「ミセス嫌いとかじゃないけど」ミセス×ディズニーランドコラボが物議 TDR知識王が分析する炎上の元凶

Mrs.GREEN APPLE(C)ピンズバNEWS

大人気3人組バンド・Mrs.GREEN APPLE(以下、ミセス)が4月23日、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタで記者会見し、日本人アーティストとして初めて東京ディズニーリゾートのアトラクションとコラボレーションすることを発表した。

ミセスは7月2日から9月15日にかけて開催される夏のスペシャルイベント『サマー・クールオフ atTokyo Disney Resort』のテーマソングを手掛け、ディズニーランドの『ベイマックスのハッピーライド』とディズニーシーの『“びしょ濡れ”ハーバースプラッシュ』にも楽曲を追加。また、7月下旬には両パークで関連グッズの販売も予定している。

「東京ディズニーリゾートのアトラクションで日本人アーティストの楽曲を流すというのは、今回が初の試みです。

ただ、ミセスはボーカルの大森元貴さん(28)をはじめ若者に大人気ですし、ディズニーの客層とも合っていると考えられるのですが、SNSでは “ディズニーとアーティストがコラボ”という企画に難色を示す声も多いんですよね……」(女性誌編集者)

今回の発表に、一部のディズニーファンは大荒れに。

《俺はミセスもディズニーも好きだけど、パーク内でコラボするのは違うなと思った》

《ミセスとのコラボが成功したんだ!またアーティストコラボやろう!って思われたくないのでその期間はディズニー行かないです》

《ミセス嫌いとかじゃないけど、これは正直要らなすぎるこっちはハッピーライドの曲聴きに行ってんねん》

といった、ミセスうんぬんではなく“コラボ”を嫌がる声が多く寄せられ、炎上とも言える状態になってしまっている。

ミセスのコラボ起用は、なぜ荒れてしまっているのか――本サイトは東京ディズニーランド開園以来、現在まで40年以上に渡ってパークに足を運び続けているディズニー通で、『東京ディズニーリゾート知識王No.1決定戦』(日本テレビ系)での優勝経験もある吉田よしかさんに話を聞いた。

「まだ具体的な内容が発表されていないのに批判するというのは、良くないですよね。

でも、昔からディズニー以外の“外部からの要素”が絡むと、こういった話はありがちでした。たとえば、25年くらい前に『クラブディズニー・スーパーダンシン・マニア』を行なった際もそうでしたね」(吉田さん、以下同)

■米ディズニーではYOASOBIや緑黄色社会の曲が流れたことも

『クラブディズニー・スーパーダンシン・マニア』とは、2000年に開催されたスペシャルイベント。当時大流行していた『Night Of Fire』などディズニーとは別ジャンルの曲をシンデレラ城前のステージで流し、ディズニーキャラクターがジュリ扇(※かつてディスコ『ジュリアナ東京』で使われていた扇子)を持ってパラパラを踊るシーンも加わるという、今なお語り継がれる伝説のイベントである。

「大成功したイベントでしたけど、当初は“ディズニーでこんなことするなんて!”と否定的な声が多かったのも事実です。どうも外部の要素が入るイベントは荒れる気がします。

おそらくですけど、運営サイドとしては、既存のディズニーリゾート好きな人とは別の層に来てもらいたい狙いがあると思うんです。

たとえば、あり得ない話ですが“プロ野球のマスコットキャラクターに1シーズンだけミッキーマウスが就任!”とかなったら、普段は野球をあまり見ないディズニーファンも球場に足を運びますよね。これはあくまでも極端な例としての話ですが、そういうふうに東京ディズニーリゾートにも新しい風を入れて楽しんでもらうために、アーティストを呼んでいるんだと思います。

より間口が広がるし、楽しみも共有できるし。逆にアーティストを知らなかった人が興味を持つこともあるし、私は良いことだと思います。

一部のファンの方々の“世界観が崩れる”という言葉も分からなくはないんですけど、海外のディズニーのパークでは、何年も前から有名なアーティストとコラボしているし、それこそ海外の『ベイマックス』のエリアでは、YOASOBIさんや緑黄色社会さんなど曲が流れています」

