土星の環の向こう、43億km先の小さな「青い点」 地球ではなく…

土星の環の向こう、43億km先の小さな「青い点」 地球ではなく…
今回は、NASAが2014年5月に「地平線上の青い球体(Blue Orb on the Horizon)」として公開した、土星探査機カッシーニによる画像を紹介します。
黒い宇宙空間を背景に、画面を斜めに走るのは土星の環です。その向こう側、左上付近に、小さいながらも青く輝く点が写っているのがわかりますでしょうか。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
この小さな点の正体は、太陽系第7惑星の「天王星」です。
撮影されたのは2014年4月11日で、カッシーニがミッションの中で天王星をとらえたのはこれが初めてでした。このときカッシーニは、土星から約99万km離れた軌道を飛行していました。
土星の近くにいたカッシーニから天王星までは、およそ28.6天文単位。距離にして約43億kmも離れていました。天文単位(AU)とは、地球と太陽の平均距離を1とした単位で、土星は太陽から約9.5天文単位の軌道を回っています。つまり、このときのカッシーニから天王星までの距離は、地球から土星までの距離のおよそ3倍に相当します。
人間の目で見た色に近い合成画像
この画像は、カッシーニの狭角カメラで、赤・緑・青の各フィルター画像を組み合わせた「ほぼ人間の目で見たときに近い」色合いに調整された合成画像です。明るさに関しても、天王星が約4.5倍、画像右下に見える土星のA環(外側の明るい環)は約2倍に強調されています。
また、画面中央を横切る明るい細い筋は、土星の主要な明るい環のすぐ外側を巡る細い「F環」です。

土星の環。左が内側で右が外側。クリックで拡大(Credit: NASA/JPL/Space Science Institute)
天王星の色

ボイジャー2号が撮影した、淡い青緑色をした天王星(Credit: NASA/JPL-Caltech)
「地平線上の青い球体(Blue Orb on the Horizon)」として紹介された天王星ですが、実際には青緑色に見えます。その理由は、大気に含まれるメタンガスの性質によるものです。メタンは太陽光のうち赤い波長をよく吸収し、青から緑にかけての光を比較的通しやすいため、宇宙空間から見ると惑星全体が青緑色に染まって見えるのです。
同じく「巨大氷惑星」である海王星もメタンを多く含んでおり、基本的には天王星と同じ青緑色の天体ですが、観測条件や画像処理の違いもあって、天王星よりやや青みが強い色合いに見えることがあります。
編集/sorae編集部
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・9月15日は土星探査機「カッシーニ」のミッションが終了した日
参考文献・出典
・Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
・NASA - Blue Orb on the Horizon