50代「ものを減らすだけ」の片付けは卒業。母子3人暮らし、捨てるよりも大切にしていること

「減らすだけ」の片付けをやめて、暮らしが好転した事例を紹介します。整理収納アドバイザーとして片付けサポートも行う、ESSEフレンズエディターの宮入京子さん(50代)のケースです。ここでは宮入さんが実践している、本当に必要なものだけを選んで人生の後半を豊かに暮らす片付けについて語ります。

50代からは趣味を楽しんで心豊かに

この記事のすべての写真を見る

子育て期は「減らすこと」で家事をラクにしていた

今思うと殺風景だった、子育て期のダイニング

夫・子どもたち3人と生活していた頃は、家事や育児であわただしく、「ものを減らすこと」で効率を上げるのがいちばんの方法でした。食器を選ぶ基準は「食洗機対応か?」、服は「アイロンいらずの素材か?」など、自分の「好き」よりも家事の効率を優先していました。

当時はそれが正解だったのかもしれません。手間がかからないものを選んだり、もの自体を減らすことで家事がラクになり、少しは自分の時間が確保できました。

ですが50代になり、夫とは離婚、長男は独立し、今は成人した長女と二男との3人暮らしに。家族の形も生活のリズムも変わった今、ただ家事効率のためにものを減らして暮らすのは、心の中にポッカリと穴があいてしまうような気がしたのです。

50代からは、好きなものと「心地よく暮らす」

趣味のお菓子をつくる道具は一生ものを選びます

たしかにものが多いと労力やスペースを使い、片付けも大変です。けれど、ただ減らしてラクになるだけの暮らしでは心は満たされません。50代からの片付けで大切なのは、「自分が心地よいと思えるもの」「暮らしを豊かにしてくれるもの」を選ぶことだと考えています。

私の場合、植物を育て飾ること、お菓子やパンをつくる時間、ときにはピアノを弾くひとときが幸せを感じる時間です。そのため、趣味に使う道具で長年愛用しているお気に入りのものは残すようにしています。

それらは生活に絶対必要なものではありません。ですが、心を豊かにしてくれると思えるものは、私にとっては「残すべきもの」と判断しています。

片付けは減らすことではなく「選び取る」こと

50代「ものを減らすだけ」の片付けは卒業。母子3人暮らし、捨てるよりも大切にしていること

片付けの目的は「ものを減らすこと」ではありません。片付けを仕事としてきた私がたどり着いたのは「自分にとって本当にいるものを選べる人になる」ということ。

たとえば、マグカップひとつでも気分を上げてくれるお気に入りは「いるもの」。趣味の道具、思い出のものなど、なくても困らないけれど、あると暮らしを豊かにしてくれるものも同様に残します。一方で、思い入れもなく、使っていない日用品や便利グッズなど、ただ無意識に家にあるだけのものは、家にある必要がまったくありません。

ものを持つ目的をよく考えると、「いる・いらない」を判断できるようになり、自分にとっての適正な量もわかってきます。「減らすための片付け」から「自分を大切にする片付け」へ。それが、50代からの人生を心豊かに、ゆるやかに生きる片付けの形だと思います。

50代は、これまでの暮らしを振り返りながら、新しい自分らしさをつくっていける時期。今回ご紹介したことが、ものを減らすことに縛られず「大切なものを選び取る」前向きな片付けのヒントになれまうれしいです。