仕事ができる人とタスクをこなすだけの人の差

「仕事が出来る」とは, 物事の本質を見抜き、根本的な課題解決を見出す力, 出店計画の調査メンバーに選ばれたら、まず何をする?, 出来る営業マンは目先の「売る」ことから入らない, 真の課題は何か?

仕事が出来る、とか仕事を通じて成長する、とはいったいどういった状態のことを指すのだろうか?(写真:polkadot/PIXTA)

世の中仕事が出来るヒトもいれば出来ないヒトもいる。

そして仕事を通じて成長出来るヒトもいれば出来ないヒトもいる。

それらの違いは何だろうか? 今回はそんなことを一緒に考えてみたい。

「仕事が出来る」とは

そもそも仕事が出来る、とか仕事を通じて成長する、とはいったいどういった状態のことを指すのだろうか?

与えられた仕事や期待される役割をキチンとこなす、であろうか?

いや、それはむしろ当たり前のことであって、仕事をする対価としての報酬をもらっている、いわばプロとしては最低限のラインであろう。

そういった状態は「自分の仕事をしている」、ではなく「与えられた仕事をさせられている」であり、前述の仕事が出来る、という状態とは程遠いのだ。

そうではなく、与えられた仕事や期待されている役割の意味をキチンと考え、期待以上の結果を出すし、出し続ける、というのが仕事が出来る、といわれる様な状態なのであろう。

そして仕事を通じた成長というのは、

仕事を与えられる

与えられた仕事や役割を超える結果を出す(=仕事が出来ることを証明する)

働きが認められ、更に上のレベルの仕事や役割を期待され求められる

また想定以上の結果を出す(=仕事が出来ることを再度証明する)

更に上のレベルへ

という様なプラスの循環のことだろうし、その循環を創り出せる能力及びその結果として職業人としての成長を果たす、ということなのだろう。

物事の本質を見抜き、根本的な課題解決を見出す力

仕事が出来ないヒトや成長出来ないヒトはそういったことを意識することなく、つまり深く意味を考えることなく、目先のタスクをこなすことだけを考え、そしてこなすことが仕事をすることだ、と思い込んでしまっている様な状態に陥っているのだろう。

もちろんベルトコンベア式な流れ作業においては、そういった「こなす」能力も必要だろうし、実際にそういった能力が大量に求められていた時代もあったのだと思う。

ところがもはやそういった時代はとっくの昔に過ぎ去り、現時点においては(というか過去30年以上に亘り、というほうが正確な表現だと思うが)、前述の様なそもそもの意味を考え想定以上の結果を出す、つまり「前例や正解ありきの流れ作業的な仕事」よりも、より想像力の駆使や全体感の把握、クリエイティブさやイノベーティブさが求められているのだろう。

端的に言うと、「物事の本質を見抜き、根本的な課題解決を見出す力」、とでも言おうか。

それこそがまさに「仕事が出来る」ということなのだろう。

細かい話というか仕事術の話をすれば、「事実と主観をごちゃまぜにしない」とかなんとかいくらでもあるのだが、ここでは紙幅の都合上もあり、より大きな視点のみで語っていきたい。

尚、「事実と主観」の話に少々触れると、よく「事実を積み上げていけば解決につながる」、みたいなことをいうヒトがいるが、ビジネスにおいて重要なのは「事実をベースにした主観」を如何に持てるか、であり、その「ファクトベースの主観を行動=結果、につなげる力」なのだ。

前例や正解がないことが大半のビジネスや仕事という世界であるが故に、その様なファクトベースの主観を持てることやその先の行動力が大切なのだ。

出店計画の調査メンバーに選ばれたら、まず何をする?

