新生活スタート!賃貸物件の退去費用を減らすために意識しておきたいポイントとは?

賃貸物件の退去時にかかる費用, 「現状回復」とはそもそも何なのか, どこまでが「通常の使用」の範囲なの?, 原状回復費用を減らすためのポイント, 知っておきたい「東京ルール」, クリーニング費用は「特約」を確認しよう

新生活スタート!賃貸物件の退去費用を減らすために意識しておきたいポイントとは?

新年度がスタートしたタイミングで、新たな賃貸アパートや賃貸マンションを借りて住み始めたという人も少なくないのではないでしょうか。

賃貸物件は、入居時にもまとまった費用がかかりますが、退去時も例外ではありません。居住年数や使用状況などによっては、想定を超えた負担が生じてしまうこともあります。退去時の費用負担をできるだけ軽くするために、入居してすぐ、そして居住中に意識しておきたいポイントをご紹介します!

賃貸物件の退去時にかかる費用

4月は、進学や就職、新天地への転勤など新たな生活のスタートを切る人が1年でもっとも多い季節です。それに伴って増えるのが新たな賃貸物件へのお引越し。皆さんの中にも、この春から新たな賃貸アパートや賃貸マンションに引っ越しをして住み始めたという人は少なくないのではないでしょうか。

賃貸物件は入居時に、礼金・敷金、前家賃、仲介手数料、火災保険料などまとまった費用がかかりますが、退去時にはそれらとは別に、原状回復費用やクリーニング費用がかかります(クリーニング費用については入居時に前もって払う場合もあります)。

特に原状回復費用は、荷物を運び出した後に担当者と立ち会いをして原状回復の責任範囲や負担割合を確認し、業者に見積もりを取ってから金額が確定するので、後日届いた請求書の金額を見てびっくり!なんていうことも。敷金を預けていればそこから相殺されますが、敷金を超える金額になった場合には、敷金が戻ってこないばかりか、追加で費用を支払うことになります。

当然ですが、現在の賃貸物件から退去するタイミングには、次に住む物件の入居費用や引っ越し費用がかさんでいるタイミングでもあります。泣きっ面に蜂にならないためにも、入居したての今、そして居住中から退去費用について意識をしておきたいところです。

「現状回復」とはそもそも何なのか

先ほどもお伝えしたように、原状回復費用は後から金額が確定する仕組みになっています。さらに借り主と貸し主の間で割合を決めて負担する仕組みになっていることから、双方の間でトラブルに発展することがめずらしくありません。そのため、国土交通省は、原状回復の一般的な基準を示すため「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を取りまとめ、発表しています。

この「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、原状回復とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」であると定義されています。そしてこの復旧にかかる費用については賃借人、つまり「借りる側」の負担になるものとしています。

表現が難しいので、一読して定義をストンと理解することは至難の業かもしれませんが、かいつまんで言えばポイントは2つ。1つ目は、「故意や過失、通常の範囲を超える劣化について借りる側の負担で復旧する」ということ。2つ目は、「通常の使用の範囲による劣化は借りる側の負担で復旧する必要はない」ということです。

どこまでが「通常の使用」の範囲なの?

そうなってくると、ポイントとなるのは、どこまでが「通常の使用」の範囲なのか、ということ。

どんなに毎日綺麗に掃除をしていたとしても、冷蔵庫やテレビの裏の壁紙が電気焼けによって黒ずんだり、クロスが日焼けによって変色したり、カーペットに家具の設置跡がついたりすることは、生活をしていれば避けられないことです。こうした事象については経年劣化、つまり「通常の使用」の範囲として認められるため、借り主は原状回復費用を負担する必要がありません。

一方、お風呂場やお手洗い、洗面台の水垢やカビ、結露の放置によるカビ、タバコによる壁のヤニ汚れや臭い、ペットの飼育による壁や床の傷や臭いなどについては、「通常の使用」の範囲を超えているとみなされ、借り主が全額、費用を負担する必要があるとされています。

気をつけたいのは、お香やアロマオイル、香水などについても、長期間、頻繁に使い続けると臭いが染み付いてしまい、原状回復の際に指摘される可能性があること。火をつけて炊くタイプのお香は特に要注意です。

ちなみに、壁に絵画やポスター、カレンダーなどを貼るために画鋲やピンを挿した跡は「通常の使用」の範囲とされますが、下地ボードの交換が必要なほどの大きなクギ穴やネジ穴を開けた場合には「通常の使用」の範囲を超えているとされます。

原状回復費用を減らすためのポイント

こうしたことからもわかるように、原状回復費用を減らすための最大のポイントは、ズバリ「こまめに掃除をしたうえで、丁寧に扱う」ということ。特に雨の予報の日に窓を開けっ放しにして出掛けない、シャワーを浴びたらしっかり換気をする、結露を放置しないなど、水垢やカビの対策にはしっかりと注意を払いたいところです。

また、レンタカーを借りるときと同様、もしも入居時から目立った汚れやひび割れなどがあった場合には、「入居前からそうなっていた」ということが証明できることが必要になります。気になるところがあれば細かく写真を撮り、退去の立ち会い時に指摘されたらすぐに写真を見せて反論できるように保存しておきましょう。

まだ先の話にはなりますが、退去時に掃除をしっかり行うということも重要です。水垢やカビがあると判断されるのを避けるためというのももちろんですが、退去後の立ち会いでしっかりと掃除がされていると「物件を丁寧に扱ってくれていた」という好印象を与えることができるからです。

知っておきたい「東京ルール」

先ほども述べたように、原状回復費用は借り主と貸し主の間で負担するものであることから、双方の言い分が食い違い、トラブルに発展することがめずらしくありません。こうしたトラブルを避けるために、東京都は、国土交通省のガイドラインに加えて2004年より独自の賃貸住宅紛争防止条例、通称「東京ルール」を設けています。

この「東京ルール」に基づき、東京都の賃貸物件を借りる場合、契約の段階で、借主に「退去時の原状回復の内容」「入居期間中の必要な修繕」「契約においての特約条項」「修繕及び維持管理等に関する連絡先」を伝えることが義務付けられています。ですから、現在、東京都内の賃貸物件に住んでいる人であれば、すでに原状回復に関する細かな説明を受けているはずです。

クリーニング費用は「特約」を確認しよう

もうひとつの退去費用であるクリーニング費用(専門業者によるハウスクリーニングにかかる費用)についても注意点があります。なぜなら、クリーニング費用は、本来は貸し主が負担する費用なのです。ところが、入居時の契約書の中で「特約」として記載すれば、このクリーニング費用を借り主の負担にすることができるため、現状、多くの場合でそのような運用がなされています。裏を返せば、契約書の中にそのような「特約」の記載がなければ、退去時に請求されたとしても支払う必要はありません。

また、クリーニングは既成の清掃メニューに基づいて行われるものであるため、基本的に契約書に記載された金額を超えて請求されることはありません。契約書にどのような記載があったか記憶がないという場合には、一度契約書を確認しておくことをおすすめします。

賃貸物件であっても、毎日、帰る「自分の家」であることには変わりありません。最後まで気持ちよくお付き合いするためにも、こうした退去時の予備知識についてもしっかり頭に入れておきましょう!