「研究発表会になぜ女子が少ないのか」 格差解消めざす組織を立ち上げた女子中学生の疑問

社会課題解決プロジェクトでプレゼンを行う牧李香さん=岡山市北区
学校のイベントや生徒会活動などへの女子の参加率が低い現状を変えようと女子中学生が奮闘している。岡山県立岡山操山中学・高校(岡山市)に通う中学2年の牧李香(ももか)さん(13)は「男女の垣根なく思い切り活躍したい」と男女格差の解消を目指す校内組織を立ち上げた。「学校生活で男女格差があれば、大人の社会にもそのまま残るのは当然」と話す牧さん。「女性がもっと自分に自信を持って活躍の機会を自ら求める未来を実現したい」と夢を語る。

優秀賞を受賞し喜ぶ牧李香さん
意識改革が必要
岡山操山中学・高校では月に1回程度、生徒の自主研究発表会が開かれている。牧さんは入学当初から発表会に参加したが、全校生徒約360人中女子が6割弱を占めるのに参加者の男女比は13対2。「研究発表会になぜ女子が少ないのか」と疑問に思った牧さんが女子生徒にインタビューすると「自分が発表していいのか自信が持てない」「男子ばかりの雰囲気やノリになじめない」といった意見が返ってきた。
牧さんは「中高校生のときから男女参画に対する意識改革が不可欠」と考え、昨年6月に校内イベントなどへの女性参画を促す校内組織「SOZAN GIRLS CONNECTION(ソーザン・ガールズ・コネクション(SGC)」を立ち上げた。メンバーは16人で、うち男子は2人。校内の行事や組織の男女比不均衡の解消に向け、ポスター掲示で啓発する活動などを進めている。

牧李香さん(左)と母の三貴子さん
CM制作を提案
牧さんは昨年9月頃、教員に勧められ、岡山県内を中心に交通、ICT(情報通信技術)事業などを展開する両備グループが募集していた社会課題解決プロジェクトに応募した。応募書類は文字だけの簡潔なものだったが、「解決したいテーマが明確。高い熱量を感じる」と目に留まり、両備グループの伴走支援を受け試行錯誤しながら最高賞の優秀賞を射止めた。
牧さんの提案は「なりたい自分になるためのワタシCMをつくろう」というもの。女性が自分のよい所を見つけ出してアピールするCMを撮影・編集し、上映会を開くことで自己肯定感の向上や自己変革のきっかけづくりにつなげる内容だ。
狙いは「将来的にリーダーになれる女性を増やすこと」。牧さんは「女性が主体性を存分に発揮する機会が地方にないと活躍を求める女性が海外や大都市に流出する。若い頃から出会いや経験が限定的になり夢を見出せない現状は日本の重要な課題だ」と指摘する。
母への尊敬の念
牧さんにはイベントの開催費用として1回分250万円、最大4回分給付される。審査員を務めた両備ホールディングスの松田敏之社長は「中学生が女性活躍の場を増やそう、未来を変えていこうと思っていることが頼もしい」と講評した。
「みなさんの協力を得て課題解決に取り組み、日本を変えられるような人になって期待に応えたい」と意気込む牧さんには母への憧れがある。
母の三貴子さん(48)は令和3年度の岡山イノベーションコンテストで母子手帳のデジタル化でグランプリに輝き、医療ICT系ベンチャー企業で部長を務める。
「起業の先輩としても尊敬の念を抱いている。身近に最高のロールモデル(規範となる人物)がいて幸せ」。〝お手本〟となる母の背中を追いかけながら夢の実現を目指す。(和田基宏)