに、ひときわ異彩を放つ存在が現れました。もはやモーニングの真打ちと言っても過言ではない、伝説の朝食がいただけるお店、それが「ティファニー」です。
今回は、料理写真、店内写真ともに撮りまくってきました。本文ではご紹介しきれなかったため、ぜひ画像ページもご確認ください。
実はオードリーも食べていない!? 『ティファニーで朝食を』

とろけるような曲線が印象的な、ティファニー 銀座ビル(筆者撮影)
映画『ティファニーで朝食を』を、ご存知ですか?
映画は観たことがなくても、作品名や作中でタイトな黒いドレスに大ぶりのパールネックレスを身につけた、オードリー・ヘプバーンの姿は知っているという人が、ほとんどなのではないでしょうか。
実は映画の冒頭で主人公が、ティファニーのショーウィンドーを眺めながらコーヒーを手に、クロワッサンを頬張るシーンはあるものの、ティファニーの店内で食事する場面はありません。
そもそも当時のティファニーは飲食サービスを提供していなかったため、映画のタイトルはあくまで憧れを象徴するメタファーに過ぎなかったのです。
ティファニーに朝食メニューが登場したのは、映画封切りから50年以上を経た2017年に、ニューヨーク本店に「ブルーボックスカフェ(Blue Box Café)」がオープンしてから。
日本でも2019年から、原宿の「ティファニー カフェ@キャットストリート」で、映画をモチーフにしたクロワッサンを販売していましたが、朝食メニューの取り扱いはありませんでした(同店は2023年に閉店)。
そして……ついに日本でも「本物のティファニーで朝食を」が実現します。
2025年7月にグランドオープンした、銀座6丁目のティファニー 銀座ビル4階に、「ブルーボックスカフェ 銀座」が8月8日に開店。ついに日本でも、朝食メニューの提供が始まったのです。
ブルーボックスカフェ銀座の、「ティファニーで朝食を」8500円
ティファニー銀座の、ブルーボックスカフェの営業時間は、朝10時30分から夜の20時30分まで。朝食メニューは終日注文可能です。

ティファニーブルーが美しいメニューブックにも、「ティファニーで朝食を」の文字が踊る(筆者撮影)
料金は税込8500円ですが、別途10%のサービス料金がかかるため、9350円を支払いました。内容は以下となります。

内装もティファニーブルーが美しい、ブルーボックスカフェ銀座(筆者撮影)
・フレッシュジュース
・野菜のコンソメ
・フルーツサラダ
・スクランブルエッグ
・サーモン&プロシュート
・クロワッサン
・ブリオッシュ
・バター&ジャム
・ホームメイドグラノーラとバニラヨーグルト
・コーヒーor紅茶

スクランブルエッグとサーモン&プロシュート、クロワッサン&ブリオッシュ(筆者撮影)
ティファニー銀座の朝食は、順を追ってコース料理で提供されます。
提供のタイミングもスマートで、食べ終わるや否やお皿をさっとひき、次の料理がシュッと登場するのです。

ティファニーの朝食メニュー、季節限定のスイカとメロンのフレッシュジュース(筆者撮影)
最初に登場したのはフレッシュジュース。季節限定のシーズナルと、ケール、ゴーヤ、きゅうりをミックスしたグリーンのどちらかを選びます。
筆者はシーズナルをセレクト。今が旬のスイカとメロンを使用したジュースで、夏を凝縮したようなフレッシュな味わいです。

ティファニーの朝食メニュー、日本の味噌汁をイメージした野菜のコンソメ(筆者撮影)
野菜のコンソメは、アスパラガス、昆布、タイム、セリを使用。スタッフがガラスポットからショットグラスのような小さめサイズのコップに、注いでくれます。
日本の味噌汁をイメージしているとのことですが、どちらかといえば出汁に近く、黄色がかった透明な液体は薄味で優しい味わい。薄くて繊細なガラスコップなので、唇へのあたりがソフトで、繊細な味がより際立ちます
。セリやアスパラの青い香りがじんわりと口内に広がり、さっぱりしているのですが、味に奥行きを感じます。
とにかく美しい…フルーツサラダにときめく