米・カリフォルニア・アドベンチャーパーク(カリフォルニア・ディズニーランドリゾート)では、『ベイマックス』の舞台がモチーフのエリア『サンフランソウキョウ・スクエア』内で、上記のYOASOBIや緑黄色社会のほかPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅ、米津玄師など、多くの日本人アーティストの曲が流れている。

本家ではそういった動きもあるなかで、なぜ日本では受け入れられていないのか――吉田さんは「ディズニーリゾートのBGMが“聞き慣れたディズニーミュージックのみで定着している”からと思うんです」と言い、こう続ける。

「25年前に『クラブ・ディズニー・スーパーダンシン・マニア』でミッキーマウスパラパラを実施した時も、普段はあまり東京ディズニーランドに足を運ばないような、ディズニーファンと違う層の子が沢山来たんですよ。そこでも“ミニーちゃんやデイジーにジュリ扇を振らせるなんて違和感しかない”と憤っていたファンが多くいました」

最初こそ否定的な声が多かった“ディズニー×パラパラ”だったが、いざ始まるとディズニーランドファンもジュリ扇も買って一緒に踊るなど、大盛況だったという。

「最後には受け入れられていたんです。だから、今回のミセスさんの件も始まる前に否定的な声が多かったとしても、いざ始まったらみんな楽しめるのではないでしょうか。経験者は語る、ではないですけど(笑)。

批判している人は関心があるわけですから、きっといの一番に足を運ばれるかもしれません。それで“思ったより楽しいね”となれば素敵ですよね。一流のアーティストが、わざわざコラボするんですから、クオリティも相当高いはずです」

■ディズニーファンが“荒れる”元凶は「違和感」か

ミセスは若者に高い人気を誇り、ヒットチャートを独占してしまうほど多くの人に受け入れられているのだが、それでも荒れてしまった理由は「“違和感”だと思います」と吉田さんは言う。

「雰囲気が違う要素が入ってくることに違和感を覚える、というのは以前からあるんです。イメージ動画とか、舞台で歌うとか、そういうコラボだったら良いけど、いきなりアトラクションや園内のショーで曲が使われると、“なんで?”となる。

でも、それを言い出したら石井竜也さん(65)やMISIAさん(46)は良いのか?となるし、テーマソングは良くて、アトラクションはNGなのか?とか……基準が分からないですよね」

石井は歌手の高杉さと美(39)とコラボし、2008年に東京ディズニーリゾート25周年記念のテーマ曲『魔法の鍵 ~The Dream Goes On~』を提供したことで知られる。

MISIAは2006年に東京ディズニーシー5周年のテーマソング『Sea of Dreams』を手掛け、2022年には新規ナイトタイムエンターテイメント『ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~』の日本語版テーマソング『君の願いが世界を輝かす』の訳詞と歌唱を担当。

「たぶん、“ディズニーが作った歌”をミセスさんが歌う分には良いけど、急にディズニーとは関係のない、バンドのオリジナル曲を園内で流されるかも……と、警戒しているのではないでしょうか。ディズニー用に作られた曲で、ディズニーキャラクターも一緒に登場するなどであれば理解できるけど、そうでなければ世界観が壊れて嫌だな、とか」

今回で言えば、“ベイマックスのイベント用に曲を書き下ろすなら良いけど、そうじゃなければ……”ということか。

「ただ、それは聞かないとわからないですよね。新たに書き下ろしてくれているのかもしれないし。

あと、否定的な話題のひとつである“コラボグッズ”に関してはMISIAさんがコラボした時にも売られていたし、いざ発表されたら、ものすごく素敵なデザインでみんなが飛びつくかもしれません。なので、まずは落ち着いて、続報を待った方が良いと思います。

ただ、情報が少ない現時点でここまで話題になるのは、それだけミセスさんに注目している人が多くて、影響力があるということではないでしょうか」

新しい挑戦に、反対の声はつきもの。最後にはディズニーファンも、ミセスファンも、双方が楽しめるコラボになることを願うばかりだ。