「父の突然死と遺品整理」で感じた、身軽に生きることの大切さ。永遠に出番が来なかったものとは

家族との突然の別れで困ることの1つに「遺品整理」があります。整理収納アドバイザーで2児の母であるあさこさんは、1年前に実父と突然のお別れとなったことで、父の部屋を片付けることに。「父は生前、比較的整って暮らしていましたが、それでも着なくなっていたスーツや箱にしまいこんでいた本がたくさんありました」と話すあさこさんに、遺品整理を通して感じた、「今のうちから身軽に生きる必要性」についてつづってくれました。

1:「いつか使うかも」のいつかは永遠に来なかった, 2:年齢を重ねれば片付けはどんどん大変になる, 3:最終的に困るのは「家族」だということ, 4:最期は身ひとつで、この世を去る

父の遺品整理で学んだ整理の大切さ

【写真】父の部屋残されたたくさんの服

1:「いつか使うかも」のいつかは永遠に来なかった

1:「いつか使うかも」のいつかは永遠に来なかった, 2:年齢を重ねれば片付けはどんどん大変になる, 3:最終的に困るのは「家族」だということ, 4:最期は身ひとつで、この世を去る

貰い物の食器や小物、とうとう使われることはありませんでした

父の部屋だけでなく、実家にはまだ使えるものがたくさんありました。新品の毛布やお皿、靴など。おそらく「いつか使うかも」と残していたものばかりでした。

けれども、結局父はものが使われるより前に旅立ってしまいました。

一体このものたちは、なんのために存在していたのだろうとしみじみ思いました。持ち主はもうおらず、使われることなく、ただ収納のなかに眠っていただけ。

「いつか使うかも」のいつかはやってこない。使わないもののために収納を圧迫して、ものの多さに「今」わずらわされている方がもったいないのでは…と感じました。

2:年齢を重ねれば片付けはどんどん大変になる

1:「いつか使うかも」のいつかは永遠に来なかった, 2:年齢を重ねれば片付けはどんどん大変になる, 3:最終的に困るのは「家族」だということ, 4:最期は身ひとつで、この世を去る

たくさんのものを運ぶことは、年を取れば負担になる

母と、父の部屋を片付けていました。いらなくなった棚を運んでいる最中に、なんと母が転倒してしまったのです。年を取ってからの片付けは大変だと実感しました。

年を重ねれば、気持ちはあっても、体が思うように動かない。重い家具を動かすことも、長時間立って整理することも、年齢を重ねるほど負担になります。

母は肩の痛みを抱えているため、父のものだけでなく母自身のものも、片付けを1人でこなすのはかなり大変です。

長年ものをため込んでいる場合、総量はどんどん多くなります。けれども、年を重ねれば重ねるほど、ものを片付けるという行為は難しくなっていくのです。

3:最終的に困るのは「家族」だということ

1:「いつか使うかも」のいつかは永遠に来なかった, 2:年齢を重ねれば片付けはどんどん大変になる, 3:最終的に困るのは「家族」だということ, 4:最期は身ひとつで、この世を去る

遺品整理をして改めて感じたのは、「ものをためこむと、最終的に困るのは家族」ということです。

もち主にとっては思い出の品でも、家族からすれば「これは残す? 捨てる?」と判断を迫られる対象になります。その作業は「ものの整理」だけでなく、「心の整理」でもあります。悲しみのなかで決断を繰り返すのは、心理的に負担の大きな作業でした。

だからこそ、私は「今のうちから身軽に生きる」ことが大事だと学んだのです。

生前整理という言葉を聞くと少し重く感じるかもしれませんが、実際は自分の暮らしを整えることにほかなりません。「今の自分に必要なものだけをもつ」ことは、未来の自分や家族を大切にする行為だと思います。

4:最期は身ひとつで、この世を去る

1:「いつか使うかも」のいつかは永遠に来なかった, 2:年齢を重ねれば片付けはどんどん大変になる, 3:最終的に困るのは「家族」だということ, 4:最期は身ひとつで、この世を去る

生前に私がプレゼントした箱。棺の中で眠っている父のそばに置いておきました

父の棺を前にして思いました。

「あの世に多すぎるものは持っていけない」

棺に入れてともに旅立てるものは、「普段身に着けていた身の回りの品、少しの思い出」だけでした。

私たちは、最期は身ひとつでこの世を去ります。だからこそ多すぎるものに囲まれて暮らすのではなく、必要なものだけとともに、身軽に暮らしていきたい。そして、私がいなくなったあと、家族が困らないようにしておきたい。

父の遺品整理は、そんな「これからの生き方」を考えるきっかけをくれました。

ものを減らすことは、限られた時間のなかで、なにを大切にして、だれと生きるかを選び取ること。「今この瞬間を、軽やかに生きていくこと」が大切なのだと実感しました。