前頭葉の4分の1を切った父。人が人である部分は手のひらに収まるサイズなんだ/家族を忘れた父親との23年間(15)

人が人である部分ってあんなに小さいんだ
記憶を失った父とどう向き合うべきだったのか…。
胸をえぐる実話のエピソード。
1996年夏。高校1年生のエミさんは、サラリーマンの父、専業主婦の母、中学2年生の妹と平穏に暮らしていました。しかしある日、父・ヒロシは脳にできた腫瘍が破裂した影響で、半身まひや失語症の障害を負ってしまいます。さらに記憶能力が大幅に欠如し、家族の顔さえ分からなくなっていくのでした。
突然の事態に戸惑いながらも回復を信じ父親を支える家族たちは、一緒に暮らすにつれて徐々に厳しい現実を突きつけられていきます。思春期、就職、結婚、出産と、人生のステージが進むにつれ、エミさんは「父とどう向き合うべきなのか」に葛藤が生まれていき…。
脳に障害を負った父親を支える家族の、葛藤のエピソードをお送りします。
※本記事は吉田いらこ著の書籍『家族を忘れた父親との23年間』から一部抜粋・編集しました。

登場人物
嫌いにならずに済む考え

絶対に家族だけは忘れたりしない

こんなこと言ってたのに

現実なんてこんなもんだ

実の娘がアニメに負けるなんて屈辱…

お父さんの心の部分は天国に行って

自分に言い聞かせている

父を嫌いにならずに済む
著=吉田いらこ/『家族を忘れた父親との23年間』