ティファニーの朝食メニュー、フルーツサラダは、冷製トマトスープをベースにしたグレープフルーツのガスパッチョ(筆者撮影)
フルーツサラダは、グレープフルーツのガスパッチョ。冷製トマトスープをベースに、グレープフルーツ、いちご、ミントがトッピングされています。「デザートっぽい味なのかな?」と思いきや、きちんとお料理として成立していて、フルーティーな甘酸っぱさが食欲をそそります。
見た目の華やかさだけでなく、味も抜群においしく、食べたことがない組み合わせでしたが、相性はバッチリ。
オードリーの気分が味わえるクロワッサン

映画気分、ここに極まれり! ティースタンドに乗った、クロワッサンとブリオッシュ(筆者撮影)
ティファニーの朝食で外せないのが、映画の冒頭でオードリーが頬張っていたクロワッサンです。銀色のティースタンドに、ブリオッシュと共に並ぶ姿は、クラシカルかつゴージャスで、乙女心をくすぐりまくります。
ティースタンドの立体的な盛り付けが特別感を演出して、写真映えも抜群です。2人以上で利用すると、ティースタンドが2段、3段と増えていくようで、見た目のキラキラ感がさらにアップ。
誰しもスマホで撮らずにはいられない、グッとくるビジュアルです。

桜チップで燻製したバターは、ティファニーの刻印入り(筆者撮影)
クロワッサンはザクザクタイプで、香ばしくて軽い仕上がり。おいしいクロワッサンを食べた時にいつも感じるのですが、口に含んだ瞬間にすでにクロワッサンの中の空気がおいしい。
噛めば噛むほどに、小麦の滋味とバターのコクが口の中に広がってますますおいしい。マッシュルームみたいな形をしたブリオッシュは、外は香ばしく焼いてあって中はふわふわ。

『ティファニーで朝食を』の、映画冒頭でオードリーが頬張っていたクロワッサンが目の前に(筆者撮影)
添えられたいちごとブルーベリーのジャムは、コンフィチュールのような、サラリとしたテクスチャーです。
スプーンですくうと、果実がそのままゴロリと入っていて、甘さ控えめでフレッシュな仕上がり。さらにティファニーのロゴが刻印されたバターは、桜チップで燻製してあり、クロワッサンに塗って食べると、燻した香ばしい香りがふわりと鼻に抜けます。
クロワッサンに、いちごジャムと、桜の香りのスモークバターをダブルで乗せて食べれば、思わずニンマリ。口角が上がります。
とろけるスクランブルエッグと極上のハム

ティファニーの朝食メニュー、大分の蘭王たまごを使用したスクランブルエッグ。オレンジ色の卵黄は濃厚な味わい(筆者撮影)
メインは、スクランブルエッグとサーモン&プロシュート。大分の蘭王たまごを使用したスクランブルエッグは、小さめのパエリアパンにたっぷり。
なか卯の「こだわり卵」のような濃いオレンジ色は、上に散らされた小ネギの緑色でより映えます。絶妙な半熟具合に仕上がっていて、口に含むととろけるような舌触り。
特に凝った味付けもない、シンプルなスクランブルエッグなのですが、それゆえに卵本来のコクやおいしさをしっかりと感じられます。
メインのサーモン&プロシュートは、大皿一面に敷き詰められ、見た目にも豪華でボリューム満点。

ティファニーの朝食メニュー、サーモン&プロシュート。いずれも塩気は控えめで上品な味わい(筆者撮影)
スモークサーモンには、キングサーモンとニジマスをかけあわせた山梨県オリジナルブランド「富士の介」を使用。塩気が強すぎない上品な仕上がりで、燻製の香りの中に凝縮した旨みが詰まっていました。
薄くカットされたイタリアのハム、モルタデッラは、すだちとライムをしぼっていただきます。

イタリアのハム、モルタデッラ。なめらかでしっとりとした食感で、ハーブの香りがアクセント(筆者撮影)
淡いピンク色の生ハムのプロシュートは、いちじくと一緒に食べると、甘いとしょっぱいの絶妙な組み合わせ。箸休めにオリーブのピクルスも付いています。こちらも塩味は控えめで、旨みはしっかり。しょっぱすぎないので、量が多くてもペロリと食べられました。
手作りのグラノーラとヨーグルトで締め

