別れを予感していた彼…許せないのは彼じゃないのに【やさしさに焦がれる Vol.66】

■これまでのあらすじ

母に結婚を反対され苦悩する凜。その裏で弟はFXに失敗し、実家の金品にまで手を出した。母の頼みで弟を訪ねた凜は、開き直る弟に呆れる。そこへ現れた婚約者は、弟に「100万円を渡す代わりに家族へ迷惑をかけない」と合意書を差し出す。弟の皮肉に彼は「大事な人を守るためならサイコパスにだってなる」と穏やかに返すのだった。帰り道、凜は彼にあんなことを言わせてしまったと苦しむ。――こんな情けない母と弟を彼の家族にさせるわけにはいかない。そう考えた凜は彼に別れを告げるのだった。

■家族を許せない…もう彼を巻き込みたくない

別れを予感していた彼…許せないのは彼じゃないのに【やさしさに焦がれる Vol.66】

■別れの言葉に彼は何を返す…?

突然の「別れたい」という言葉に、彼は一瞬、凜が自分の行動に怒っているのだと思いました。けれど凜の口から出たのは、「家族が許せない」という言葉。

その言葉に込められたのは、怒りではなく――彼をこれ以上困らせたくない、家族の事情に巻き込みたくないという切実な思いでした。

少しの沈黙のあと、彼は静かな声で応えました。「いつか、そう言われるんじゃないかと思ってた」

凜が誰よりも正義感が強く、いつでも自分を犠牲にして他人を思いやる人間であることを、彼はよく知っています。

だからこそ、この瞬間がいつか訪れるのではないかと、心のどこかで覚悟していたのかもしれません。

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