さて、話を先ほどの全体感の件に戻そう。

例えば、の話であるが、外食でもアパレルでもなんでもいいのだがとある店の出店計画の立案のメンバーに選ばれて、出店の可否や成否について調査を求められたとしよう。

商圏人口や競合の調査、初期コストの見積もりや想定単価や購買頻度、リピート率、オペレーションにかかるコスト、初期コストの回収期間うんぬん。

一通りそろえて「いけると思います」とか「採算が合いません」とか、「回収期間が当社基準を超えます」とかなんとか報告をする。

一応与えられた仕事はこなした、という状態だろう。

ただ、これは前述の通り、「仕事をこなした」であり仕事が出来るヒトのやり方ではない(もっとも仕事をこなせないヒトもいる中、それだけでもまぁ立派ではあるのだが)。

では仕事が出来るヒトはどう考えるか?

出店、という手段「のみ」にとどまらず、より全体感を把握したうえでその「背景にある目的や課題を把握する」ことから始めるだろう。

会社全体は今どんな状態なのか、資金的な余裕の有無、全体として投資フェーズなのか回収フェーズなのか、店の業態などの全体のポートフォリオはどうなっているのか、今回の出店候補のエリアは既存エリアや新規のエリアなのか、などなど。

そういたった全体感を掴むことで、どの程度のリスクを許容するべきか、であったり地域における旗艦店の様なものがふさわしいのかそれとも既存店との相乗効果を狙うのか、などなど、見るべき視点や優先すべき事項がよりクリアに見えるハズだ。

新規のエリアへの戦略的な出店であれば、初期コストや回収期間が既存展開エリアに出す店よりも大きくそして長くなることへの正当性につながるかもしれないし、逆に既存エリアへの理想的な収支シミュレーションの枠に当てはめて「のみ」考えると、なんとなく全体的にこぢんまりとした店になってしまい、「商圏開拓」という目的に照らし合わせて迫力不足になってしまう可能性すらある。

だからこそ、出店の可否、とかいう表面的なタスクのみに目をむけずに、より全体感をもって出店の目的や背景にまで目を向けるべきなのだ。

出来る営業マンは目先の「売る」ことから入らない

別のケースで顧客に売るケース(車でも時計でもいいのだが)、を考えてみよう。

よくある話だが、普通の営業マンは自分の売りたい製品(ほぼイコール会社が売りたい製品)の魅力をなんとか顧客に説明して、魅力をわかってもらおうとする。

一方で、出来る営業マンは「顧客の求めるものの理解」から入る。

車の例でいけば特に都会においては、車を保有することのメリットよりもデメリットのほうが大きい可能性もあるし、かつてと違って所有ではなくシェア、という選択肢もある。

そういった中で、「あえて所有しようとする」には、理想とするライフスタイルであったり、事情であったり、顧客なりの考えがあるハズだ。

そういった購買の背景にあるマインドをまずは理解し、そのマインドに合致する製品やその特長をアピールする、という売り方のほうが成約につながる可能性が高いのは言うまでもないだろう。

時計にしても同様で、スマホなどで時間がわかる現在において、「あえて買う」にはやはり顧客なりの理由であったり思想や理想があるハズだ。

目先の「売る」ことをこなすのではなく、そういった「顧客理解を通じた販売」のほうがより長期的な関係を築けるのは言わずもがな、であろう。

真の課題は何か?

いずれにしても、大切なのは目先のタスク「のみ」を見るのではなく、その行為の意味を考え、より全体感や長期的な目線をもって仕事をする、ということが重要なのだ。

繰り返しだが、仕事を単純にこなすだけでは評価もされないし、成長につながらない。

自分が行おうとしている行為の目的や、真の課題は何か?

マニュアルや前例だけをなぞるのは仕事とは呼べない。それは単なる作業だ。

ビジネスの世界や仕事では正解は存在しない。

だからこそ、表面的で作業的な仕事ではなく、物事の本質を見極め、根本的な課題解決につなげる力がより一層求められているのだ。

そういった本質を理解したうえで仕事を行うことこそが、出来るビジネスパーソンの第一歩であると心得よう。