ティファニーの朝食メニュー、ホームメイドグラノーラとバニラヨーグルト。メープルシロップを添えて(筆者撮影)
デザートには、ホームメイドグラノーラとバニラヨーグルト。バニラビーンズ入りの自家製グリークヨーグルトを、生ブルーベリーで飾りました。その上にはホームメイドグラノーラ。
カリッとローストした穀類にさつま芋と、ドライフルーツとナッツ、てっぺんに角切りりんごのコンポートが乗っています。
そのまま食べても軽やかな歯応えで、香ばしいのですが、ヨーグルトに入れてかき混ぜて食べると、たくさんの味が足し算されて、唯一無二の味わいに、おいしさがパワーアップ。
しっとり濃厚なヨーグルトに、濃密に詰まったグラノーラの香りとコクが溶け出して、舌鼓が連打されたのでした。

グラノーラとヨーグルトを混ぜていただきます(筆者撮影)
食後のコーヒーまで、ソツなくおいしく、味は文句なしで大満足。
意外だったのは、見た目の華やかさとは対照的に、味付けはどれも控えめだったこと。でも、全部が全部とびきりおいしくて、良い素材をベストな調理方法で仕上げているのがしっかりと伝わります。
さらに追加料金がかかる可能性も…

ティファニー、ブルーボックスカフェ銀座のドリンクメニュー(筆者撮影)(画像ページにもその他メニューあり)
「朝食なのに、1万円近くするなんて高すぎ!」と、ヤフコメに怒りの投稿があふれそうなお値段ですが、個人的には「絶対的な価格としてはお高いけれど、相対的にみると安い」と感じました。
料理はおいしいし、お店はかわいいし、お客さんはオシャレで幸せそうな人ばかりだし、担当してくれたスタッフはハンサムなうえに接客も極上だし、もう最高!
ただし注意が必要なのは、追加で課金されそうな分岐点が何カ所もあったこと。
もちろん「せっかくのティファニーだし、ケチケチせずに楽しもう」という人なら、まったく問題ありませんが、「そんなつもりはなかったのに、支払いが2万円をオーバーしていた」なんてことも全然あり得ます。

ストライプとドットのコントラストがかわいい店内。全ての椅子を埋め尽くさず、空間にゆとりをもたせていた(筆者撮影)
料理も接客も極上。ただし課金フラグには要注意!?
スラリとした仕立ての良いタイトなスーツに、ティファニーのロゴが刺繍されたネクタイ姿が美しい、イケオジが給仕を担当してくれたのですが、着席するや否や、別途料金がかかるドリンクメニューを渡され「食前にお飲み物はいかがでしょうか?」と、勧められました。
ここで、断りきれず言われるがままモクテルをオーダーすると、2200円の追加料金がかかります。

ティファニーTトゥルーシリーズのテーブルウェアを使用(筆者撮影)
水選びも要注意です。カップウォーターかミネラルウォーターのどちらにするかを尋ねられるのですが、うっかりミネラルウォーターを選ぶと1,800円追加されてしまいます。
スクランブルエッグもオプションが選べるのですが、別料金になっています。ウニをトッピングするとプラス3000円、キャビアならプラス7000円です。
食後のホットコーヒーも、2杯目からは1400円の追加料金がかかるとのこと。

ティファニー、ブルーボックスカフェ銀座には、GINZA SIXを望むテラス席もあり(筆者撮影)
素晴らしい接客をしてくれるホールスタッフ(繰り返しますがとてもハンサム)に、「いかがなさいますか?」と微笑まれると、なんとなく断り辛く、ついつい「じゃあお願いしようかな……」と、追加オーダーしそうになりますが、どうにかこうにか立ちまくる課金フラグをへし折りながら、無課金でフィニッシュすることができました。
「人生の最後のモーニングは、ここにしようかしら」なんて思いながら、満足感と満腹感はもちろんのこと、己の性分を曲げずに贅沢を貫いたことに、達成感を覚える朝です。