すべての外国語独習者が知っておくべき「鉄則」…精読と速読の「本質的な違い」

すべての外国語独習者が知っておくべき「鉄則」…精読と速読の「本質的な違い」

外国語を勉強してみたい。だけど何から始めればいいか分からない。教科書選びに文法習得、単語の暗記、アプリの使い方…どこまでやればいいのか見当がつかない。チャレンジしてみたけど、挫けてしまった。そんな人は多いのではないだろうか。

『外国語独習法』では、100の言語をあやつる若き天才学者が初めて明かした「絶対に挫折しないための50のルール」を収録している。

※本記事は大山祐亮『外国語独習法』の一部を抜粋、編集したものです。この記事では第5章『独習の秘訣〜読解、暗記編〜』からルール28を紹介します。

ルール28 初級レベルでは精読を優先

受験英語では、読解をするときに精読と速読のどちらが良いのかという話になりがちです。しかし、外国語独習ではどちらかだけしか選べないという法律はありません。精読も速読も場合に応じて使い分けましょう。

では、どういう場合に精読をするのがよくて、どういう場合に速読をするのがいいのでしょうか。大前提として認識しておくべきなのが、精読をしようと思ってもできない言語は、速読もできないという事実です。速読は精読ができるレベルの語学力があってはじめて成立するものです。だからこそ、初級レベルの段階でまずやるべきは精読です。速読は中級以降のレベルになってからとりかかりましょう。

精読では、すべての単語がどうつながっているのか、それぞれの単語はどのような形なのかをしっかり考えます。ここではフランス語のJe voudrais poser deux questions.「2つ質問があります」という文を例にしてみましょう。この文の動詞はvoudraisで、これはvouloir「~したい」の条件法・一人称単数形です。文法的には条件法なのですが、ここでは現在を表す丁寧語で、英語ではwould likeに相当します。主語のje「私」に合わせて一人称単数形になっています。Je voudraisで「私は~したいです」となります。

これが精読のコツだ

このvouloirという動詞は、後ろに名詞か不定詞を要求します。この文では直後のposerが不定詞です。このposerは「置く」という意味の動詞なのですが、question「質問」という単語と組み合わせると「質問をする」という意味になります。どのような質問なのかというと、deux questions「2つの質問」です。直前にdeux(数詞の2)がついているので、ただのquestionではなく複数形のquestionsになっています。なので、文全体を直訳すると「私は2つの質問をしたいです」となります。これを日本語として自然な感じに整えたのが「2つ質問があります」という訳になります。このように、精読ではすべての単語がなぜその形でその位置にあるのかを考えます。

精読の場合、わからない単語は辞書を引いて調べます。そのとき、辞書で引いた単語の最初に出てきた訳語をメモするだけではなく、どんな単語や文型と一緒に使われるのかも見ておきましょう。上のvouloirという動詞であれば、不定詞か名詞を後ろに要求するというところまでメモし、名詞であれば複数形などの活用形もノートにつけます。その場ではすぐ役に立たなくても、そこでメモした経験はいずれ別の文を読むときに活きてきます。

精読では、読めないところを飛ばさない努力が必要になります。避けなければならないのは、わからないところを調べずに放置することです。目の前の文章の成り立ちを理解することはもちろん、次に同じ構造の文章が出てきたときにパッと把握できるようになるのが精読の目標です。わからないところは徹底的に辞書や教科書・文法書で調べましょう。最終的にその時点ではどうしてもわからなかったとしても勉強を進めるうちに自然と理解できるようになることがありますし、目的を持って調べた内容はかならず語学力につながります。