大ヒット「Switch2」に潜む落とし穴…転売ヤー騒動の裏で加速する《タイトル不足》の「3つの理由」
Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2と表記)が好調だ。発売後7週間で600万台以上の売上を記録しており、素晴らしいスタートダッシュを切っている。
一方で、しばしば指摘されるのが「タイトル不足」である。本体は紛れもなく売れているが、注目すべきソフトが少なく、任天堂らしい遊びの創造性が失われているのではないかという声も出ている。
実際のところ、任天堂はスイッチ2向けの新作をきちんとコントロールしようとしているし、新タイトルの発表も定期的に行っている。しかしながら、3つの理由からスイッチ2のタイトルが不足しているように見えてしまうのだ。

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新作は毎月リリースされているが…
まずは、直近で任天堂から発売されたスイッチ2のタイトルを挙げてみよう。
2025年6月に『マリオカート ワールド』、7月に『ドンキーコング バナンザ』、8月には『ドラッグ アンド ドライブ』が登場している。
今後の発売予定タイトルも出揃っており、11月に『カービィのエアライダー』、年内には『メトロイドプライム4 ビヨンド』が出る。これは任天堂ではないが、10月に発売される『Pokémon LEGENDS Z-A』もビッグタイトルのひとつだ。

▲年内に出る作品では『Pokémon LEGENDS Z-A』が大きなタイトル。ポケモンの新作なので、売れ行きが見込めるのは間違いない(画像:任天堂公式サイトより)
また、2025年7月末にはソフトメーカー(任天堂以外のゲーム会社)のNintendo Directが実施されているほか、8月にはインディーゲームの紹介番組も公開されている。今後の情報公開にも余念がないわけだ。
このような状況にも関わらず、タイトルが足りていないと感じられるのはなぜか。それは単純に、『マリオカート ワールド』以外はキラータイトルと認識されにくい存在だからだ。
理由1:専用タイトルが地味すぎる
『ドンキーコング バナンザ』は評価も高く、スイッチ2のスペックを活かした新しいゲームに仕上がっているが、主人公がドンキーコングなのもあって、マリオほどのインパクトはない。

▲『ドンキーコング バナンザ』はドンキーコングがすべてを破壊していくゲーム。おもしろいが、主人公がゴリラであることがどうしても気になる(画像:任天堂公式サイトより)
ドンキーコングがシマウマやダチョウのキメラに変身するという内容も、幅広い層にウケるかはかなりあやしい。人気のある部類のゲームだが、ファミ通.comによると初週売上は12万7905本で、Nintendo Switch『スーパーマリオオデッセイ』の約46万本には及ばなかった(どちらもパッケージ版のみ)。
スイッチ2ではよりDL版の比率が高い可能性があるほか、そもそも本体が普及しきっていないという違いはある。しかしながら、マリオとドンキーコングにはけっこうな差がありそうだ。
『ドラッグ アンド ドライブ』は、スイッチ2のコントローラーの機能をうまく使った斬新なタイトルだ。コントローラーを両手で持ち、マウス操作で車椅子バスケを体験するという作品である。

▲斬新でありつつ、プレイヤースキルを問うタイプのゲーム『ドラッグ アンド ドライブ』。こちらもおもしろいが問題点は多く、とりあえずカジュアルに遊べる作品ではない(画像:任天堂公式サイトより)
しかし、こちらは評価もいまいちで人気もあまりなさそうだ。車椅子バスケ自体はパラスポーツとしては人気のある部類だろうが、スポーツ全体で見ればより支持が高いものが存在する。おまけに本作は低価格タイトルなのもあって、キャラクターもステージもとにかく地味である。
現時点でもスイッチ2専用タイトルのラインナップは存在するのだが、多くの人の期待を越えるほどのものでもない。『マリオカート ワールド』は本体同梱版もあるがゆえに全世界で563万本も売れているが、他社の作品は売れ行きがにぶいという。
では、どんなものが登場すれば十分なラインナップだと解釈されるのだろうか?
理由2:キラータイトルの新作が出揃わない
やはり、「ゼルダの伝説」に「大乱闘スマッシュブラザーズ」、「どうぶつの森」シリーズあたりが登場すれば、スイッチ2のタイトルが充実していると捉えられるだろう。どれも評価が高く、非常によく売れているゲームシリーズだ。

▲日本でも人気を取り戻した「ゼルダの伝説」シリーズ。新作の開発にはまだしばらく時間がかかると思われる(画像:任天堂公式サイトより)
しかし、この3タイトルは次の新作が出るまでかなり時間が空くと思われる。「ゼルダの伝説」シリーズは2023年5月に『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が出たばかりである。次の作品で新しいフィールドや遊びの仕掛けを用意するのであれば、開発にはさらに数年を要するだろう。
「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズは、2018年に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が最新作にあたる。時間的にそろそろ新作を……と思われるかもしれないが、こちらも難しい。
なぜなら、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』はすでに歴代シリーズのキャラクターが全員集合して、やれることはほとんどやりきっており、次をどう展開するべきか難しい状況にある。

▲『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』は「キングダムハーツ」シリーズの「ソラ」が登場するなど、これ以上は望めないような状態にまで仕上がっている(画像:任天堂公式サイトより)
おまけに「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズを手掛けている桜井政博氏は、前述の『カービィのエアライダー』のほうに注力している。これは11月発売なので、その後にまた新しい企画が動き出すかもしれないが、素早く取り掛かったとしてもすぐには「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの新作は出ないだろう。
あるいは、ほかのゲームクリエイターが「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの新作を手掛ける可能性もなくはないだろうが、そうなるとファンは不安を覚えそうだ。
「どうぶつの森」新作には数年かかる?
「どうぶつの森」シリーズは、このなかではまだ早い段階で出るかもしれないタイトルだ。シリーズ最新作である『あつまれ どうぶつの森』は2020年3月に発売されており、時間はそれなりに経っている。

▲日本で一番売れたゲームになった『あつまれ どうぶつの森』。当然ながら次回作も準備中だろうが、ファンの期待も大きく下手なものを出すことはできない(画像:任天堂公式サイトより)
しかし、そもそも「どうぶつの森」シリーズは新作が出るまでにかなり時間が空くタイプの作品で、『あつまれ どうぶつの森』も前作から8年近く経ってから登場している。過去には間を開けずに出したタイトルもあったのだがそれは失敗しており、じっくり時間をかけて開発する傾向にある。
つまるところ、多くの人が期待する「任天堂のキラータイトル」はまだ準備中の可能性が高く、すぐには出てこないと思われる。
となると、これら以外のタイトルや任天堂以外のゲーム会社による作品で間をもたせる必要があるわけだが、それにも気になる部分がある。
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【つづきを読む】『任天堂はなぜSwitch2で「ゼルダ」「どう森」を出さないのか…転売ヤー対策?「本命タイトル」が揃わない裏事情』